概要
みなさんは、ブドウの木の大敵をご存じでしょうか。
それは、「フィロキセラ」というたった一ミリ程度の虫です。
虫の名前だけではピンとこないかもしれません。
しかし、この虫の和名は「ブドウネアブラムシ」と言います。
その名の通り、ブドウの木の根や葉に寄生し木の栄養を吸い、育成を阻害して根から枯らしてしまう虫です。
今回なぜお酒の紹介の前にこの害虫についてご紹介したかというと、今回ご紹介するお酒『ハーディ』が、この害虫によってヨーロッパ全土のブドウが壊滅状態となる前の原酒を多く持つメーカーであるためです。
なぜ、この害虫が大繁殖する前の原酒が多い事がなぜ重要なのか、このお酒の歴史や特徴から詳しく解説していきますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
目次[非表示]
ハーディの歴史
ハーディの特徴
ハーディの味わい
ハーディの商品紹介
① ハーディ XO
② ハーディ ノース ド ディアマン
③ ハーディ ペルフェクション
まとめ
ハーディの歴史
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Hardy Cognac Officialさん(@hardycognacofficial)がシェアした投稿 – 2019年 1月月3日午前1時28分PST
『ハーディ』を製造する「メゾン・ハーディ」は、1863年にコニャック地方でアンソニー・ハーディによって設立されました。
創設者のアンソニー・ハーディは、イギリスの首都ロンドンでワイン・スピリッツの商人を営んでいました。
お酒の商人をしていた事もあり、元々コニャックに興味を持ち、たびたびコニャック地方を訪れていました。
その後、本格的にコニャックに携わるためにフランス・コニャック地方へ移住します。
移住し改名をすると、アンソニー・ハーディをフランス語読みした「アントワーヌ・アルディ」としました。
そして、コニャックの輸出業を始めます。
事業を始めた当初は、イギリス向けのみの輸出をおこなっていました。
その後輸出の事業は拡大していき、1863年ついにコニャックの製造も始めます。
コニャックの製造を始めてからわずか6年後の1869年、国際博覧会において優秀賞を受賞するという快挙をなしえます。
1910年にはヨーロッパ全土への輸出がされ、ハーディの人気は高まっていきました。
そして創業からわずか87年で、フランス国内売上3位に上り詰めました。
その後は、子や孫5世代にわたって代々継承しながら、アメリカ・アフリカなどへ輸出販路を拡大していきました。
現在では、五大陸の輸出を制覇し、世界中へハーディのコニャックを広めている一大メーカーとなっています。
ハーディの特徴
ハーディの特徴は、「プレフィロキセラ」を多く保有し、コニャックのブレンドに使用しているという事です。
「プレフィロキセラ」とは、上記で記したフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)の害虫の大繁殖によるブドウの木の全滅危機という大事件前に製造された原酒をさします。
なぜこの事件前の原酒を特別な呼び名で呼ぶかというと、この害虫対策に原因があります。
この害虫は、根等に住み着き枯らしてしまうため、薬剤などの散布で抑え込む事ができません。
そこで発見されたのが、この害虫に強い「アメリカ系のブドウの木」に元々あるヨーロッパのブドウの木を「接ぎ木」するという対策方法でした。
この対策方法を発見・採用したことで、ヨーロッパのブドウの木が全滅する事が避けられました。
しかし、この接ぎ木によってアメリカ系のブドウの木と混ざってしまい、ブドウの味が落ちたとも言われています。
つまり、この大事件以前の原酒と以降造られた原酒では味に変化が起こっているという事です。
そのため、昔ながらのコニャックの味わいを追求するのであれば、事件以前の「プレフィロキセラ」が重要となります。
ハーディがなぜこの「プレフィロキセラ」を多く保有しているかというと、事件前年にハーディが保有する畑が大豊作の年でした。
そのおかげで保管されている原酒が多く、またこのおかげで事件後の経営危機も救われたといわれています。
ハーディにおいて非常に重要な「プレフィロキセラ」をブレンドすることで、ハーディ特有の味わいを生み出すことができています。
では、その味とはどのようなものでしょうか。
ハーディの味わい
味わいの特徴は、香りがとりわけ強く香り立つ事がないという事です。
非常に繊細で複雑な味わいと表現されるハーディのブランデーは、優しくほのかに香る花の香り、繊細でまろやか、優しく包み込むようななめらかな口当たりに刺激のすくない優しい味です。
この味わいは、初心者の方も飲みやすいとされ、多くの方に受け入れやすいお酒といえます。
しかし一方で、優しい味なのにその舌が忘れられないというなんとも不思議な感覚を持つ味わいともいえます。
ハーディにしかなしえない味わいは、多くの舌を魅了してやまない魅力的な味わいでもあるのです。
では、この味についていくつかの商品ごとに詳しく見ていきましょう。
ハーディの商品紹介
ハーディ XO(引用:Amazon)
ハーディの味わいの特徴が良く出たお酒です。
フローラルの香りが優しく香り、まろやかで丸みがありながら甘すぎない味わい、そして余韻に香りが強く残る事はないすっきりとした後味のコニャックです。
バランスが良く、ハーディを始める方にもおすすめな逸品です。
ハーディ ノース ド ディアマン(引用:リカマンショップ楽天市場店)
ダイヤモンド婚式をなぞらえたお酒です。
ダイヤモンド婚式とは結婚60周年記念をいいます。
これになぞらえ、熟成期間60年という超長期熟成の原酒をブレンドし、ハンドカットで造られたクリスタルボトルに入った特別な逸品です。
リムーザン樽で熟成された原酒が入る美しいボトルは、視覚・味覚共に飲酒者を満足させてくれるお酒となっています。
ハーディ ペルフェクション
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Hardy Cognac USA Accountさん(@hardycognacusa)がシェアした投稿 – 2018年 7月月17日午前6時08分PDT
超高級ブランデーの一つです。
熟成期間100年を超える原酒が使用され、この原酒は、「プレフィロキセラ」の原酒100%という超貴重なものです。
ペルフェクションにはシリーズがあり、いくつか発売されていますが、その生産量もまたこのお酒を希少なものにしています。
生産わずか1200本、日本国内に入ってきた本数はわずか108本程度といわれており、簡単には入手できない希少なお酒です。
ボトルも、この原酒の価値の高さを表すようにダイヤモンドをイメージして作られたクリスタルボトルとなっています。
まとめ
ハーディは、コニャックの生産からわずか6年で賞を受賞するなど、非常に天才的な創業者を始め、創業者の一族が代々受け継ぎ会社を大きく拡大してきたメゾン・ハーディが生産するお酒です。
プレフィロキセラという価値の高い原酒を多く所有・ブレンドしており、この原酒を100%使用した希少で貴重な商品を販売するなど、ハーディにしかできないコニャックを造り続けています。
国内流通は少ないブランデーになりますが、世界が認めるこのお酒は、ぜひ入手し味わう価値のある逸品です。
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