2年前、なかなかお仕事が開けていかず、

「やっぱ他社とは違う売りがないとだめなのかな~」

そう思い、腹水抜きをしている葬儀社に見学に行き、

そこの仲介で中国にわたりその技術を覚えたい


そう思い込んで、中国研修費用を銀行で借りて、、と思い

「女性企業家に資金を融資する」という制度を利用してみようかと

銀行に行くと、まったく相手にしてもらえず、そればかりか

「起業したとき、なんで仕事をもらえる取引先を確保してやめなかったのか?

1年経っても仕事がないなんてそんなのは経営ではない」とお説教?されてしまい

ショックを受けて帰ってきました。


それから、腹水抜きはもう愛花の「売り」にはしない、

私は納棺飾りは誰にも真似できない「花嫁納棺」


それでも吸引の器械は用意していました。

電気の吸引機は7万ほど高額なので、手動式を持っていました。

それと、千葉の先生から譲ってもらった注射器と動物用の針。


おととい、新しい葬儀社から仕事の依頼があり受けました。

その後から、担当者から「故人様、体液が出て着ているのですが、

吸引とかは出来ませんか?」

「はい、持っていますが、まだやったことがないので、やらせてもらえるのなら

やってみたいのですが、お家でやるとなると退室をお願いできますかね?」

「必要なんだからそのことを説明してもらってやってもらってかまわないですよ」


私はすぐに、器械を持ってきて注射針と吸引器ををつなぎ、トマトに針を刺して

やってみました。

こんな感じでいいのかな~~?


そして在家で故人様を見ると、口の中からの体液(黒褐色)が出て着ているので、

口から取るのがいいかな?

そう判断して、喪主の方に「お口の中を確認させていただきましたら、

体液がまだ溜まっているようです。

溜まったままですと、お着替えの時に着物を汚してしまったり、葬儀の最中に

体液が流れ出たりしますので、今から吸引器で取らせていただきたいのですが

少し、襖を閉めさせていただきたいのですが、お願いできますか。」


それから、器械をセットして、汚れない様にシートをひき、

マーゲンチューブ(30センチ)を口から

根元まで入れて器械で吸引をしてみましたが、よく取れません。

だめかなー?

お顔を横に向けてもう一度やってみると、

チュウブの色がみるみる黒くなり、器械の受けに溜まりました。


「喪主様、少し見ていただいてよろしいでしょうか?」


そう声をかけて部屋にはいってもらいました。

そしてチュウブの色と、受ける容器に溜まった黒い体液を見せ、

「今、これだけ取れました。

これでお口に綿を入れて着替えをしたあと、もう一度

お口の中を確認して、まだ出てくるようならもう一度吸引をします。


着替えは葬儀社の方も手伝っていただき、

なるべく体を動かさないようにそっと行い

最終、お口の中の綿を取り見てみると、

ほとんど綿についていないことを見ていただき

ました。


昨日、無事、旅立ちされました。よかった、、

葬儀中に体液が出ることなく、沢山の人にお別れを

していただきのに、口や鼻から黒い体液が出てきては

みんなにそのお顔のイメージが残ってしまいますから

この吸引施行は必要なことだと思います。



でも初めての経験をさせていただいた「故人様」に感謝、感謝。

そして、頑張った自分にも感謝感謝。

そんな色々な思いから、終わって車の中で泣いてしまいました。

今日は一日、体が痛い、引きずって動いていました。

全身の神経が緊張したせいでしょうか。