2008年11月22日
私の挑戦
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列車事故で、お顔が修復不可能な(今の会社で行うのは)故人様でした。
頭の中が無くなってしまって、お顔の皮が鼻のところまで下がっています。
鼻(そげていますが)の上に前髪が、、、最初「どうなってるんかな?」と解からないほどでしたが、見ていくうちに、どうなっているのかが理解できました。
葬儀担当者に「お顔を見せる事は不可能です」そういいましたが、警察から下げてきて、お家に帰る前に、母親が気が狂わないように、どこか肌が見せれたら、、、という父親の希望でした。
頭の下に、何か入れて頭を高くすれば、お顔の皮膚が伸びないだろうか?そう思ってやって見ましたが、とても見せる状態ではありません。
たとえ、それをやっても、生前とかけ離れた顔なら、しないほうがいいのです。
唇が唯一、残っていました。
「唇を整えて、3つに割れたあごを化粧でカバーしてみますが、どうでしょう?」と葬儀担当者にいいますと「そうだね、そのくらいしかないみたいですね」と言いました。
その後、聞いた話、母親は、棺の前にずーっと座って泣いていらっしゃるそうです。若者でした。
今日も、首吊り自殺の男性の施行に言いってきました。部屋の外では、娘さんが、じーっと私たちの様子を見守りながら、涙をいっぱい溜めていらっしゃいます。
「お髭を整えさせていただきましたので、よろしければお顔を拭いていただけますか?」といいましたら、
「はい」と少し微笑んだ顔が、悲しい、なにかやさしい表情で、ぐっと私の胸を締め付けました。
それでも、私たちは一緒に泣いているわけにいかないので、見て見ないふりをして、次に進めていかなければいけないのです。
残された家族の方のために、もっと遺体の修復の勉強をしたい、、、それが今の私の希望です。
それでも、中々上手く生前のお顔に近づけない。毎日、一人でコネコネ、お顔の修復の研究をしています。