一日が終わって
布団の中でまた思ってる
昨日の自分と何が変わった?

次の24時間で何ができる?
次の24時間で何を変えれる?

僕ら 詰め込めるだけ詰め込まなきゃ


先週の話。


広島市内の電機屋に行った。結局は何も買わなかったんだけど、市内に行ったついでに平和公園に行った。この日は初春を感じさせるポカポカした陽気だった。
公園内の静かな空気の中を歩いていると、遠くの方、道路を挟んだ向こう側に桜が綺麗に咲いているのが見えた。平和公園はよく来るのに、そこに桜の木が植えられてることにはじめて気がついた。

小さな冒険心がワクワクさせた。

道路を渡って近づくにつれて桜が川沿いに咲いている様が見えてきた。川の脇にコンクリートの道、すぐ土手になっていて土手の上に桜の木が連なっていた。六部咲きくらいか。
入り口に基町河原公園と書かれた木の看板があった。
一番手前の桜の木の下に立って深呼吸をして、花の匂いがして春っていいな何て思って、それから土手の上を歩いた。
芝生のような短い草がチョビチョビと生えていた。
歩くと春らしい春を感じた。

公園の中ほどで土手の下に、体育座りの格好で、膝に額をつけて俯いてる女の人が見えた。足の前にギターを置いて。
路上ライブでもやってるのかなと思った。でもまったく演奏をする気配はなかった。
こんな陽気なのに、悲しささえ感じそうな雰囲気を纏っているのが、演奏を聴いてみたいと思わせた。

少し先にある階段を使って土手の下に降りた。どちらかというと人見知りの僕はすこし緊張した。コンクリートの道を歩いてその人の前までいって正面にたった。微動だにしないその人に「一曲お願いしていいですか?」って言いうと、その人は顔を上げて「やってないんです」って言った。

考えられる範囲になかった答えのせいと、その人が思いがけず美人だったせいで、少しの間 何も言い返せなかった。その間その人は何も言わずに僕をじっと見返していた。
すこしパーマさせた肩までの髪と、大きい目が印象的だった。
「趣味でやってるだけなんで」と付け足してきた。それがやっていないことの理由として納得できなかったけど
「そうなんだ。がんばってね。」って言い返したら「はい ありがとうございます」って言い返してきた。
会話が終わった感じになったので歩きだそうと思ったのだけど、足が動かなかった。彼女ともっと話をしてみたかった。
だけど何を言ったらいいのかわからなくて、考えている間、二人ともが静止していた。その間も目はずっと合っていた。
「いつもはやってるの?」と聞くと
「はい二人で」と答えてきた。改めて彼女の周りをみると、ギターは二つ置いてあった。
「こっちはもう一人の方の?」とギターを指差すと「そうです。今はちょっとどこかいってて」と答えた
。「なるほどね」
僕はなっとくした。今は一人だからやってないです。プロとかじゃなく趣味だから、やってと言われても一人じゃやらないです。と言いたかったんだと。
そしてさっきと同じように「そうなんだ。がんばってね。」と言って、こんどこそ歩き出した。


後になって、相方が戻ってくるのを待って歌を聴けばよかったなと思った。あと、自分の会話の下手さがいやになりもした。
後から後から聞きたいことがたくさんでてきた。
あなたと相方のどっちが歌をうたうのか、曲はオリジナルでやってるのかコピーをやってるのか、あなたは悲しんでいるのかどうか。



人と向かい合うと緊張で頭の働き半分程度になるのがいつかがなくなって、
またどこかで彼女と会って歌を聴くことができたらいいな。
肌寒さを感じる夕方の帰り道、3回そう思った。


今年初の春らしい日はそんな一日だった。

今日もパソコンで作業をしてた。昼飯を食べてから。自分の部屋の、自分の机に座って。
何気なく窓の方を向いたら青空が見えた。そのときなにかを思って、十分くらい考え事をした。


たまにあるこの感じ。ふと胸に突き刺さる考えが浮かぶこの感じ。大切にしたい。