昨日、今日と調布の電通大でUNITT2010があった。


昨日は出れなかったが、今日は朝から参加した。


米国、欧州、ロシア、中国、ブラジル等の外国出願の留意点は普段あまり聞けない話で面白かった。


日本では、出願が30万件以上あるが、ブラジルとかは2600件とかでかなり少ない。


午後は医学系の産学連携の現状と問題点だった。


弁理士会バイオライフサイエンス委員会委員長の石埜委員長、慶応大学知財の羽鳥教授、J-TECの部長、アステラスの渡辺特許部長がそれぞれの立場から議論した。


大学の先生と企業が欲しいものとはかなり不一致な感じがした。


大学の先生は自分の研究が世界一だと思っている。


しかし、企業としては、世界一であるかどうかではなく、それが売れるかどうかが問題だ。だから、研究としては世界一で非常に面白い研究成果であっても、コスト面や効果、副作用の面でもっと簡単でいい効果のあるものがあればその発明は売れない、と判断するだろう。


先生は世界で誰もやっていない、ということが重要なので誰もやっていないものをやる。企業と全く同じような研究はしないし、しても勝てない。だから、誰もやっていないテーマを選びたがる。大企業とガチンコで勝負しようという根性のある教授はあまりいない。


しかし、企業としては、大企業のレベルを超える研究成果を求めている。そういう意味で、日本ではまだまだ研究レベルが低いのか、あるいは、特許の強さが弱いのか、大学の研究成果があまり実用化されない。リスクマネーも少ない。


1社でもいいので、ベンチャーが大成功して数百億円かせぎ、その社長がエンジェルとなって次のベンチャーを育成する、というようなサイクルができれば日本でも産学連携が成功するのではなかろうか?


それはもしかしたら山中先生のiPS細胞も扱うベンチャーだったりするかも知れない。


そういえば、山中伸弥京大教授は、高校まで近鉄学園前の百楽園のあたりに住んでいたそうだ。


西の芦屋、東の学園前と言われる高級住宅街だが、山中先生は昔は家の事業で特許で相当稼いでいたらしい。そしてその特許が切れたら家が傾いてきた、と言っていた。


だから山中先生は特許に関する思いがあるような気もする。


いずれにしても日本からもベンチャーで成功する企業が出て来て欲しいものだ。