
年季の入った門に、掛けられた暖簾。
禅味感じる、慎ましくも澟とした佇まい…
。
草加 「手打そば処 ふか川」
がらがらと、引き戸を開き入れば、
しんっとした静謐感漂う、落ち着いた趣ある店内。
奥行き深く細長い空間に、竹のしつらいで敷居がなされ、
敷石を並べた小上がりに、テーブル席。
先客はまだなく、「いいですか?」と覗きこむと、
「どうぞどうぞ」と、たまらない程の優しい笑顔で迎えてくれる。

初めてのお店の緊張も、女将さんの笑顔にすっかり溶かれ、
早速置かれていた品書きを吟味。


「手打ちのそば」に「手打ちうむどん」…
それぞれ揃うが、私の目的はこれこれ
。

冬季限定らしい、「田舎そば」。
彼は、寒いから、と、「月見そば」に決め…、

さらにお料理の品書きをめくれば、中に珍しい「天ぬき」の文字。
これは是非食べてみたい、「天ぬき」を添えて注文
。

頼むと程なく、まずは「天ぬき」が置かれる。

うわあ、なんて美しい掻き揚げ…
黄金色に輝く澄んだかけ汁に、ほっこりと浮かぶ、
羽毛の如く散る揚げ衣を纏った、繊細優美な姿。

早速箸を入れれば、さっくりと崩れ、
中には、立派な芝海老がごろごろ。

口にすれば、さくさくとした軽やかな衣に、
中の海老はぷりぷり、熱の入り具合も絶妙な濃厚な海老の旨さ。
飾り蒲鉾に三つ葉がそっと隠れ、ふわりと広がる柚子の香り。
次第に汁を吸っていく掻き揚げはしっとりふわふわ…
こ、これは、美味し~い
。

すっかり感動していると、程なく「田舎そば」も目の前に。

ああ、この蕎麦も又なんて美しい…

透明感のあるグレー色の細く立たれた一本一本の中に、
びっしりと埋まる、様々な色合い形の蕎麦の欠片。

手繰り口にすれば、ざらりとした欠片が口肌をかすめ、
キンっと〆られた、しっかりとした歯ごたえ。
噛みしめれば、爽やかな蕎麦の風味が途端に口に広がってくる。
これは美味しい…
そのままで何度か手繰り味わい…

添えられた山葵をそっと乗せ口にすれば、この山葵が、又極上。
汁は、濃い目のしっかりとした味わいで、
そっと浸せば、出汁の旨さがふわりと広がり、蕎麦の甘みを際立たせる
。
期待以上のお蕎麦に、うれしく手繰り手繰り…

途中で、ちょっと残っていた天ヌキで又ひと手繰り。
「つけ天」せいろの醍醐味も楽しんで…

一方彼の「月見そば」も又美味しそう
。
海苔に厚切りの板わさが乗った、
一見「おかめそば」のような豪華な景観。

途中で交換してみると、「せいろ」の蕎麦もとても美味しい。
熱々の汁の中でもしゃんっとした腰があり、
海苔がほろろと溶けたかけ汁に絡まり、蕎麦の甘みを残していく。
「田舎そば」もいいけど、これもいいな~
これには彼も満足そうで、二人あっという間に食べてしまえば、
頃合い見て出された蕎麦湯が、又素晴らしい。

とろろ~と流れて来たのは、真っ白な濃厚蕎麦湯。
粉っぽさが微塵もなく、口当たりまろやかクリーミィ、
蕎麦の風味が濃厚に溶け、これ又、正に絶品~
。

彼も、かけ汁に注ぎ楽しんで、
たっぷりあった蕎麦湯を、すっかり飲み干し…
草津でこんな風流で素敵なお店に出会うとは…、
女将さん、ご主人の応対もとても心地よく、
ご馳走様でした~
又是非、ここには訪れたい
。
すっかり満足、気分もよく…
彼の目的地、「やまとの湯」で湯ったりまったり~
…入ってみたらうれしいびっくり、ここの湯の「効能」は「肝臓」
これで、又元気に蕎麦前できるっ♪ 

「手打そば処 ふか川」
草加市瀬崎3-36-1
048-927-3677
11:30~20:00
日曜定休
喫煙可(卓上に灰皿)
P2台