概要
十四代の奇跡の軌跡。
十四代を製造する酒造所の歴史や製法、味について解説します。
十四代を生み出す酒造所はどのような歴史を持った酒造でしょうか。
ここから生まれる十四代の製法や味と合わせて詳しく解説します。
日本酒は日本を代表するお酒です。
そんな日本酒の中でも入手困難、高級酒など大人気な日本酒もいくつかあります。
そんな中で、今回ご紹介するお酒は『十四代』です。
このお酒について紐解いていきましょう。
目次
十四代を生んだ高木酒造所の歴史
十四代とは
十四代の味わい
十四代の商品と味わい
まとめ
十四代を生んだ高木酒造所の歴史
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Dining Bar 和inさん(@kakio_wain)がシェアした投稿 – 2019年 7月月7日午前9時11分PDT
酒造所は、山形県村山市に蔵を置く高木酒造所です。
1615年創業の400年以上の歴史を持つ酒造所です。
地元山形では、「朝日鷹」という日本酒の銘柄が有名な酒造所でした。
十五代目が当主となる前の高木酒造は、山形県でも有数の老舗酒造所でしたが、生産は少なく、地元を中心として朝日鷹を中心に取り扱っていました。
実は、高木酒造は400年以上の歴史がありますが、詳しい歴史は知られていません。
それは、高木酒造が自社のホームページを持っていないからなのです。
そのため、会社の詳しい歴史や製法、いまや一般的となりつつあるネット予約・注文・販売といったことも行っていないのです。
そんな高木酒造は、現在15代目当主高木 顕統氏が当主兼杜氏を行っています。
十五代目当主高木 顕統氏は、東京農業大学の醸造科を卒業後、都内老舗百貨店で日本酒のバイヤーをおこなっていました。
しかし、実家に帰ったことをきっかけに蔵での日本酒作りをスタートさせるという経歴の持ち主です。
十五代目当主は、まさに天才杜氏であり、経営者としても天才的な才能の持ち主であるといえます。
なぜならば、日本酒造りにあたり、
東京農業大学時代の恩師である穂坂賢教授
山形県工業技術センターの小関敏彦主任専門研究員
に電話し、助言や指導をしてもらいながら試行錯誤の酒造りを行い、その翌年には今私たちが知っている十四代を完成させたからです。
さらに十五代目は、経営戦略として、
「十四代の販売先を首都圏の東京に絞り、保管方法がしっかりしている店など自身の目で確かめ納得した場所にのみ卸す」
という徹底した管理をおこなった販売方法を取りました。
その結果、全国的大人気・幻と呼ばれる日本酒となったのです。
では、そんな十四代の背景を見てみましょう。
十四代とは
十四代を商標登録したのは、十四代目当主であった高木 辰五郎氏です。
当時の十四代は、特別な古酒にその名をつけて使用していたそうです。
しかし、その後十五代目当主高木 顕統氏に代替わりした後に十五代目が初めて手掛けた日本酒に「十四代」とつけ発売することとなりました。
実は商標登録は、十四代などの数字は商標登録の規定で登録は不可能です。
しかし、十四代は登録することができました。
なぜこの十四代が登録されたのかは、不明です。
しかし、一説には「トシヨ」という読みと勘違いし登録されたのではないかという説がありますが確実な話ではありません。
いずれにせよ、奇跡的に登録されたことには間違いないのです。
そんな『十四代』が販売された平成6年頃は、日本列島は日本酒ブームが起こっていました。
この当時の日本酒は、辛口淡麗という味わいがブームをひっぱっていました。
しかし、高木酒造はこのブームに逆行する芳醇旨口のお酒『十四代』を発売しました。
十四代を発売した時期は、日本列島が辛口淡麗の日本酒に飽きてブームが落ち着いてきた時期でもありました。
そこにまるで違う味の十四代が登場したことで瞬く間に日本中を虜にしたのです。
そして一気に全国区の知名度となり、皆がこぞって十四代を求めました。
十四代が人気となって以降の日本酒は芳醇旨口が広く販売されるようになり、十四代が芳醇旨口日本酒の人気の火付け役であり、先頭を走る日本酒となったのです。
十四代の味わい
奇跡の登録と、天才十五代目の力によって完成された『十四代』はどのような味がするのでしょうか。
十四代の味を表す特徴は、芳醇旨口とあらわされます。
フルーティな味わい
甘さとキレの抜群なバランス
が十四代の特徴です。
十四代の商品と味わい
十四代の特徴的な味わいは上記で記しましたが、十四代の中でもそれぞれ商品ごとに味の特徴などがあります。
ここでは、十四代の商品をいくつか紹介しましょう。
『十四代 龍月』
(引用:Amazon)
十四代の中でも最高峰の純米大吟醸である「十四代 龍月」です。
このお酒は、酒造適合米の最高峰である兵庫県特A地区の山田錦を使用し、さらにこの酒造適合米を40%まで精白したお酒です。
低温での熟成と、丁寧な搾りで作られたお酒を斗瓶で0度以下での熟成をおこなう手の込んだ作りで出来上がります。
花のような華やかさを持つ香りと、柔らかい口当たりが特徴で、十四代特有の甘さとフルーティ感をしっかりと残した逸品です。
『十四代 龍の落とし子』
十四代 龍の落とし子(引用:Amazon)
高木酒造が生んだ酒造適合米である「龍の落とし子」を使用した『十四代 龍の落とし子』。
高木酒造が交配を重ねて研究し、18年もの時間をかけて作り上げた酒造適合米を使用したお酒です。
このお酒の特徴は、フレッシュさが特に若々しく感じることができます。
後味がすっきりとキレが良く、香りはほんのりと優しく香るフルーティさ、お米の味をしっかりと感じることができます。
『十四代 七垂二十貫』
(引用:Amazon)
最後に十四代でもまさに幻のお酒である「十四代 七垂二十貫」です。
このお酒はまさに幻の最高級純米大吟醸です。
7月と10月の季節限定・数量限定の商品であるため、まさに手に入れることが困難な逸品です。
味わいは、十四代の極みといえる芳醇旨口です。
20貫の米から7滴のお酒しか取れないという意味からついた「七垂二十貫」という名前は、それほど貴重なお酒であることを意味しています。
まとめ
十四代は、奇跡的に商標登録された名前で、天才十五代目当主によって新たに造りあげられた日本酒です。
発売当時には珍しい芳醇旨口という味わいと十五代目の販売戦略が一気に全国区へと押し上げられました。
今や幻といわれるほど入手困難で、買取市場では高価酒買取必須の高級酒となった十四代ですが、奇跡的に出会えたら一度は味わいたいお酒の一つです。
お酒買取専門店リンクサス
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