製薬企業の持つブロックバスター医薬品の特許が2010年頃に特許切れを迎えることから、武田薬品、第一三共等にとって大きな問題になっている。
私が大学院の頃に読んだ本には、医薬品には10年20億もの巨費が必要だ、等と書いてあった。
しかし、今や、医薬品の開発には、20年800億円という途方もない投資が必要となる。
大手製薬企業の役員の中には、これを壮大なバクチという人さえいる。
確かにいつ副作用が出て開発が中止になるかわからないのに、巨額の研究費を投じて臨床試験を進めるのはバクチの面がある。
800億円を張ってばくちを打っているようなものだ。それで、年1000億円以上稼いでくれるブロックバスターが出れば全く問題はない。
しかし、研究費は増えたが、新薬の登録件数は逆に減っているという。
つまり、研究開発費はどんどん増大しているが、アウトプットである新製品は年々出にくくなっている、ということだ。
ということはこのまま行くと、開発費が回収できなくなるおそれすらある。
これまで医薬品産業は右肩上がりで来たが、どこかで頭打ちになりそうな気配である。そうしたことを避ける意味でも山中伸弥先生のような画期的な研究成果を出す研究者が続出して、新たな世界を拓いて行って欲しいものだ。
バイオ医薬品は今後も伸びを続けると予想されているので、バイオテクノロジー医薬品に対する期待は大きい。