突然
明日暇ですか?
と聞かれた



2年近く一緒に
働いてたけど
そんなこと聞かれたのは
初めてだった


休みがかぶることは
今までに何度も
あったけど
あなたは会社の人



急に
あなたのことを
意識したことを覚えてる



暇ですよ?


明日どっか行く?







次の日
あなたが家まで
迎えに来てくれた


私服でこんな時間に
会うのは
初めて
2人だけでこうして
会うのは
初めて

学生の時
初めてデートした日のことを
思い出した
あの時と
同じくらいドキドキした



お買い物して
ランチして
パチンコして
映画を見た







映画館は
とても寒くて
寒がりな私は
映画どころではなかった




寒そうにしてる私に
気づいたあなたは


突然
左手を私に差し出した
寒いんでしょ?



そして
私の手を握った




心が
きゅーん
ってした



世に言う
胸きゅん




もうまったく
映画の内容は
頭に入らない





その後は
何事もなく
車に乗った


送ってもらう
帰り道
あなたは
何もしゃべらない


いつもは
おしゃべりな
あなた


だから
今日はつまらなかったんだって思った


手をつないで
ドキドキしたのは
私だけ
あなたは
そーゆーことを
わりと
誰にもしそうだから


急に
冷静になった

あなたは
会社の人




私の家に着いて
あなたは
車をとめた



今日はありがとございました
楽しかったです





沈黙のあなた
変な空気が流れた
なぜか
すごく緊張した






しばらくすると
あなたの声が聞こえた





キスしましょっか?







その瞬間
あなたの顔が
目の前にきて
私のおでこに
あなたのおでこを
そっとくっつけた


こんな間近で
あなたを見たのは
初めて

私は
恥ずかしくて



冗談でしょ?
どうしたんですか?
って笑った





でもあなたは
それには答えず
もう一度、

キス、しましょっか





私はそのまま目を閉じた






優しく
あなたの唇が
私の唇に
触れた








その日から
私は
もしあなたがまた
人のことを好きになれるなら
その相手が
私であるようにと
願っていた

もしこの背中に翼があったら
いますぐ君に届けたい
あふれ出す幸せを





あの日
車のラジオから流れた曲




あの時
あなたは悲しい顔で
空を見上げた




本当にそうだよな…
そう言って
笑った





私はその時
思ったんだ


あなたに
もう一度誰かを
好きになってほしいって



その相手が
私じゃなくてもいいから





純粋にそう思っていた…
その日は
終わった




あっけなく
終わった






かすかな期待
待ち続けたけど

やっぱり
何も起こらなかった








そーゆーもんだよね
期待することは
なにも現実にはならない





嫌な予想は
すぐ当たるのに







これでもう
待たなくてすむよね





さよなら