ひとつひとつ砕けたガラス玉の
欠片を拾い集めて
その破片の向こうに映る景色を覗いてみていた
ぼんやりと夏の蒸し暑い景色に溶け込んで
汗を拭く彼を眺めていた
その汗は生きている証だと
日に焼けた筋肉と
節ばった拳が美しいと思いながら
憧れにも似た想いを隠して
軒先に腰掛け微笑んで見せた夏の日

ワタシは頸に伝う汗をそっと拭う

お暑いですね…

風鈴の音のように笑う


いつの記憶だろう
僅かに残る蚊取り線香の香りと
むっとした湿気
風が揺らす夾竹桃の影
浴衣の裾に八重葎がくすぐるように纏わりつく