ついに、5ヶ月ぶりに日本に帰ってきた。

やはりいろいろなものが懐かしかった。


まずは自動販売機。イタリアにもあるがお金を入れても高確率で買えないので、うちは自販機を使わなかった。明るくてきれいで、信頼性バツグンのニッポン製自販機。大喜びでお茶を買った。


蒸し暑い!到着した日は小雨がパラついていて、余計そうだったかもしれないが、その蒸し暑さが懐かしかった。


日本の風景。道路沿いの標識や、家々、コンビニ、イオン・・・。


最初に食べたのは、やはりおすしだった。成田の知り合いのいる回転すし店に寄った。

ミラノでは一度もおすしを食べなかったので、少なくとも5ヶ月ぶり。

とくに納豆巻きは最高だった。ユウは本日のみ、本マグロ大トロを許された。


セブンイレブンに寄った。

あまりにも明るく清潔で、商品がきっちり並んでおり、ちょっとめまいがした。

食べたいものばかりだった。


そして自宅。

最初入ったときには、自分ちではないような違和感があった。

しかしウロウロするうちに、自分の家であることを実感した。

震災で倒れたテレビは、兄が起こしてくれていたが、画面に大きなヒビが・・。痛々しい。

そして割れたグラスや皿が多数発見された。テレビが倒れ、台の上から電子レンジやプリンターが床に落ちた。いったいどれほど揺れたのか、想像すると怖い。


おもいっきりくつろいでマンガを読む子供たち。

テレビみたい、Wiiしたい、とやりたいことがいっぱいあるようだ。


さて、明日からどうするか。


もうここはイタリアではない。

ドゥオーモもないし、ジェラテリアもない。ちょっと寂しい。


イタリア気分なんてのはすでに抜けかけている。

5ヶ月もいたことが、信じられない。

日本モードに戻るのは、なんとも早い。それもちょっと寂しい。


数日もすれば、仕事が始まり、また以前のような日常に戻る。

そのとき、うちら一家は何か変化があるだろうか?


いろいろなことをイタリアから学んだ。

そのひとつは「人生を楽しむべき」。


前よりも、もっと日常を楽しもう。食事にもちょっとこだわってみるか。


とりあえずは、久しぶりの日本を楽しもう。

食べたいものはたくさんあるし、行きたいところもいっぱいある。

ゆっくり考えよう。イタリアモードで・・。





さていよいよ日本へ向けて出発の日。

空港で買い物したいから、ということで早めにカストラップ空港に行った。

そこで驚愕の事実が判明した。

なんと成田行きの便に、「キャンセル」の文字が・・・。


Che cosa cucino oggi?
とにかく冷静になって、カウンターへ行く。

なんか機械の故障かなんかで飛ばないという。

そんでそのオバチャンは、あっさりと、「tomorrow」なんておっしゃった。


一瞬もう一泊しちゃおうかな、とも思ったが子供たちはすでに日本モードになっていたし、

荷物をもういちどつめ直すのも面倒だ・・・。

なんとか今日帰りたいんですけど、というとちょっと待て、といって違う便を探してくれた。

フランクフルトまで戻って、そこから成田行きに乗り換えろという。

また乗り換え?と思ったが今日出発できるならいいか、ということでそれに決定してもらった。


おかげでコペンハーゲンでおみやげを買う時間がたっぷりともらえ、自分ち用のおみやげを最後に大量に購入。

さらにフランクフルト空港でビールとソーセージを食べることができた。


そして何より、フランクフルトからの便はANAだった!

スカンジナビア航空とは比べ物にならないサービス。おしぼりをお持ちしました、とニコっとされたとき、涙がでそうになった。

おかきを食べながら緑茶を飲み、モニタで日本のアニメをみてものすごく幸せそうな子供たち。

日本っていい。日本人、日本語っていい。


飛行機が楽しくて10時間では足りないくらいだった。

みんなでキャンセル万歳!といって成田に降り立った。

往復ともスカンジナビア航空を利用したので、コペンハーゲンで乗り換えなくてはならない。せっかくなので、帰りは少しだけ立ち寄って、北欧の街をのぞいてみることにした。
コペンハーゲンのカストラップ空港は、広々していてきれいだった。交通機関や美術館などに入ることができるというコペンハーゲンカードを購入してみた。


到着後、ちょっとお腹が空いたので何か食べたいと思っていたところ、久しぶりにスタバを発見した。コーヒーひとつとアイスミルクふたつ、サンドイッチふたつとドーナツひとつで、なんと3千円弱…。北欧の物価の高さを痛感した。

ホテルはコペンハーゲン中央駅からすぐだったので、チボリ公園も近い便利な場所だった。
コペンハーゲンカードを使って、移動はバスに乗った。
ニューハウンは、カラフルな建物が並ぶ観光名所。オシャレなレストランなんかも多い。ここで初ホットドックに挑戦した。イケアのホットドックとほとんど一緒だったが、値段は3倍だった。
Che cosa cucino oggi?  

大きなボートに乗って、ガイドツアーに参加した。オペラハウスや街並をみているうちに眠くなった。超人気観光スポットの人魚姫像は、たくさんの人…。こんなに小さいのに。人魚姫の後ろ姿を写真に撮って、終了。細い運河に入り込み、いろいろな名所を巡るツアーだった。
Che cosa cucino oggi?

街の中には、アマリエンボー宮殿やラウンドタワーなど素晴らしい建物が残っていた。世界で初めての歩行者天国という、ストロイエには平日でもたくさんの人が買い物していた。マドレは北欧の小物や食器などを物色していた。荷物、もう入らないですよ~

チボリ公園にはコペンハーゲンカードを使えばフリーなので、2日連続で通った。ディズニーランドのモデルになったという。

園内には60もレストランなど飲食店があり、2日とも園内で夕食を食べた。海賊船を模したレストランは、スペアリブなどこってり系でいまひとつ。デンマーク名物のオープンサンドイッチのお店はおいしかった。

空き缶倒しやアーチェリー、モグラたたきなど縁日っぽい遊びもした。平日の9時だというのに、ものすごい人。みんなビール片手に楽しそうだ。子供も多い。夏休みなのか?みんなココが好きなんでしょう。
Che cosa cucino oggi?

メインの観光地巡りしかできなかったが、郊外に行けばもっといろいろ見ることができたのかもしれない。幸福度世界一だそうだが、それについてはいまひとつ実感できなかった。ただ物価、税金が高いので福祉などは充実しているのだろう。我々が訪れた時期には、ちょうど街に花がたくさん咲いており、デンマークのみなさんは短い夏を楽しんでいるようにみえた。

ただ物価の高さは、円高とはいえ旅行者にはつらい・・。

次に行く機会があれば、オーロラなどの自然をじっくりみてみたい。



いよいよ、イタリア出発の日がやってきた。やってきてしまった。

明日、ミラノを旅立たねばならない・・。


今日は一日中、荷物整理。

おもいきって捨てたもの多数。

それでもダンボール5箱と、スーツケース大2つ、小2つが満タン。


いつでも行けるから、といってまだ登っていなかったドゥオーモ。

今日こそは、といって掃除の合間に行ってきた。

初めてミラノを高いところから見た。

スフォルツェスコ城も、サンシーロもみえる。

さようなら、ミラノ。

アリベデルチ、ミラノ。
Che cosa cucino oggi?


いつも行くスーパーのおじさんと、

近所のバールのおばちゃん、

八百屋のおっちゃんに挨拶しにいった。

みんな優しくていいひとばっかりだった。


最後の夜、何が食べたい?ときくと子供たちは口をそろえて、

「コトレッタ!」

ブエノスアイレス通りの、da OSCAR へ行った。

予約でいっぱいのようだったが、9時までならOKということで入れた。ラッキーだった。
Che cosa cucino oggi?


おねえさんオススメの、タリアテッレ・オスカールと、ペンネ・プロシュートを注文。そしてコトレッタとフリットミストも。パスタはどちらも超オイシイ・・!!最後の夕食、ここにしてヨカッタ~。

そしてコトレッタ。子供たちの大好物。

日本でもトンカツを塩とレモンで食べよう、なんて冗談をいいながらおいしくいただいた。
Che cosa cucino oggi?


何度も来たブエノスアイレス通り、何度も乗った赤ラインとロレート駅にチャオして、帰宅。



果たしてもういちどイタリアへ、ミラノへ来ることができるだろうか?

何年先でもいいから、もういちど来る。

このアパートで生活したこと、毎日地下鉄で病院まで行ったこと、学校まで子供たちを向かえにいったこと、楽しかったこと、不安だったこと、全部、記憶した。絶対に忘れない。

このイタリアにやってきて、うちら一家は大きく成長できたはず。

ありがとう、イタリア。いつかまた帰ってきます!!

シエナとサンジミニャーノに行くには、車以外にバスしかない。しかもサンジミニャーノへは直通がない。バス乗り換えにはイヤな思い出があるので、乗りたくない。めんどうなので、バスツアーを申し込んだ。英語ガイドだが、なんとかなるだろう。


フィレンツェ駅前、集合時間にキッチリ集まり出発した。イタリア人がいないと違うね~という結論。ガイドさんは英語でしゃべった後スペイン語・フランス語説明する。とんでもなく忙しい方だった。


1時間ほどで、シエナに到着。

現地ガイドさんが、古い銀行や通りを案内してくれた。

そしてドゥオーモへ。
Che cosa cucino oggi? シエナのドゥオーモ
フィレンツェに対抗して造ったそうだが、よく似ている。そして附属美術館と、ドゥオーモ内を見学した。

ドウオーモ内もすばらしく、とくに図書室は派手だった。
Che cosa cucino oggi?
そして、細い路地を通って楽しみにしていたカンポ広場へ出る。

扇型をしためずらしい広場で、ガイドブックには世界一美しい、とあった。
Che cosa cucino oggi? カンポ広場
確かに、広々した中にマンジャの塔がそびえ立ち、いままでにない雰囲気の広場である。

ここで1時間半ほどの自由時間をもらった。

うちはドゥオーモまで戻り、テイクアウトのフォカッチャでランチとした。

時間がなくてマンジャの塔に登るのはあきらめ、カンポ広場でお土産やさんなどをブラブラした。


次はバスでサンジミニャーノへ。ここから約45分だそうだ。

ほぼ予定どおりに到着。日本人のツアー客もいた。

ここは城壁の門から自由時間。約1時間半後に集合だ。あまり時間がない。

ガイドさんオススメのジェラテリアは混雑して買えなかった。
Che cosa cucino oggi? サンジミニャーノ

ここはやっぱり塔に登るでしょ、ということで一番目立った塔に登ってみた。

ここからはトスカーナの風景を見渡すことができた。気持ちいい。
通りはお土産やさんが立ち並び、世界中からの観光客が訪れているようだ。

サンジミニャンーノ産の白ワインを買った。

もうちょっとゆっくり見たかったが、あっという間に集合時間。

これまたキッチリ集まって、出発。フィレンツェへ戻る。


今日のホテルは違うところを予約していた。

場所が分からずタクシーで行くと、降りた場所で声をかけられ、コッチコッチ、というかんじで中に連れて行かれた。何飲む?コーラ?とかきかれ、なんだかよく分からない雰囲気。とにかくゴージャスなラウンジ。

そして部屋に入ると、まるで宮殿?のような部屋。天蓋つきのベッド、天井にはフレスコ画・・・。貴族にでもなったようであった。


夕食にオススメのお店を訪ねると、ここがいいでしょう、といって予約してくれた。歩いて10分ほどのお店であった。ユウはまたビステッカを食べたい、というのでファイナルビステッカを注文。日本語メニューがあったので楽だった。
Che cosa cucino oggi?
プリモで頼んだパスタは注文したのと違うのがきたが、食べ終わってから気づいた。とにかくおいしかったので結果オーライ。ビステッカは、昨日より安いのに、昨日よりおいしかった。キャンティをのみながら、テラスで夕食・・・。ああもうこんなことはできないね、寂しいね、帰りたくないね、という話をした。


帰り道、イノシシの像の鼻をみんな触っているので、何かいいことあるんだろうといって触っておいた。後で調べたら、もういちどフィレンツェに来られるおまじないだそうだ。

みんな触ったので、きっとまた来られるでしょう!Ci vediamo!!