何もかもが不様である。
と、四つ角でスミ男は思う。
と、下水溝でネズミが笑う。
と、それがスミ男には天使の微笑みに見える。
花畑と虹の橋と蝶の中の天使――。
(しかしそれは、ネズミのあやしい笑いであった。
ビルと黄色くなった窓と歩道橋と車と車とススの下の横のネズミ。それは、ネズミのあやしい笑い――イヤ、もう誤魔化すのはよそう――それは、ネズミの口拡筋の蠕動であった)
ネズミの齧口左口拡筋の蠕動
=聖グレナチオぐれごりうす・道代の微笑み
そのように スミ男は 不様 であった
