リビングウイル  延命措置はせず、救急搬送もせず、自然に旅たつことを望みます。


というような事だと思うのですが、


私の勤めている老人ホームはこういう人専門の病院のようなホーム。

で、私はそこで夜勤をすることになり、4月オープンから2か月が過ぎ、

5月いっぱいで退職した仲間は3人。

厳しい状態で今は5人の入居者さんがいます。


その中の一人。

82歳の独居老人だった方ですが、なんだかとてもかわいい。


ただ、入居したことを本人は納得していないのか、「家に帰りたい、家族に連絡をとりたい」と夜勤で私一人がコールがなるたびにあちこち走り回っていると「ちょっと、すみません」といって呼び止めます。

「なんですか?」

「わたしね、ここにいること、家族が知らないとおもうの。電話したいんだけど、」

「今日はもう晩いし、私は夜勤だから、電話番号も知らないの、明日になったら、職員の人も来るからそれからにしてね」

「でも、、、、」


また再び呼び止められ

「私ね、おトイレに行きたいの。連れて行ってください」

「あら、おしっこなの?」

「そう」

「あのね、おしっこはこの管でこの袋の中におしっこが入るようになっていて、おトイレには行かなくてもいいの」

「え?なんでこんなものつけてあるの?」

「私はわからないけど、ご自分でおしっこが出てこない病気になってしまったから、この管をつけておしっこを出さないと大変なことになるの。

詳しいことは明日、先生が来るから、そのとき聞いてね」

「先生とは?ここは病院なの?」

「病院じゃあないけど、ここはあなたのこれから暮らすお家なんですよ」

「え?私には家があるのに、どうして此処にいるんですか?私は」

「息子さんが連れてきてくださったんですよ。一人じゃあ

とても心配だから息子さんが、ここにお願いしますっておっしゃったんです」

「本当に息子が私を此処にいれたのですか?    信じられない」


この方の情報を読む限り、息子さん一人が身内で、息子さんはこの方の事をあまりよく面倒を見ていなくて、骨折したことがきっかけで、歩くことが出来なくなり、一人で生活が不可能になって、ここに来ることになったと書いてあります。

それと、リビングウイル同意書が一緒にありました。

ちゃんと、息子さんの署名もあります。

この方を見るとふと、母のことを思い出します。

父が、「もう面倒みれない」といい、施設にやった場合、たまたまこの病院のような施設を選んだために、死を迎えるまでの安楽の?場に

なって、自分が望んでいる、いないに係らず、食事をして、、ベットで寝て、また食事をして、ベッドで寝て、、の繰り返しの生活が続くのです。

同じ人間でも、ホームが楽しいところで、色々なところに遊びにいけたり、機能訓練をしてもらったり、美味しい食事をしたり、、、、


私は老いたとき、どっちの人生になるのだろう?

息子が「もう、長生きしなくていい」と何もかも処分してポンとホームに

やられて、、、、


孫や曾孫が遊びにきたり、映画を見に行けたり、そんな人間らしい生活が老後も送れるのだろうか、、、


先日、息子(31歳)の家に行き、孫と猫踏んじゃったの連弾をしたり、息子にレットイットビーの左手コードを教えてあげたり、お土産でコンビニでハロハロを買って持っていってみんなで食べたり、、こんなことは今、仕事をしているから出来ることなんだよね。収入がなくなったら、

合いにもいけないし、いつまで働けるんだろうか?

なんて考えていました。

というか、もうこの年なんだから、とっくに考えていなければいけないんですよね。