今日は新年そうそう、2件続けて納棺の仕事でした。

2件目が、めちゃ大変だった。

それは、私が十数年前に火葬場の職員をしていたところの葬儀屋さんに出向いたわけですが、、、

火葬場は公共施設になるので、市の職員かと思われがちですが、委託された私たちがやっています。

だから私はC葬儀社からお給料をもらっていたのですが、その会社には出社しないので、私がC葬儀社の社員だったということは、誰も知らないと思います。

その当時の会長に自分を売り込んで、会長も「これからは男の職場という観念は棄て、女性の柔らかさが、こういう仕事に必要かも。ためしに使ってみるか、と採用されましたが、女というのが仇になり、結局2年で退社をして、その後はその会社には縁もなかったわけですが、

H葬儀社の社長に連れられてC葬儀社にいったわけです。

多分、このお正月、葬儀場がないとか、火葬場が休み、とかの関係で、すぐに火葬できなく、預かってもらっていたのでしょうが、腐敗が進んで、えらいこっちゃになってしまって、急きょ、私がよばれたのだと思いますが、顔は膨らみ、首からは体液、出血があり、水ぶくれが敗れて皮膚がむけているわ、顔は大きく膨らんで赤ら顔、ところどころ、皮がめくれ上がって、、、

傷もかさぶたになってところどころあるわ、、

よく、お風呂でお亡くなりの人がこんな感じになっているのですが、体中の体液が棺のしたに溜まって入る感じ。

棺はビニールコーティングになっているので、下にもれてくることはないそうですが、、、


まずは、首、顎の体液がでているところにフィルムを貼り、その後、全体にどうらんを塗り、特に傷で盛り上がっているところは筆で塗りこむ感じに、そのあと、眉毛、頬紅、口紅で顔を描いていく。


それでも社長は「よくなった」と一言も言ってもらえません。

私も、これじゃあ、プロの仕事と思われない、


途中、C葬儀社の社長が部屋に入ってきて、

「手を合わせよかね~」と独り言みたいにいいながら近づいてきました。私は一瞬、社長を見、お辞儀をしたあと、すぐにくるっと向きをかえて、故人様に向かいました。


社長同士の会話が後ろから聞こえます・

「納棺師?」

「そうです、名古屋から来てくれるんだけどね」

そう聞こえてきても、振りむかず、施行を続けました。

社長がぼんくらなら私に気がつかないでしょう。知らん顔してましょう。


それでも、納棺の出来栄えは後から見に来るでしょう。

なにがなんでも見れるお顔にしなくては、、、

私は車の中から、納棺飾りのグッズを持ってきて

「社長、白い着物を着ていらっしゃるかのように、襟をこのようにのせて、こちらに紫の羽織を着ていらっしゃるかのようにしたいと思いますが、どうでしょうか?」

「いいね、」

「あと、お顔が目立たなくなるように、顔の周りに薄い和紙をこのように飾りたいのですが、どうでしょうか?」

「そうね、薄い色があればその方がいいのだけど、」

「あります、薄いピンクでどうでしょう?

なんとか出来上がり、棺のふたを閉じて、帰りに

「2件分はらうから、いくらになる?」

「社長、今回のは正規のお代を頂けない、プロの仕事ではないような気がしますので、半分の5000円だけいただいてよいでしょうか?」


一生懸命、自分の最高の技術を出し切っても、上手く出来ない、

それでも誠意は尽くした。あとは、社長が判断してくださればいいのですが、やはり堂々といただけませんでした。


帰りは信号ごとに寝てしまい、後ろの車にクラクション鳴らされながら帰って、家に帰ってそのままバタンと倒れこんで寝てしまいました。

それでも、起きたら車から今日、使ったものの補充や、消毒やらをして、またいつでも出動できるようにしました。

2年前、持ち帰ったゴミを家に入れるのは抵抗があると思っていたのに、今は平気でベランダに置いてます。

今度、ゴミ収集日は7日なので、しっかりと袋を結んで、置きました。

歩く時、腰、足がロボットみたいにカクンカクンとしてがに股で歩いています。

大変な施行で中腰で作業していて、腰が抜けるように痛かったのですが、社長に腰が~~なんて冗談も言えない、厳しい目だったので、痛さももう感じないくらいでしたが、そうとう体や、精神にダメージ受けている感じです。


お顔の修復は私のやりたいことだったはずなのに、普通の故人様を綺麗にするのは誰でも出来ること。誰でも出来ない事をやれる自分になりたいと思っているはずなのに、顔が不自然な仕上がり、、、、

これからの課題です。