M-1グランプリ2019
4番手
すゑひろがりず
「合コン」
「お主はたそ?」
「その方のやんごとなき様見てみたし!それ召っせ召っせ召せ」
「なにゆえ持っておる?なにゆえ持っておる?召し足りぬ故に持っておる!」
「あぁ、いらぬいらぬ」
「ポテロングじゃな!」
すゑひろがりずの登場でガラッと空気が変わった。かまいたち、和牛と続いて「あぁ、いつものM-1だ。これが見慣れたM-1の空気だ。」とひと息つけるかと思った矢先に、令和の伝統芸能漫才が始まった。今年のM-1は落ち着かせてくれない。
決勝進出者発表の直後、和牛敗退のニュースが話題になったが、それと同時に鼓を持った漫才師が決勝に進出したことが話題になっていた。それがこのすゑひろがりずである。確かに、なにか道具を使ってM-1を戦っている人は今まで見たことがない。
楽器や道具を使った漫才は果たしてありなのだろうか?センターマイク一本で戦うのが漫才なのではないか?と考えてしまう。
結論から言うと、アリだそうだ。Wikipediaによると、漫才にはジャンルとして音曲漫才というのが古くからあるそうで、小道具を用いることも別段禁止はされていないようだ。富澤も言っていたように、漫才は面白ければなんでもいい。筆者もその意見には大賛成だ。漫才にも多様性が認められるべきだし、令和の世に硬っ苦しいルールはいらない。
つかみからぐっっと惹き付けられた。
いや、それ中尊寺!! ポンッ!!
気持ちいい鼓の音と、2人の決めポーズ。これがジングルのように使われ小気味よいテンポで漫才が進んでいく。漫才の題材としてはよくあるもので、進み方も普通なのだが、能の表現を用いるだけでこんなにも面白くなるのかと感心した。古い表現で言い表すだけでこんなパワーワードが生まれるのかと。ほかのネタがほんとに見てみたくなるコンビで、シンプルな題材であればあるほど面白くなっていきそうな気がする。
飲み会でのコールと山手線ゲームを模したお菓子の銘柄クイズは、確実に若者のあいだで流行る。今大会で大きな大きな爪痕を残した。
からし蓮根に抜かれ、敗退してしまった際のコメントを見て、「あ、、これは売れる。。」と思ってしまった。完成しきっている。
2020年はすゑひろがりずにとって飛躍の年になりそうだ。
グルグル召さすな!