経営や労働法関係の人とお目に掛かった際の会話で、最近増えているのが(1)有期労働契約(2)成果主義の二つです。
(1)有期労働契約については、このブログで先日少し書きました。
(2)成果主義は景気が悪くなると話題が持ち上がる、いわば都市伝説です。
過去10年~20年間の体験から、日本では「明確な成果主義」は根付きにくいことが分かってきました。
現在多くの企業で行われている成果主義は、「曖昧な成果主義」です。
曖昧だから間違っているという訳ではありません。
単に、個別的労働契約より包括的労働契約が先行する日本では限界があるだけなのかもしれません。
しかし曖昧ゆえに現場が混乱する現象が、少なくない企業で起きてしまいました。
そこで、「従来の職能給の代わりに、次は何を持ってくるか?」と多くの人が考えた答えの一つが、職務給でした。
(私は表現としては職務給より仕事給の方が好きなので、以下、そのように書きます。)
仕事給は日本ではまだ確立されていませんが、有望株ですね。
「曖昧さ」を排除しやすいからです。
ここで注意したいのが、成果給(主義)と仕事給は同グループの概念ではない点です。
「職能主義の中の年功序列的な要素」⇔「成果主義」
「職能主義の中の属人的な要素」⇔「仕事給」
①年功序列を一部残したままの仕事給にするのか
②成果主義の要素を取り入れた仕事給にするのか
③単純仕事給にするのか
組み合わせや手法は複数が考えられますね。
もちろん仕事給以外にも解はあるでしょう。
大切なのは、会社が独自に考えて、その会社に相応しいオリジナルを生み出すこと。
ゆっくりでいいのです。