二日続けて映画に行ってきました。

ネットの評で、とても面白いというのを読みまして…。
原作はコミック。
脚本は「アンナチュラル」の野木亜紀子。
それにそれに…私が今ハマりまくりのカラオケ、観たら上手くなれるヒントがあるかも!

結果としては、出てくるヤクザ達は皆下手そうに見せかけて、実は上手いので、参考になりませんでした。

特に綾野剛…これは相当、上手そう。

綾野剛はヤクザの幹部ですが、組長の趣味のカラオケ大会が近いので悩んでいます。
最下位になると、素人で下手くそな組長に趣味の入れ墨を彫られるのです。
それは痛すぎて、絵心なさ過ぎて、しかもわざと大嫌いなモチーフにされる。絶対に嫌だ!

ある事情から絶望して雨の街を歩いているとき…天使の如き中学生の合唱を耳にします。

「一番上手いと思った学校の部長だから一番上手いだろう」という理由で、拉致同然にカラオケに誘われるメガネの中学生。


全編、くすくすポイントが満載。
良く出来た漫才のネタみたい。

亀の傘はまだトロピカルと言えるけど…鶴は!

ヤクザだけど、真面目で優しい。
中学生と真正面から向き合えてる。

でもヤクザだから、どんなに優しそうでも自分の思い通りにしてしまう汚い大人でもある。

本名です。

中学生の方は「岡聡実」
私は一瞬、えっ「オカサトミ」?
母親が「エースを狙え」のファン?みたいなオチが来るかと思ったのですが、良く考えたらあれは「オカヒロミ」でした。

彼も悩みを抱えている。

この子も妙に肝が据わっていて、調子に乗るとヤクザに向かって「カスです!」とか言い放つ。
思春期で鬱屈しているので、後先考えずに切れまくったりもする。

副部長は下級生の「子守」が出来るくらい、大人。
女の子たちは総じて大人。
彼女たちのあり方を何て言おうかと考えてたら、良い言葉を見つけました。
フラット…なんです。他の部員達にも先生にも。見ていて安心出来ます。


一人ゴネてる下級生の男子は、誰か教えてやれよ。可哀想だよ。…と思いましたよ。

この人も大人。

映画のチョイスが渋い。

ヤクザもそれぞれ個性的で楽しいし、中学生たちも皆面白い。

優しい気持ち良い世界。


チョクは不覚にも
「泣かされた!」と言ってましたが、それはちょっと、純朴過ぎるやろ。

最初からラストまで「紅」が重要なモチーフになってます。
レイトショーで見たのですが、
しまった…昼間だったら、この後カラオケで「紅」を歌えたのに!と思うほど。
いや、そんな難しそうな曲、歌ったこと無いけど。

「紅」の英語部分の訳詞をつぶやくシーン良かった。



もう一つ。
「愛」を表すシーンで、母が自分の鮭の皮を剥がすと、父が当たり前のように茶碗を出して受け取るところ。
愛とは与えるものなのです。
この夫婦は与え合うことが日常の、愛ある夫婦なのです。
二人は並んで座っていて、無表情で、笑顔どころか言葉も視線も交わしません。ただゆっくりとスローモーションで見せる…名場面だと思います。

桃ちゃん先生のお花畑思考やラストの入れ墨の伏線回収も含めて、「愛」がテーマの映画だった?

本当に面白かったので、普通ならこんな分かりやすい邦画は配信でも良いかなと思うところだけど、見に行って良かった。見て欲しいな。