パテック・フィリップ カラトラバ3998は、1989年のパテック・フィリップ創業150周年目に発売され2005年まで販売されていたリファレンス番号3000番台最後のモデルです。
カラトラバ・シリーズには珍しいセンターセコンド3針+デイトと非常に使いやすく、更にケース径も34㎜と大きくもなく小さくもない丁度良い仕上がりになっています。
このモデルは、イエローゴールド、ローズゴールド、ホワイトゴール(3998J, 3998R, 3998G)とプラチナ(3998P)の4種類のラインアップで販売されましたが、3998Pに関しては更に2種類のダイヤモンド文字盤を用意し、またPモデルのデイト表示の小窓に枠を設けるなど高級感をひたすら研鑽しています。ほぼお目にかかることはありませんが、サファイアをはめ込んだモデルなどもあります。
1989年から2005年という比較的長い期間発売されていただけあり、初期、中期、後期で使用されているムーブメントに違いがあります。初期にはCal.310を搭載していましたが、こちらは評価が余り高くなく同じモデルでもCal.310を使用している時計は若干評価額が低い傾向にあります。
中期の最も長い期間はCal.315という堅牢かつ精度に申し分のないロービートのムーブメント使用していました。余談ですが、28800振動と21600振動では年間30%ほどの摩耗の差異が生じるといわれています。
後期の短い期間には3998シリーズにもCal.324が搭載されています。Cal.324の方が新しいので同一モデルでもCal.315よりも高めの値段設定で販売されていることが多いですが、Cal.315とCal.324は振動数が違うほかは、数種類のアップデートが施されているだけなので技術基準で選ぶのではなく、ロービート好きかハイビート好きかの気持ち基準で選んだ方が良いと思われます。
(基本的には時計の技術は円熟期を迎えているので、200年に一度レベルの天才が現れない限り大幅な刷新は無く小さいアップデートを積み重ねていくことがメインになります。たまに「やってしまった」ムーブメントを改良する大幅なアップデートもあります。パテックの場合はCal.335が有名です。欠陥が多くてすぐに消えてしまったので、今となっては逆に超レアムーブメントです。)
3998は丁度時代の転換期に販売されていたので、時代によって使われている刻印も違いますがこれは次回に持ち越したいともいます。
Ref.3998の概ねの評価として、冷戦の終結と輝かしい世界経済に沸く当時の世相を良く表す時計であると思います。