繁栄の象徴としての貧困

 中国の金瓶梅は一読に値するポルノ小説である。これは悪徳商人の酒池肉林の生活を描いている。この小説に頻繁に現れるのが豪華な宴会の情景と花子、即ち乞食という言葉である。中国の宴会では食べ切れない程の料理が供されるから、余り物を求める乞食が集まる。乞食が集まる家は景気の好い家と看做されるから、乞食は排斥されずに歓迎される。世界一豊なアメリカには世界中から貧民が集まる。これが「貧困大国アメリカ」の本質である。