この前の施行のことです。


納棺の立会いは、娘さんとそのお子様。

娘さんのお年は30代初めくらい。

お子さんは小学4,5年の男の子。


私がホールに入っていくと、すぐにその男の子は

私に近づいてきました。

でも、少し距離をおいて私をチラ見する感じで、私が

「お世話になります」というと黙って、こくりと頭を下げてくれました。


故人様のお顔(口元)は口角が下に下がっているのと、首が枕に当たっていない為、顎が下がって「ちょっと苦しい感じ」がありました。


首にパット(手作りの詰め物を白い紙で包んだもの)を入れて

首を固定すると、苦しい感じはなくなり、含み綿で口角をあげましたら

微笑んだ顔になりました。


「お口元、どうですか?」

そう喪主様(娘さん)に伺いますと、

「〇〇ちゃん、どう?これでいい?」と息子さんに聞きます。

その男の子は、こくりと頭を下げ「これでいい」と言ってくれました。

でも二コリともしないし、顔の表情が変わらないのです。


途中、喪主様は電話が何度もかかってきて

忙しくしていらっしゃったので、

その男の子と私と故人様の世界になりました。


着替えの時、

「少し手伝っていただけますか?」と声をかけると、こくりとうなづいて

自分の方の着物を私にすっと送ってくれます。

あれ?私が「送ってください」と言う前に送ってくれた、、、

と思いました。


袖から下に着ている浴衣の袖が見えていたら、その男の子は

浴衣を中で折って見えないようにしていました。


そのあと、手を合掌してお数珠をかけていただきますと、

男の子は、おばあちゃんの手の上から自分の手を乗せて

キュッと抱きしめるようにしていました。

本当にいとおしい、という感じにみえました。


納棺後に襟元に飾りをさせていただく色も男の子に決めてもらい

ました。

襟は薄い紫、羽織は薄いピンク。

とても似合っていらっしゃったのですが、

男の子は小さい声で「僕が選んだんだ」と

お母さんに伝えてくれました。

「そう!〇〇ちゃんが選んでくれたの!綺麗だね、よかった」

そうおっしゃってくれました。


「着替えも手伝っていただきました。本当に助かりました」

そう喪主様に伝えました。

「そう!着替えも手伝ってくれたの!」そう喜んでいらっしゃいました。


祭壇に安置し、私は荷物をまとめてホールを出る時、

その男の子はずっと、祭壇の前の棺に寄り添って、小窓を

フィルムの上からなでているのです。


いつまでもその姿が私の中で忘れられなくてブログに書きました。


私にも同じくらいの孫がいますが、

こんなにいとおしくしてくれないだろうな、、、

だってあの子に何もしてあげてないもの。。。


https://www.youtube.com/watch?v=fk3E1_UBDb8


ユーチューブに含み綿のこと、少し語ってみました。