昨日、朝10時頃に葬儀社から電話ありました。

「ちょっと、昨日の〇〇家の娘さんから、もう一度直して欲しい

と言われたんできてもえらえますか?」

「そうですか!わかりました。ちょっと出かけてしまったので1時間以内に

行けますから」

昨日の施行、、、娘さんがそばでずっとみていてくれ、もう少し

唇を大きく描いて、、毛染めも此処がまだぬれていない、、、など

細かすぎるほど指示していただき、

「あと、何処かお直しする所ございませんか」

「はい、大丈夫です。綺麗にしていただいてありがとうございます」

と、確認とり、家から担架で霊柩車に運び、ホールで納棺。

ホールで見ると、ホールの明るさで、ファンデーションのムラになっている

ところ、毛染めがまだ完璧ではないところあり、もう一度手直ししたんですが。。

おでこの生え際に縫合のあとあり、 前髪は剃って、短い毛が生えていたので

ファンデーションをぬって!短い毛は生え際初め様のブラシタイプ

で塗りましたが、そことファンデーションの境目をボカしたり、

昔、湯灌の会社に勤めていた頃、「私たちは時間に限りがある、その中で

出来るだけの事はしますが、完璧に髪の毛を染めることは出来ません、

パッと見た感じ、生え際が白髪で、途中から黒かったら、

長患いで、髪の毛も染めれなかったんだなーと思われるから、そこは

毛染めの提案をしますが、美容院ではないので、完璧にはできませんと

お家の方に納得してもらいましょう、とか言われ、その口上を今でも

使って、納得してもらってやります。


ホールに10時40分に着くと、娘さんが玄関で待っていらっしゃいました。
「昨日はお世話になりました。何処かお直しするところあるとお聞きしましたので

参りました。早速よろしいですか?」
「すみません、ご足労かけてしまって」

と娘さんがホールの方に私を誘導します。

「ちょっと、事務所に声掛けてきますから、お待ち下さいね」

私が来たことを、事務所にお知らせして、棺の方に向かいました。

故人様のお顔は、安らかで本当にお釈迦さまのようにすましていらっしゃいました。

心の中で「また来ましたよ、お呼びになりましたか」

「娘がね、、、気がすむように聞いてあげて」

そんなこといってらっしゃいました。

娘さま「昨日は暗かったので気がつかなかったのですが、よく見ると産毛が

まだ残っているので、もう一度顔剃りしてもらえませんか、

あと、髪の毛もまだ白いところ見えるので、私に毛染めのブラシを貸してもえらえませんか」

私は娘さまに、私が今使っている毛染めようをお貸ししました。

これの方が、よく着くので、さっき急いでポケットに入れてきました。

顔剃りは、想定外だったな、、、

産毛をそるということは、ファンデーションも取ってしまうので、また塗る直すとなると

ムラムラができてしまうかな、、、と思いながらも

皮膚のギリギリのところで、口の周りをカミソリを当てました。

産毛はないのです。でも、ないとは言えません。

しばらく繰り返して、「どうでしょうか、一度確認してもらえますか?」

娘さんがじーっと顎のあたり、鼻の下をみて

「大丈夫です、綺麗になりました」

そうおっしゃって、また毛染めを続けます。

「大切なお母様だったのですね」

そう声掛けすると、ニコッとされました。

暫く、毛染めされている後ろで、終わるのを待っていました。

そこに、家族の方が「どう?綺麗になった?」

と近ずくと、「綺麗にしてもらったからよかった」と嬉しそうに

話されました。

「ではおふた、お閉じしましょうか」と言って一緒にふたを閉じ、

かんまきをかけました。

そのあとからも、かんまきを上から何度も撫でていらっしゃいます。

あーそばにいたかったんだね、

私が来た意味は、この娘さんが最後の最後に、自分を納得させたかった、

だから私が来て「直してもらった」ことを言わなければ、みんなは「勝手に触らないで」

と言うかもしれないから、私が来なくてはいけなかったのかも」

「お世話になりました、ありがとうございました。お母様、とても良いお顔していらっしゃいますね」

「はい、綺麗にしていただいてありがとうございました」

そういって、ご挨拶して帰ってきました。