今村昌平監督の「楢山節考」を観ました。
信州の山奥の小さな村の話です。
70歳になると老人は厄介者となり、山に捨てに行かねばなりません。
主人公の辰平にも、69歳になった自分の母親を捨てる時が
近づいてきました。
村の掟は絶対であり、何人であれ破ることは許されません。
畑の作物を盗んだ一家は、村人によって罰せられ、全員生き埋めにされます。
その残酷さと対比するように、村のカップルが行うセックスの描写が生々しく
(今村監督の映画ではお約束なのですが)生命の力強さを感じさせます。
それにしても何という、恐ろしい程のリアリティーでしょうか。
わずかばかりの資源しか持たない東北の村の、生き残る術が
人間の尊厳を冒涜することであっても、誰が責められるでしょう、
しかも辰平の母おりんを演じる坂本スミ子さんが、当時まだ40代だったとは!
自分の運命を受け入れる覚悟を決めた母親と、母に愛情をかける息子。
終盤の雪が降るシーンは涙なくしては見られません。
こういう厳しい現実を突きつける映画を
今の映画界でも作るべきだと思うのですが・・・・・・。


