時は1992年に遡る。当時、入社6年目。

会社の先輩方が休暇を取ってヨーロッパに

出かけるのを、遠い世界のように思っていた。

 

仕事は毎日決まった英語を使う業務。

大学は英語学専攻。

海外経験は、大学三年の春に行ったアメリカ、

ロングビーチへの1ヶ月間のホームステイと、

入社2年目で行ったシンガポール3泊5日の旅

くらい。国内メインで軽井沢や八ヶ岳、伊豆

などによく出かけていた。

 

ヨーロッパなんて、当時70万円位ないと

行けないと思っていたので、全くの範疇外

だった。


旅行会社に就職したかったが叶わず、

大学の集団面接で落とされてしまった

悲しい経験がある。

地元の教育大だったので、教員の資格を

取って、教員採用試験も受けたが不合格。


結果、現在の会社の試験を受けて合格し、

今に至る。


34年間務めており、いろいろあったが、

今は技術部門で、エンジニアっぽい

テクニカルな仕事をしている。

文系なのに。。

 

入社当時、会社に旅行部門が設立され、

会社の先輩が、余暇の時間を使って

勉強するのを見て、私も通信教育で

勉強して一般旅行取扱主任者の資格を

取得。旅行部門への異動を目指した。

 

勉強する中で、ヨーロッパの鉄道の

時刻表や乗り継ぎが出てきて、

興味を持つ。

 

資格を取ったので、せっかくだから、

一生に一度くらい、実際に行ってみよう

と思い立ち、AB-ロードという、当時

一世を風靡した旅行情報誌のツアーの

ページをパラパラめくり始める。

 

当時興味があったのは、

「フランスは農業国」という、

地理の時間に習ったこと。

(実家も兼業農家だった。)

 

その、AB-ロードで、南フランスの

菜の花畑を走る鉄道の写真を見て

心ひかれる。抜けるような青い空に

菜の花畑。その一枚の写真に旅情を

掻き立てられた。

 

あの写真、もう一度見たいなぁ。