妹が御園座の歌舞伎の券があるから行こうと誘ってくれました。
楽しみにしていたのに、夜勤明けで、急いでシャワー浴びて、着替えてマンションを出る時、電話がなりました。
「今日はどんな予定ですか?」とH葬儀社の社長でした。
「はい、いつでも大丈夫です」
というわけで、嬉しいお仕事が入りました。
さっそく妹に電話しました。
「ごめん、、、仕事はいったの」
「うそ~~信じれん!1万5千円のチケットなんだよ!」と電話の向こうで怒りしんとうの妹。
そしてブちっと電話は切れました。
私は頭の中をからっぽにして、納棺のことだけかんがえました。
それでも、なんだか寂しい、、、、
「こういうお仕事を選んだんだから。。。」そう何度も心の中でつぶやきながら、、、とぼとぼと駐車場まで歩きました。
妹を怒らせてしまった分、歌舞伎が見れなかった分、仕事をがんばりましょう!と思い切り頑張ってきました。
お嫁さんや、娘さん3人の見守る中、「とにかく綺麗にしてあげて」
という要望。
入歯の代わりに含み綿でお口を整え、「どうでしょうか?」と聞きますと、口の下の皺をなんとか隠せないものだろうか?
と要望があり、マッサージクリームで、なでるように皺を伸ばしてみました。眉間の皺も少し、苦しそうなので伸ばしてみました。
髪の毛は上の方が薄くなっているのが、おばあちゃんが生前気にしていらっしゃったと聞きましたので、そこを目立たないように、まずはカールしてそれから、逆毛を作ってふんわりセットをしました。
「綺麗!」
出来上がったおばあちゃんを見にきた女性に今までの私のやったことを説明しています
「皺をね、なんか特殊なクリームで伸ばしてくれたみたい、それから、入歯は入らなかったので、代わりに綿で整えて、髪の毛をカールしてセットして、、、」
私はその会話を聞いて、後から「このマッサージクリームは私達が使うクリームと一緒なんですよ、メナードのマッサージクリームなんです」と
付け足しました。
「4日くらい前かな~おばあちゃんが、綺麗な顔で「ありがとう」といって私の夢の中に現れたんだけど、こんな顔してたような気がする」と言ってるのは、娘さんかな~?
よかった、、仕事が出来て、、、
さあ、妹にどうやってあやまるかな~~~