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現実に希望を持てないとして。
一体私は何を望んでいるのだろう。
「あぁ、 面倒」
「どうせ、 できないもの」
そんな言葉が私の口癖。
朝起きて、 着替えて家を出て、 帰ってきて着替えて眠る。
なにもない、 ただ繰返す日常。
歳をとって、 学校へ行くのが仕事に変わったぐらいの毎日の時間。
いい加減、 こんな自分に飽き飽き。
変わりたい明日があって、 そこに向かうのに何が必要なの?
やりたいことは一杯だけど、 今までの自分が邪魔をするの。
はじめて出会ったのは 春
大きな背に隠れて袖から見上げたキミ
向けられた笑顔
妖精たちが 私に魔法をかけた
押しては引いて
慣れることのない未知の世界
囁かれた言葉に 恥らいのため息
あぁ
世界はこんなにも明るかったかしら
永遠を誓った あの日から
こんなにも早く終わりがくるのは
束縛を与えた
私のせい
でも許して
私はキミを愛していた
あぁ
おやすみなさい 春の妖精たち
長い長い春は
誰からも祝福されはしない
訪れるのは 冬
残される春はただヒトリ
束縛したのは 私
あぁ
世界はこんなにも暗くなるのね
でも許して
私はキミを今でも愛しているの