お弁当のところでも書いたのですが、
良いものが必ずしも印象に残るわけじゃないですよね。
美味しいお弁当もたくさん作り、作ってくれたはずなのに、
娘のお弁当の思い出は二段チャーハン
私の思い出は焼きたらこ一本弁当です。
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映画や読書もそんなところがありますね。
素晴らしい映画!の詳細を何にも覚えていないのに、
午後のロードショーでちらっと見たB級映画がいつまでも
記憶に残っていたり、ね。


私が一番最初に読んだ大人向けの小説は
父がこっそり布団の間に隠していた梶山季之でした。
今思うとポルノというほどではありませんが、
小学校の低学年で、あれはよく読めたなあ、と。
前篇のみだったので、後篇が気になってて
つい最近、偶然見つけて、立ち読みすることが出来ました。
(西武グループの創設者をモデルにした話だと知って、ちょっとびっくり。)
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主人公(悪い奴です)が、苦手な相手にわざと自分の弱みを
打ち明けて助けさせることで、逆に相手を支配する・・・というところが
ずっと記憶に残っていて、私の露悪的なところって、まさかそこから?
と思うときあります。
私の場合は考え無しな残念な結果につながりますけどね。



もう一つ、思い出深いのが、能見正比古の血液型人間学。
血液型の性格分類が、科学と言えないのは分かりますが、
最近では星座なんかと絡めて、占い化までしてたりして。

でも最初のこの本は、著者の人間観察力や、描写力がとても
優れていて、面白かったと思います。
うろ覚えですが、例えばこんな感じです。
性格というと、例えば怒りっぽいとか
そんな簡単な単語で考えがちですが
能見さんが言うのは少し違っていました。
人間は誰でも怒る。
だからそのままでは取り上げない。
気質の違いは、怒るかどうかではなく、怒り方に現れる・・・
何についてどういう風に怒り、それをどう表現し、どう収めるか、
を理解する・・・とその人が見えてくる。
その描写が上手だった・・・と思います。

人間ってそんな風に見るんだ・・・と、高校生だった
私には目からウロコでした。
人間にはパターンがある。
そのパターンこそが性格または気質である。
そのパターンを理解するには、その人を
全体的、重層的に考えなくてはならない。

アガサ・クリスティーのミスマープルの人間観察や類推ともちょっと
似てます。一見、全く違う種類の人間なのに、
その心理にある共通点を見つける。
動機や行動にパターンを探す。

余談ですが、読んですぐは家族や友人(良く知っている人に限ります)の
血液型を全部当てられたんですよ。
母なんか、一度は外れた・・・と思ったら、母の記憶違いで、私の方が
合ってたりして。
それ、私だけじゃなくて、誰かがテレビで言ってるのも聞いたことがあります。
不思議だけど、今では全く分かりません。それも、その人と同じです。
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