テレビが壊れているので

普通の放送は録画で見るしか

ありません。

いわゆる流し見や

テレビのかけっ放しが面倒な状態です。


良い機会なので、映画を見ています。

ネットで済むのは便利ですよね。


家で観るのは、淡々とした

起伏のない話が好き。

ぴったりだったのが

「日々是好日」


茶道の話です。

私は、結婚前に
少しだけ小笠原流と煎茶を
かじったことがあります。
ほんの少し。


平凡な女子大生(黒木華)が
何となく始めた茶道。
一緒に学ぶ従姉妹(多部未華子)が
確実な人生設計の通りに歩んでいく
のと比べると少し頼りない。

主人公は茶道とは性が合って、
ずっと続けていくけど
その間に彼女に訪れる出会いや別れ。
変化があるような無いような。

別にお茶で大成するとか
自己を確立するという話では無くて
ただただ季節を重ねていく話。

先生(樹木希林)との関係も
何か特別なものは無くて
折々に慰められ、励まされ
叱られもして、
「美味しいお菓子を食べて
美味しいお茶を飲んで、
それでいいじゃないの」



若い頃に見たらどうだったか
分からないけど、
今の私には心に馴染む映画でした。



茶道って傍から見ると、本当に面倒。
細かい手順や決まりごと、
センチ、ミリ単位の手や物の位置、
季節ごと格式ごとのしきたり…
それでいいじゃないの、と言いながら
細かく指導されてしまう。

習い始め
「どうしてですか」を連発する
若い人に
「頭で考えるからよ」という
ある意味、理不尽さ。
でもその形だけのものから
何かが生まれ、変わっていく。
その変化も他人に分かるかどうか。

人生の歩みってそんなだな…と
思いながら観ます。

水の音、お湯の音を聞き、
違いに気づく。
書を読まずに見る。
夏の暑さも冬の寒さも、雨も晴れも
同じように味わう。
そんな茶道の美しい一面も
もちろん描かれています。

感動じゃない、
でも共感できる映画。

私のあの日もこの日も
大切だったと思う。