掛川周辺の化石【Tonna luteostoma 2】 | 関東化石採集の旅

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皆様、おはようございます。
本当は、もっと早い時間にブログを更新する予定でしたが、昼間の畑仕事で疲れていたのか?うっかり寝てしまい、更新が遅れてしまいました。


さて、本題です。
昨年春先の掛川巡検で採集した貝化石です。いままでは破片程度しか採集が出来なかった種類が採集できました。印旛沼周辺の下総層群木下層では良く採集できる種類ですが、ここ掛川周辺では滅多に産出しない巻貝化石です。
残念ながら保存状態はイマイチでしたが、採集できただけでもヨシとしないといけませんね!



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ヤツシロガイ科
和名 : ヤツシロガイ
学名 : Tonna luteostoma(Kuster,1857)
殻径 : 108.39mm
殻高 : 124.07mm
産地 : 静岡県掛川市大字下垂木
産出層:掛川層群 大日層(約200万年前)
産出頻度 : 極稀(この産地では少)
特徴 : 殻は卵形で大型。殻質は厚い。螺肋は太く低い。
現世種は、北海道南部以南の水深10~200mの細砂底に生息。

※ 殻口の二枚貝は『サトウニシキ』です。




現世種は所持していないので、比較的時代が新しい下総層群木下層産『ヤツシロガイ』と特徴の比較をしてみます。


【下総層群 木下層産】

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ヤツシロガイ科
和名 : ヤツシロガイ
学名 : Tonna luteostoma(Kuster,1857)
殻径 : 104.16mm
殻高 : 114.81mm
産地 : 千葉県印西市大字吉高(大竹の露頭)
産出層 : 下総層群 木下層(約13万年前)
産出頻度 : 普通

一般的に『ヤツシロガイ』の螺塔は、内湾に生息している個体は高く、外洋に生息している個体は低いと云われていますが、千葉県印西市周辺の木下層から採集できる『ヤツシロガイ』の個体は、螺塔が高い個体と低い個体の双方が入り混じって採集できます。
もちろん、約200万年前の遠州灘に堆積した地層から産出する掛川産の『ヤツシロガイ』は、螺塔の低いタイプしか存在はしません。


直接の比較画像


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掛川産『ヤツシロガイ』の保存状態の悪さが際立ちますが、貴重な化石なので勘弁してくだい。ほぼ大きさは同じです。
こうして印西産と掛川産の特徴を比較すると掛川産の方が肋間がとても狭いようです。
個体差なのか?地域差なのか?それとも時代差なのかは判然としません。