概要
ウイスキーをあまり飲まないという方でも、ワイルドターキーという名前を聞いたことがあるという方は少なくないのではないでしょうか?
日本では非常にメジャーとなっており、知名度、人気共に高いバーボンウイスキーです。
今回は、馴染み深くて名前もよく知られているワイルドターキーの生まれた起源やこだわりなどについてまとめていきたいと思います。
目次[非表示]
ワイルドターキーの歴史
ワイルドターキーの製造方法
ワイルドターキーのこだわり
ワイルドターキーの歴史
ワイルドターキー(引用:明治屋)
1869年、ワイルドターキーはトーマスリピーの手で生み出されました。
アメリカはケンタッキー州、ローレンスバーグに蒸留所を構えるワイルドターキーですが、生まれた当初は創業者の名前をとってリピー蒸留所と呼ばれていました。
1905年にトーマスリピーの息子兄弟が受け継ぐまで、ワイルドターキーの蒸留所は経営者を転々とする形で経営が続けられていました。
息子兄弟が受け継ぐようになってからは、さらにワイルドターキーの経営は安定して市場でも安定した需要を集めていました。
1970年にオースティン・ニコラズ社がワイルドターキーを買収して依頼、現在に至るまで同社がこのブランドを守り続けています。
オースティン・ニコラズ社はバーボンウイスキーに対する愛が強く、より一層のバーボンウイスキーの発展を願ってワイルドターキーを買収しました。
そして、現在蒸留所を構えているケンタッキー州のローレンスバーグにワイルドターキー蒸留所という名前で蒸留所を構え、全米に名前が知られるようになったのです。
しかし、バーボンウイスキーには大きな佳境を迎えるタイミングがありました。
それは、アメリカの禁酒法です。
アメリカ生まれのバーボンウイスキーに対して、同国のお酒の禁止法令は重大な問題となったのです。
結果的に、禁酒法が発布されると同時にワイルドターキーの製造はストップせざるを得なくなりました。
その後、オースティン・ニコラズ社は一時期は食品などの製造を中心に経営をしていましたが、禁酒法解禁がきっかけで再びワイルドターキーの製造が始まったのです。
1980年、再びワイルドターキーが買収される機会が出てきました。
それが、フランスのウイスキー取り扱いメーカーのリカール社による買収です。
さらに2009年にはイタリアのカンパリグループがワイルドターキーのブランドと蒸留所を買収したことにより、現在に至ります。
ワイルドターキーは、ほかの蒸留所に比べて比較的多くの会社の手に渡りながら、現在まで人気を高めていった企業と言えるでしょう。
ワイルドターキーの製造方法
(引用:明治屋)
ワイルドターキーは、原材料となる穀物やその比率について明確な情報を公開していません。
企業秘密ということでレシピは一般に情報を流していませんが、蒸留所のマスターディステーラーによると、原材料として多く使用しているのは大麦麦芽とライ麦だと言います。
ワイルドターキーでは、バーボンウイスキーにはトウモロコシは合わないと考えています。
なので、アメリカではお酒の原材料として多く使われるトウモロコシをほとんど使用していません。
このライ麦と大麦麦芽をしっかりと加水して乾燥させ、蒸留から熟成までの工程をワイルドターキー蒸留所で行なっています。
蒸留は単式蒸留器を使用したシンプルな蒸留方法となり、熟成にはホワイトオークやミズナラ樽が好んで使われている傾向があります。
また、熟成についてはワイルドターキーは8年〜15年ほどの熟成期間を経るウイスキーを多く取り扱っており、いずれの銘柄も人気が高くなっています。
大麦麦芽とライ麦では、基本的に製造工程は同じになりますが、水を多く含みやすい大麦麦芽に比べて吸水率が低いライ麦は大麦麦芽に比べて加水時間が長くなると言われています。
その分、芯までしっかりと澄んだ水を含んだ穀物が仕上がりますので、味わいはよりマイルドになりライ麦特有のクセなどは薄くなります。
ワイルドターキーのこだわり
(引用:明治屋)
ワイルドターキーでは、手間のかかる蒸留を二回行います。
2回目の蒸留はクレンジングと呼ばれ、1度目の蒸留されたウイスキー原酒をよりきれいで澄んだものにするために行われます。
1度目はスチームで高熱を出し、気化させることで行います。
2度の蒸留を行うことで、お酒のアルコール度数は平均よりも少し下がります。
しかし、こうすることでワイルドターキーを作り出す大麦麦芽やライ麦の原材料の品質をしっかりと維持することができるのです。
さらに不純物がきれいに取り除かれるためクセやえぐみは全くなく、クリアで澄んだ味わいを楽しむことができるのがワイルドターキーの2度の蒸留の意味になります。
さらに、ワイルドターキーでは熟成の際に多く使用されるアメリカンホワイトオークの樽の内面を焦がすという工程があります。
このように熟成樽に焼きを入れることによって、樽の材質は化学反応を起こしてウイスキーを熟成した際に色や味わいに変化をもたらします。
ただし、ただ焦がせば良いというわけではなく、程よい黄金色と軽やかな香りをつけるためにはワイルドターキーならではの専用の方法でなくてはうまくいくことができません。
ワイルドターキーでは、この繊細な工程を踏むために熟成樽を作り上げる専門の職人も存在します。
このように、原材料やウイスキーづくりの工程に必要な材料にまで手をしっかりとかけているからこそ、ワイルドターキーは今や世界中から愛される飲みやすいウイスキーとしての地位を確立することができているのです。