本日、下記ニュースが出たので、私なりの考察を下記に書きます。
北京光線影業有限公司(エンライト・メディア)がわずか2000万元(約3億3000万円)ほどで『君の名は。』の中国での配給の権利を取得した。
<考察>
中国は、年間、外国映画の輸入枠を利益配分方式34作品、版権買切型30作品としている。利益配分方式とは、配給収入に応じて契約された印税を払う、一般的に行われている取引であるが、ハリウッド映画中心。買切型は、劇場上映権ないし全権利を、一定の金額で買い取ることで、追加の印税は支払われない。
アクセスブライト(中国の会社)は、東宝から『君の名は。』の中国市場での興行権、テレビ放送権、配信権を獲得し、日本での上映前から中国全国上映の交渉を中国政府と進めていた。よって、東宝が、新海誠監督の過去の作品の興行収入(下記参照)から、『君の名は。』の日本での興行収入を20億と予想し、中国でのヒットを想定していなかったとすれば、アクセスブライトに格安で興行権を譲ったと容易に考えられる。そして、アクセスブライトは、中国映画会社最大手のひとつである北京光線影業有限公司(エンライト・メディア)と資本・業務提携をしていることもあり、日本公開から3か月強で中国全国上映に漕ぎ着けた。中国で海外映画配給を担当する中国電影集団公司と華夏電影発行有限責任公司、それにエンライト・メディアが上映を手がけることになった。
エンライトは、1990年代末に設立された。映画やテレビ番組、タレントマネジメントなど幅広いビジネスを手がけ、映画業界で中国トップ3に入る大手企業で、2015年11月にアクセスブライトと配給に関する資本・業務提携をしている。
8518 アジア投資 はアクセスブライトへの出資を行っているので、『君の名は。』の中国公開期待、ヒットで株価が上がっていた。本日出た上記ニュースですが、私は、アクセスブライトがわずか2000万元(約3億3000万円)ほどで『君の名は。』の中国での配給の権利を取得した、エンライトはアクセスブライトの出資元なので、グループ会社という認識で、ニュースではエンライトと記載されているだけではないかと思っています。
アジア投資のアクセスブライトへの出資比率を15%と、『君の名は。』の中国での共興収入が300億(中国での日本映画の共興収入1位は2015年の 「STAND BY ME ドラえもん」 約105億円)、配給での取り分が20%と仮定した場合、アジア投資の利益は9億円である。よって、アジア投資がアクセスブライトから受け取る利益だけでは更なる株価上昇はあまり望めそうにない。しかし、アクセスブライトに目を付けたアジア投資は才覚があるので、安いところで拾っての長期投資には良さそうである。
新海誠監督の過去の作品
秒速5センチメートル / 2007年3月3日公開 / 興行収入約1億円
星を追う子ども / 2011年5月7日公開 / 興行収入約2000万円
言の葉の庭 / 2013年5月31日公開 / 観客動員数10万人 / 興行収入約1億5000万円(推定)
秒速5センチメートルは、好きな映画の一つ。

