第二話
周りは暗く、人よりも何倍もある扉。そして途中で途切れた階段。
そしてもう一つ、いや、もう一人の男。
何をすればいいのかわからず、留まっている。
彷徨うものの話。
扉の前に立っている男、影白という男は途中で途切れた階段を渡り、あっちの世界へ一度行く、と言う。
何もわからないまま、神奈は途中で途切れた階段の途切れた部分まで進んでいく。
神奈「こ、これ・・・、一体どうやって行くのよ・・・?」
影白「下は見るな。恐怖を感じるな。自らを信じ、前を見て進め。そして迷うな。」
教訓のうように言った、しかし、それが階段を通るための術だった。
神奈「そ、そんなこといわれても・・・。」
神奈が階段の下を見た瞬間、何か白い、形も様々なものが転がっていた。というよりも、動いているようだった。
神奈「え・・・・・!?ちょ、っちょ、何これ!?」
神奈はその白い、形も様々な物を見て死の感覚を知った感じになった。
影白「下は見るな!!!」
神奈は言われた通り、すぐさま前を見た。
神奈が見たもの、それは確かに骸骨だった。それに、黒いローブを纏い、鎌ももっていた。
影白に言われた通り、前を向いているとその骸骨は襲っては来なかった。
影白「今お前が見たものは忘れろ。そして自分を信じて進め。」
神奈は歯を食いしばった。
何故わたしなのか、何故向こうの世界に行かなければならないのか、何故死の淵まで追いこまれなければいけないのか。
神奈「生きてやる…、こんなとこじゃわたしは死なないわよっ!!」
神奈は思いのまま、途中で途切れた階段の途切れた部分に足を置く。
そこには、透明の階段があった。
でもそれは、下をみず、恐怖を感じず、自らを信じ、前を見て進む。そして迷わない。
その心を持てば、進むことができる。進む途中に心を変えれば、確実に骸骨の餌食となる。
神奈「わたしだってね、ここで死ぬために生まれてきたんじゃないのよ!幸せに高校卒業して、幸せに結婚して、幸せに死ぬのよ!!そんな惨めな人生は嫌なのよ!!!」
神奈は階段を渡りきり、影白の元まで着いた。
やや疲れのような表情はあったが、影白は時間が無い、と無視をする。
神奈「さぁ、教えて。これからどこいくの?それと、その行く場所からまた、もどってこられる?」
影白「これから行くのはガテイラと呼ばれる世界だ。・・・それと、もどってこられる。英雄になったらな。」
神奈「え・・・?英雄?どいうこと?」
影白「説明はガテイラ着いてから説明する。さぁ、扉を通って箱舟に乗るぞ。」
神奈「箱舟・・・?それに乗って行くわけ?」
影白「そうだ、では行くぞ。」
神奈「・・・ってどうやって開けるの?」
影白と神奈の前には、人よりも何倍もある扉がある。
そんな扉を開けようとしている影白は無謀すぎると思えた。
影白「ψД*+×#ΩЖ・・・。」
神奈「・・・え?何言ってるの・・・?」
影白が意味不明な言葉を発しているのはわかった。
しかし、その意味不明な言葉が言い終わると、影白の首についていた、ネックレスの宝石のようなものが光りはじめた。
神奈「う、うわっ!・・・なんなのよ?それ・・・?」
影白は何も言わず何かを待つ。
すると突然、扉が開いた。
神奈「う、うわぁ・・・、す、っすごい!!何いまの?」
影白は返事もせずに、まだ何かを待っている。
神奈「ちょ、ちょっと・・・、返事くらいしなさいよ・・・。」
影白「来たぞ。」
神奈「え?」
扉の中は暗く、見えにくかったが、たしかに扉の奥のほうに船のようなものがある。
船は扉の近くまでくると、船を神奈たちからみて横になるようにした。
すると、絵のようなものが描かれた円形のものが降りてきた。
影森「さぁ、はやく乗れ。」
神奈「え?これに乗るの?」
影森「いいから、はやく乗れ。」
言われた通りに神奈は円形のものの上に乗った。
するといきなり、円形のものが浮きはじめた。
神奈「ええ!?な、なにこれ!?浮いてる・・・!」
影森「これは*Д$と言ってな・・・」
今、影森がたしかに言ったはずだった。しかし口しか動いていなかった。
神奈「・・・え?なんて言ったの?今?」
影森「・・・?ああ、そうか・・・、まだ干渉してないから言語が伝わらんのか・・・。」
説明できないうちに、船の看板までついた。
影白「まぁ、いい。時期知ることだ。それまでここの船で静養だ・・・。」
船室に入ろうとする影白を神奈が止める。
神奈「ちょ、ちょっとまってよ!どこいくの?」
影白「ああ・・・、忘れていた。ガテイラまでつくのに1日かかる・・・。それまで・・・、休まさせてくれ・・・。」
影白は疲れきった表情で、船室へ入っていく。
神奈「・・・ほんとに来てもよかったのかな?ガテイラとかいう世界に行っても・・・。」
神奈は自分に問いかけるように呟いた。
神奈「階段を渡るときは・・・、死にたくなかったからああいう風になったけど・・・。階段を渡ったあと、もどってもよかったのに・・・。」
後悔したように神奈は泣き出してしまう。
神奈「わたしって馬鹿だなあ・・・、ワケも知らずにここまできて・・・。みんなに伝えることすらできない・・・。」
影白「大丈夫だ。お前はお前のいた世界の者の全てのお前の記憶を忘れさておいた。」
神奈「なんだ・・・、いたの・・・。・・・ってえ!?どういうことよ!?わたしの世界にもどってもわたしを覚えてる人はいないの!?」
影白「・・・大丈夫だ。もどるときはちゃんと記憶を甦らせる。」
神奈は安心した顔で船の床にしゃがもうとした。
すると、いつの間にか椅子に座っていた。
神奈「・・・あれ?こんなところに椅子なんてあったかな・・・?」
影白「まぁ・・・、なんというかサービスのようなもんだ。」
神奈「へ、へぇ・・・。なんかまるで魔法ね・・・。なんでもありっていうか・・・。」
影森「お前の世界で言えばそのようなものか・・・。」
沈黙が続く。
影白「・・・・・俺はこの船にのるために、力を使っている・・・・・。その力を少々養う。」
神奈「・・・・・わ、わかった・・・・・。」
再び影白が船室へ入る。
不思議。
さっきまで泣いてた感覚が無い。
久しぶりに泣いたのに・・・・・。
・・・何故か落ち着く。
これも魔法みたいな・・・、そうなのかな?
なんか・・・、変な感覚・・・・・。
来たこと・・・、無いはずなのに・・・・・。
なんでだろう?
記憶?
・・・子供のころの記憶が無いから、そんなことあるわけない・・・・・。
消された?
・・・・・わけないか・・・・・。
第二話 完