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夜に啼く鶯

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あまり好かれているとも思えない冬という季節を待ちわびる人だって少しはいる。

冬を待つだけの秋が嫌いだった。四季の中で最も忌々しい季節だ。

かつて冬は暖かだった。

痕跡しか探せない塊が秋をさらに憂鬱にさせる。

 

川沿いの道路を歩いていると浴衣を着た人々とすれ違う。その日はたまたま花火大会だった。

空には夏の細い月が浮かび、私は細い月を見上げている君の後ろ姿を見ていた。

不穏な雲が月を隠すがすぐに去り、花火は無事打ち上げられた。

花火は時折月と重なり、すぐに消え、細い月が残る。

夏の日、濃い影をつくり、皮膚を焦がした太陽はすぐに去ってしまう。

 

磨かれた靴を履いた影は私の身体に優しく触れてくれたのに、私はそれを失くしたもう手を洗う音さえ聞こえないそんな耳なんていらない。

 

季節が巡る事を止めてしまったのは私なのだ。