かき氷を食べ終えたので、見学です。

ボランティアと思しき私と同年代の方がいて、「ガイドしましょうか?」と声をかけてくれます。
以前行った手賀沼の史跡でも、そういう方々がいたので、千葉県ではこのシステムが充実しているのでしょうか。凄く良いことですね。

とても興味を持って熱心に調べているのが伝わるし、それでいて目線の低い親しみやすいガイドさんです。


吉田家はもともと名主を勤めた豪農、さらに幕府の軍馬の管理をする牧士(ぼくし)で名字帯刀を許された士分扱いの名家。
そして明治からは醤油醸造で手広く商売もしたので、豪農、士分、商家の三種の混じった珍しい大型民家だそうです。

千葉県と茨城県南部でしか見られないという重層作りの藁葺き屋根。
ここのは何と十層です。
「これ以上は見たことが無くて。
水戸の好文亭でも四層でした。」
好文亭は火事で再建されたからではないか…ということでした。

お話を聞きながら撮ったので、後から見ると、細部の写真ばかりで全体像が無かった……。

HPからお借りした全体像。

母屋の前に突出した部分。
(その右側の細長い部分は正面玄関)

小部屋になっています。。

この部分は
涼を取るために床下に水を通す穴があったり…

内部には小さい床もあり…
中々居心地良さそうな。

ここは主人の居場所だったそうです。
何となく番台みたい?
ここに主人が居て、目を光らせてたら、気が抜けませんね。

緑のガラス部分はマジックミラーのように、内からだけ外が見えます。
外からは緑にも見えない…不思議。

土間側から。

段が多いな。

神棚などもある…いわゆる茶の間。

土間の隅にある囲まれた部分は、元は鶏小屋だったそう。

内々の空間なので、欄間も簡素。

玄関の真正面にある仏間を通り抜け…

あちこちにあった手水鉢。
「手水鉢がある、ということは…その脇に必ずお手洗いがあります。」
分かりやすくて良いですね。

客間にあたる書院へ。

夏の拵えが涼し気。

良いですね。目が涼しいです。
下の透かしも、舟や水鳥など涼しい柄。

ここの欄間は…

物凄く凝っていました。これも組み木というのかな。

主庭は
パワースポットらしいです。

ここの植え込みが、それぞれ…
四聖獣(方角を表す四神とは別)を象徴しているから。

主人の書斎であるナンド(納戸?=金庫部屋)用の小窓。書類の受け渡し等用の穴。厳重ですね。
逆に中で倒れたりしてたら、大変じゃない?


奥の新座敷へ。
家族の居住スペースです。
数年前まで持ち主が住んでいたと聞いて、ちょっとビックリ。

その後柏市に寄贈されたので、現代風の改装部分を古い様式に復元して公開したそうです。
ガイドさんが丁寧に色々見せてくれます。

床の間が地棚になっている実用的な部屋。



釘隠しの色々。
おめでたい鶴は茶の間。

書院は格式の高いデザインで。

主人の部屋であるナンドには、新葉が出るまで葉が落ちないという柏の葉。
世代交代の順調さを願って。

もっと内側の部屋は、とっても簡単に丸。
もう隠す必要も無いんじゃ?



醤油番付。

吉田家は前頭。
何年も前に野田で見た高梨家が横綱です。
この2軒他が合併して出来たのがキッコーマン。
でも、こんなにたくさんの醤油メーカーがあったんだ…。

醤油蔵。

今は展示スペースになっている新蔵。

見応えのある御宅でした。
ガイドありがとうございました。


また喉が乾いちゃった…。