放送中止を求める声が10万人超え…BLACKPINK主演の韓国ドラマ『スノードロップ』の問題点とは?
2021年12月20日 

放送前から議論になった韓国JTBCの新ドラマ『スノードロップ』。12月18日に第1話が始まると、放送に反対する国民請願が登場した。

12月19日、韓国大統領府公式ホームページに設置された国民請願には、「ドラマ『スノードロップ』放映中止請願」というタイトルの請願文が掲載された。該当文には『スノードロップ』の放送禁止を要請する内容が盛り込まれた。

韓国の国民請願は、30日以内に20万人以上が賛同すれば、政府関係者の公式回答を聞くことができる制度だ。

「民主化運動の価値を毀損」
請願者は、「該当ドラマは放映前、すでにシノプシス(あらすじ)公開で一度、民主化運動を中傷する内容で大きな議論になったことがあり、20万人以上の国民が該当ドラマの放映中止請願に同意した」とし、「制作陣は当時、“まったくそのような意図はなく、男女主人公が民主化運動に参加したり率いたりする設定は台本のどこにも存在しない”と主張した。しかし第1話が放映された現在のドラマで、女主人公はスパイである男主人公を運動家と誤認して救ったりした」と指摘した。

特に「民主化運動当時、根拠なくスパイと見られて拷問を受けて死亡した運動圏の被害者が明らかに存在し、そんな歴史的事実があるにもかかわらず、その内容のドラマを作ったのは明らかに民主化運動の価値を毀損させることだと思う。それだけでなく、スパイの男主人公が逃げて、安企部(現国家情報院)のサブ男主人公が追いかけていくとき、背景として『ソラ、プルルン、ソラ』(原題)が流れた。この歌は民主化運動当時、使われた歌であり、そんな歌を1980年代の安企部を演じた人とスパイを演じる人の背景音楽として使ったこと自体が容認できない行為」と主張した。
 


続いて請願者は「該当ドラマはOTTサービスを通じて世界各国で視聴でき、多数の外国人に民主化運動に対する誤った歴史観を与える可能性があるため、さらに放映を強行してはならないと考える。民主化運動の価値を毀損するドラマの放映は当然中止されなければならず、韓国文化の影響力が次第に大きくなっている現時点で、放送界も歴史歪曲の深刻性についてもう一度考えてほしい」と請願した理由を説明した。

その国民請願は12月19日午後、賛同者が10万人を突破し、急速に各種オンラインコミュニティに拡散されながら話題を集めている。

先立って『スノードロップ』は今年3月、あらすじの一部が流出して議論になった。オンライン上では当時、男主人公が運動圏の人物であるように見せかけたスパイに設定され、また別の男主人公が安企部チーム長ではあるが、正義感のある人物として描写され、歴史歪曲の可能性があると指摘された。

それに対してJTBC側は、「論議は流出した未完成のシノプシスとキャラクター紹介文の一部の組み合わせで構成された断片的な情報であり、情報に疑惑が加わり、事実ではない内容で覆いかぶせられている」と反論した。

演出者チョ・ヒョンタクPDも『スノードロップ』制作発表会で、「ドラマが1987年度時代を背景にしているが、軍部政権と大統領選挙の政局という状況以外、すべての人物と設定、機関は仮想の創作物」とし、「そんな創作をした理由は、物語の中心にスホ(演者チョン・ヘイン)とヨンロ(演者BLACKPINKジス)による男女の切ない愛の物語があるためだ。そのほかは仮想の物語として作られたものだ」と解明した。

なお『スノードロップ』は、1987年のソウルを背景に、女子大学の寄宿舎に血まみれで飛び込んだ名門大学院生のスホと、危機のなかで彼を隠して治療した女子大生ヨンロの切ない愛の物語を描いたドラマだ。人気ドラマ『SKYキャッスル』の脚本家ユ・ヒョンミとチョ・ヒョンタクPDが再び集まって話題を集めた。

『スノードロップ』は韓国JTBCで12月18日から放送され、日本では「Disney+(ディズニープラス)」の新コンテンツブランド「スター」にて12月19日から配信された。

 

 

 

 

 

 

20万人が放送中止を求めるBLACKPINKジス主演の韓国ドラマ『スノードロップ』は“歴史歪曲”なのか
2021年12月20日 

新しい韓国ドラマ『スノードロップ』(JTBC)が初放送後、国民請願の掲示板に登場して議論の対象となっている。放送中止を求める請願の賛同者は、すでに20万人を超えた。

去る12月18日に韓国JTBCで初放送された新ドラマ『スノードロップ』は、1987年の大統領選挙の政局を背景に政治的陰謀と諜報戦、そのなかで花開く男女のロマンスを描く。

主演は俳優チョン・ヘインとBLACKPINKのジス。さらに大ヒット作『SKYキャッスル』の脚本家ユ・ヒョンミとチョ・ヒョンタク監督が再び手を取ったことで、放映前から話題を集めた。ところが、放送前にシノプシス(あらすじ)の一部が公開され、一部からは「歴史歪曲があるのでは?」という反応が出たことがある。

オンライン上では、歴史歪曲議論によってたった2話で放送中止となったSBSの『朝鮮駆魔師』(原題)の事例があったため、強めに制作陣の立場表明を求めた。JTBC側は当時、「騒動は流出した未完成のシノプシスとキャラクター紹介の一部の説明文の組み合わせで構成された、断片的な情報から始まった。その情報に疑惑が加わり、事実ではない内容で覆われた」と、早々と解明した。また放送が始まれば、歴史歪曲の議論は絶対に起きないと念押しした。

第1話放送後に議論が再燃
そんななか12月18日に放送された『スノードロップ』第1話では、ホス女子大学1年生であるヨンロ(演者ジス)が、在独同胞出身の大学院生に偽装したスホ(演者チョン・ヘイン)と劇的に再開する姿が描かれた。4対4の集まりに出たヨンロはスホに一目惚れし、紆余曲折の末にまた会う約束をしたが、スホは約束の場所に現れなかった。
 


6カ月後、スホは北朝鮮から受けた任務を遂行しながら安企部(安全企画部、現在の国家情報院)に追われ、大怪我を負った状態でヨンロのいるホス女子大学の寄宿舎207号寮に隠れ入った。安企部の職員たちが寄宿舎に入ってきた危機的な状況で、血まみれの男を発見したヨンロは、その男が6カ月前に出会ったスホであることに気付いた。2人が再会したところで第1話は幕を閉じている。

第1話が放送されると、翌19日、韓国大統領府ホームページに設置された国民請願掲示板には、「ドラマ『スノードロップ』放映中止請願」というタイトルの請願文が上がった。

その請願者は、「制作陣は当時、“まったくそのような意図はなく、男女主人公が民主化運動に参加したり率いたりする設定は台本のどこにも存在しない”と主張した。しかし第1話が放映された現在のドラマで、女主人公はスパイである男主人公を運動家と誤認して救ったりした」とし、「民主化運動当時、根拠なくスパイと見られて拷問を受けて死亡した運動圏の被害者が明らかに存在し、そんな歴史的事実があるにもかかわらず、その内容のドラマを作ったのは明らかに民主化運動の価値を毀損させることだと思う」と主張した。

続いて「スパイの男主人公が逃げて、安企部のサブ男主人公が追いかけていくとき、背景として『ソラ、プルルン、ソラ』(原題)が流れた。この歌は民主化運動当時、使われた歌であり、そんな歌を1980年代の安企部を演じた人とスパイを演じる人の背景音楽として使ったこと自体が容認できない行為」と話した。

『スノードロップ』の放映中止を求めるその請願には、12月20日現在、20万人以上が賛同しており、各種オンラインコミュニティでも様々な議論が行われている。韓国の国民請願は、30日以内に20万人以上が賛同すれば、政府関係者の公式回答を聞くことができるため、その回答が待たれる状況だ。

ただ反対意見も存在する。過剰反応について指摘し、「ドラマをもう少し見守ろう」「まだ初放送を終えたばかりのドラマに対して過度な非難は控えるべきだ」などの意見もある。

なお『スノードロップ』は韓国JTBCで12月18日から放送され、日本では「Disney+(ディズニープラス)」の新コンテンツブランド「スター」にて12月19日から配信された。
 

 

 

 

 

 

放送中止要求20万人にスポンサー離れ…“前例”から韓国ドラマ『スノードロップ』は2話で廃止も?
2021年12月21日 

歴史歪曲の議論によって、たった2回の放送で廃止となった時代劇ドラマ『朝鮮駆魔師』(原題)の二の舞になってしまうのだろうか。

日本では「Disney+(ディズニープラス)」で配信中の新ドラマ『スノードロップ』(JTBC)に対する歴史歪曲論議が過熱している。

「1987年のソウルを背景に、ある日突然、女子大学の寄宿舎に血まみれで飛び込んできた名門大学院生スホ(演者チョン・ヘイン)と、そんな彼を隠して治療する女子大生ヨンロ(演者BLACKPINKジス)の時代に逆らった切実な愛の物語」を扱った『スノードロップ』は、放送前から「民主化運動を中傷している」「安企部(安全企画部、現国家情報院)を美化している」といった歴史歪曲の論議に包まれた。

去る12月18、19日に第1~2話が放送された後も、議論は収まらなかった。すでに韓国大統領府公式ホームページに設置された国民請願サイトには、放送中止を求める国民請願が登場し、20万人以上の賛同を得ている。韓国の国民請願は、30日以内に20万人以上が賛同すれば、政府関係者の公式回答を聞くことができるため、その回答が待たれている状況だ。



そんな騒動を受けて、放送内容について審議する機構である放送通信審議委員会も、『スノードロップ』に対する審議を検討中だと明らかにした。

ドラマに広告を出す協賛会社も次々と“損切り”に乗り出した。お茶専門ブランド「TEAZEN」をはじめ、「Hans電子」、ファッションメーカー「GANISONG」、食品メーカー「サリジェマウル」、陶磁器企業「トピョンヨ」などが、すでに制作支援ができないという意を伝え、チョン・ヘインが広告モデルを務めているチキンブランド「PURADAK CHICKEN」まで『スノードロップ』を手放した。

これは今年3月にたった2回だけ放送し、廃止となったSBSのドラマ『朝鮮駆魔師』を思い出させる。『朝鮮駆魔師』は放送前から歴史歪曲議論に包まれたが、第1~2話が放送された。

それでも議論が続くと、SBS側は1週間の再整備期間を経て、ドラマの放送を続けるという立場を明らかにした。しかし、すべての協賛会社の制作支援が取り消され、撮影を支援する自治体が場所の提供を拒否し、最終的にドラマは廃止の手順を踏むことになった。

『スノードロップ』は『朝鮮駆魔師』よりも、国民請願が20万人を突破するまでに要した時間が短かった。制作支援会社の損切りも続いている。第2話まで放送を終えた『スノードロップ』は、どんな結末を迎えるのだろうか。

 

 

 

 

 

20万人が放送中止要求も…韓国ドラマ『スノードロップ』、歴史歪曲を公式否定「誤解は解消される」【全文】
2021年12月21日

日本では「Disney+(ディズニープラス)」で配信中のJTBC新ドラマ『スノードロップ』(原題『雪降花:snowdrop』)側が、“歴史歪曲”論争と関連した立場を明らかにした。

12月21日、『スノードロップ』側は「放送公開以降、事実と異なる内容を基にした議論が冷めないため、立場をお伝えする」とし、「まず、『スノードロップ』劇中の背景と主要事件のモチーフは、軍部政権時代の大統領選挙の政局だ。この背景に、既得権勢力が権力維持のために北朝鮮政権と野合するという仮想の話が含まれている。『スノードロップ』は、権力者に利用され犠牲となった彼らの個人的な叙事を示す創作物だ」と説明した。

続けて、「『スノードロップ』には民主化運動を主導するスパイは存在しない。男女主人公が民主化運動に参加したり、導いたりする設定はこれまでの1話、2話にも登場しなかった」とし、「現在、多くの方々が指摘してくださっている“歴史歪曲”と“民主化運動卑下”の懸念は、今後のドラマの展開の過程で誤解の大部分が解消されるはずだ。不当な権力によって、個人の自由と幸福が抑圧される異常な時代が繰り返されないことを願う制作陣の意図が込められている」と伝えた。

また、「放送前にストーリーを多く明かすことができないのが惜しくはあるが、今後の展開を見守ってくださるようお願いしたい」とし、「JTBCはコンテンツに対する大切な意見を聞くため、ポータルサイトのリアルタイムチャットと公式視聴者掲示板を開き、多様な声を聴取する計画だ。JTBCが核心的に追及する価値は、コンテンツ創作の自由と制作独立性だ。JTBCはこれを基に、今後も良い作品をお見せするために最善を尽くす」と付け加えた。
 


去る12月18日に韓国で放送がスタートした『スノードロップ』は、ストーリーや登場人物をめぐって放送前からスパイ及び民主化運動卑下疑惑など、歴史歪曲の議論に包まれている。

韓国大統領府公式ホームページに設置された国民請願サイトでも放送中止を求める国民請願が登場し、すでに20万人以上の賛同を獲得。韓国の国民請願は、30日以内に20万人以上が賛同すれば、政府関係者の公式回答を聞くことができるため、その回答が待たれている状況だ。

なお、『スノードロップ』は俳優チョン・ヘインとBLACKPINKのジスが主演を務めている。

以下、『スノードロップ』側の発表全文。



JTBCがドラマ『スノードロップ』の議論について立場を明らかにします。

『スノードロップ』の放送公開以降、事実と異なる内容を基にした議論が冷めないため、立場をお伝えいたします。

まず、『スノードロップ』の劇中の背景と主要事件のモチーフは、軍部政権時代の大統領選挙の政局です。この背景に、既得権勢力が権力維持のために北朝鮮政権と野合するという仮想の話が含まれています。『スノードロップ』は、権力者に利用され犠牲となった彼らの個人的な叙事を示す創作物です。

『スノードロップ』には民主化運動を主導するスパイは存在しません。男女主人公が民主化運動に参加したり、導いたりする設定はこれまでの1話、2話にも登場しませんし、以降の台本でもどこにも存在しません。

現在、多くの方々が指摘してくださっている“歴史歪曲”と“民主化運動卑下”の懸念は、今後のドラマの展開の過程で誤解の大部分が解消されるでしょう。不当な権力によって個人の自由と幸福が抑圧される異常な時代が繰り返されないことを願う制作陣の意図が込められています。

放送前にストーリーを多く明かすことができないのが惜しくはありますが、今後の展開を見守ってくださるようお願い申し上げます。

JTBCはコンテンツに対する大切な意見を聞くため、ポータルサイトのリアルタイムチャットと公式視聴者掲示板を開き、多様な声を聴取する計画です。

JTBCが核心的に追及する価値はコンテンツ創作の自由と制作独立性です。JTBCはこれを基に今後も良い作品をお見せするために最善を尽くします。

 

 

 

 

 

 

「中傷していない」の主張虚しく…BLACKPINK主演ドラマ『スノードロップ』広告企業の撤退止まらず
2021年12月22日 

日本では「Disney+(ディズニープラス)」で配信中の新ドラマ『スノードロップ』(JTBC)側が“歴史歪曲”の論議について再び解明したものの、制作支援や広告を出す企業の撤退が続いている。

クク電子は12月21日、公式SNSを通じて「単純な広告編成で該当内容を事前に認知できなかった。広告編成を直ちに撤回したことをお知らせする。今後もより慎重な姿勢で広告の運営およびモニタリングをしていく」と明らかにした。

KCC側もSNSを通じて「最近発生した『スノードロップ』広告執行について、多くの方々にご迷惑をおかけして心よりお詫び申し上げる。KCCは制作支援、協賛とは無関係で、その時間帯に広告が編成されて放映された。今後、広告執行計画がないことをお知らせする。より慎重な姿勢でお客様の声に耳を傾けるようにする」と伝えた。

キョンドンNAVIEN側も広告を撤回した。公式SNSを通じて「『スノードロップ』関連のイシューを認知直後、広告編成を直ちに撤回したことをお知らせし、今後執行計画がないことをご案内する。今後さらに慎重な姿勢で広告運営およびモニタリングを進める」と説明した。

ファブリーズ・コリア側も「『スノードロップ』に放映されたファブリーズ広告は、自社が選択して執行した広告ではなく、該当放送局の他プログラム広告を執行しながらサービス性で提供された広告だ。私たちは今後もその番組に広告を執行する計画はない」と述べた。



先立ってPURADAK CHICKEN、balancefit、ダウニー・コリア、ハイト眞露など、『スノードロップ』に制作支援や広告を出した企業は、歴史歪曲論議で視聴者の抗議が殺到すると、それを撤回する立場を明らかにした。

「誤解は解消されるはず」
一方で『スノードロップ』側は12月21日、公式立場を通じて「劇中の背景と主要事件のモチーフは、軍部政権時代の大統領選挙の政局だ。この背景に、既得権勢力が権力維持のために北朝鮮政権と野合するという仮想の話が含まれている。『スノードロップ』は権力者に利用され、犠牲となった彼らの個人的な叙事を示す創作物」と強調した。

続けて「『スノードロップ』には民主化運動を主導するスパイは存在しない。男女主人公が民主化運動に参加したり、導いたりする設定は放送された第1話、第2話にも登場していないし、今後も台本のどこにも存在しない」と説明した。

また「現在、多くの方々が指摘している“歴史歪曲”と“民主化運動の中傷”の懸念は、今後のドラマの展開の過程で誤解の大部分が解消されるはずだ。不当な権力によって個人の自由と幸福が抑圧される異常な時代が繰り返されないことを望む制作陣の意図を込めた」と明らかにした。

『スノードロップ』側は、「放送前にストーリーの多くを明かすことができないことが惜しいが、今後の展開を見守ってくださるようお願い申し上げる」と付け加えた。それとともに、ポータルサイトのリアルタイムチャットと公式視聴者掲示板をオープンし、多様な声を聴取する計画だ。

なお韓国大統領府公式ホームページに設置された国民請願サイトでは、『スノードロップ』の放送中止を求める国民請願が登場し、すでに20万人以上の賛同を獲得している。韓国の国民請願は、30日以内に20万人以上が賛同すれば、政府関係者の公式回答を聞くことができるため、その回答が待たれている状況だ。
 

 

 

 

 

「歴史を軽視するな」VS「ドラマはドラマ」『スノードロップ』への意見対立、表現の自由主張も
2021年12月22日

「歴史の傷の前では謙虚にならなければならない」VS「ドラマはドラマとして見るべき」。

韓国ドラマ『スノードロップ』についての論争が絶えない。制作陣が「歴史歪曲ではない」と改めて表明したが、大衆の冷たい視線は依然として残っている。

放送を禁止してほしいという大統領府への請願に30万人の韓国国民が同意し、国家保安法違反の告発、苦情などが30万という数字を証明したかと思いきや、これに反論する請願も登場するなど、依然として意見は対立している。

大学教授や議員も意見する事態に
12月21日、韓国のチン・ジュングォン元東洋(トンヤン)大教授はSNSに「一体何をしているのか…一方では民主化運動をこき下ろしたと大騒ぎし、他方ではスパイを美化したとして国家保安法で告発している。見方は違うが、メンタリティーは同一の人々、両方とも開かれた社会の敵です」と投稿した。
 

 


続いて「ドラマはそのままドラマで見て、どうか。表現の自由は民主主義社会の礎だ。その礎を揺るがす者は、断固として排除しなければならない。一体何の権利があってほかの視聴者の権利を自分たちが侵害してもいいと信じているのか。ぞっとするような理念的暴力団の横暴さを嫌悪している」と伝えた。

また、政党「正義党」のシム・サンジョン議員はチン元教授とは異なる意見を出した。シム議員は「先日、チョン・ドゥファン(全斗煥)の死に際して、“チョン・ドゥファンの時代が果たして終わったのか、私たちが絶えず省察しなければならない”と述べた。ドラマ『スノードロップ』論議を見守りながら、杞憂ではなく現実であることを悟る。チョン・ドゥファン再評価に続き、厳酷なチョン・ドゥファンの時代まで再評価しようとする試みに悲哀を感じる」と述べた。

シム議員は続いて「学生運動に潜入したスパイ、正義の安全企画部、時代の悩みがない大学生、マフィアのゴッドファーザーのように描写される、類似チョン・ドゥファンが登場するドラマに問題意識を感じなかったらむしろ問題だ。チョン・ドゥファン国家転覆期のスパイ操作、拷問の傷は一世紀を超えて続いていることを記憶しなければならない。被害者が生きていらっしゃる」とも伝えている。

「厳しい時代に光を当てるとすれば、その主人公は独裁政権の安企部(安全企画部、現在の国家情報院)と南派スパイではなく、韓国の民主主義のために血と汗、涙を流した韓国の平凡な市民にならなければならない。すでに『五月の青春』(原題)という立派な先例がある。創作の自由は歴史の傷を前に謙虚にならなければならない」と強調した。

影響は広告業者などにも…
『スノードロップ』は、1987年のソウルを背景に、女子大学の寄宿舎に血まみれで飛び込んだ名門大学院生のスホと、危機のなかで彼を隠して治療した女子大生ヨンロの切ない愛の物語を描いたドラマだ。人気ドラマ『SKYキャッスル』の脚本家ユ・ヒョンミとチョ・ヒョンタクPDが再び手を組み、放送前から話題を集めていた。

そして12月18日から放送が開始されると、放送前から問題となっていた民主化運動の卑下、スパイ美化などの論争に再び巻き込まれた。論争に対して制作陣は21日、「作品には民主化運動を主導するスパイは存在しない。男女主人公が民主化運動に参加したり導いたりする設定は、第1、2話にも登場せず、その後の台本にも存在しない。現在、多くの方々が指摘してくださった“歴史歪曲”と“民主化卑下”への懸念は、今後の展開過程で誤解の大部分が解消されるだろう。不当な権力によって、個人の自由と幸福が抑圧される異常な時代が繰り返されないことを願う制作陣の意図が込められている」と立場を明らかにした。

制作側は今年3月から現在まで、計4回にわたって立場を発表し、『スノードロップ』が歴史を歪曲するものではないと主張してきた。しかし、一部視聴者は国民請願などを通じて歴史歪曲をしていると主張し、放送中止を要求した。また、これらの主張は『スノードロップ』への制作支援、広告提供をした業者にも圧力をかけるなど、影響は多方面に及んでいるのが現状だ。

『スノードロップ』側は、「放送前にストーリーの多くを明かすことができないことが惜しいが、今後の展開を見守ってくださるようお願い申し上げる」と付け加えた。それとともに、ポータルサイトのリアルタイムチャットと公式視聴者掲示板をオープンし、多様な声を聴取する計画だ。

なお韓国大統領府公式ホームページに設置された国民請願サイトでは、『スノードロップ』の放送中止を求める国民請願が登場し、すでに20万人以上の賛同を獲得している。韓国の国民請願は、30日以内に20万人以上が賛同すれば、政府関係者の公式回答を聞くことができるため、その回答が待たれている。

 

 

 

 

 

 

放送中止を求める声は30万人、ついに法の判断へ…韓国ドラマ『スノードロップ』の責任とは

ドラマ『スノードロップ』をめぐる論議が雪だるま式に大きくなり、今後の放送への影響が必至だ。

放送前から歴史歪曲の論議が浮上した「Disney+(ディズニープラス)」配信中のドラマ『スノードロップ』(JTBC)の議論が激化している。放送が始まれば「誤解は解消する」としていた制作陣の期待とは、どうも違う様相だ。

『スノードロップ』は、大ヒットドラマ『SKYキャッスル』の脚本家ユ・ヒョンミとチョ・ヒョンタク監督の再タッグ、俳優チョン・ヘインとBLACKPINKのジスの共演で注目されたが、それ以上に民主化運動を歪曲したという批判に直面しながら難航を経験している。

1987年の大統領選挙を背景に繰り広げられる政治的陰謀と諜報戦を扱う『スノードロップ』は、制作段階の未完成なシノプシス(あらすじ)の一部がオンラインに流出し、「南派スパイが民主化運動を主導している」「学生運動をリードした特定人物をキャラクターに反映している」「安企部(安全企画部、現国家情報院)を美化している」などの疑惑が提起された。
 

 


そんな声に対して、去る12月16日の制作発表会でチョ監督は、議論の内容は初放送で直接確認してほしいとし、「放送前から(憶測の話が)出てくるのは創作者として苦痛であり、圧迫だ」と訴えた。

放送中止を求める請願に30万人が賛同
しかし制作陣の期待とは異なり、『スノードロップ』は第1話、第2話の放送を通じて、運動圏の学生と誤認されるスパイ(男主人公)、本物のスパイを追う特別な事情を持つ安企部の描写などで、民主化運動を歪曲したという反発に直面した。

さらに『スノードロップ』の放送中止を求める国民請願が、たった2日で30万人の賛同を集めた。故パク・ジョンチョル烈士側も遺憾の意を表した。スパイを追う安企部チーム長の行動が犠牲者として登場しているという指摘だ。

しかし、そんな懸念のなかでもJTBCは『スノードロップ』の放映を中断しないという立場だ。

JTBC側は「ドラマの中の人物と機関、設定などはすべて仮想」とし、「今後の展開を見守ってほしい」と再び要請した。

ただその解明は、むしろ議論の火に油だけを注いだようだ。運動圏の学生と誤認されたスパイの男主人公や、安企部要員を特別な事情を持つ人物として描いた点など、歴史歪曲論議の中心となっている事案については明確な解明を出さなかった。
 


ドラマの広告・協賛企業も次々と“損切り”に乗り出した。3大制作支援会社がすべて『スノードロップ』に対する支援を撤回した。中小規模の協賛企業も『スノードロップ』側に放送字幕の削除と製品の露出中断を要請した。男主人公を演じる俳優チョン・ヘインが広告モデルのチキンブランドまで『スノードロップ』の広告を中断し、ホームページに謝罪文を掲載した。

昨年3月に歴史歪曲議論で制作支援会社が次々と撤退し、2回の放映だけで廃止となったSBSドラマ『朝鮮駆魔師』(原題)の二の舞になるのではないかという声も出ている。

議論は政界にも広がった。「正義党」のシム・サンジョン大統領候補は「厳しい時代に光を照らすなら、その主人公は独裁政権の安企部や南派スパイではなく、韓国の民主主義のために血と汗、涙を流した韓国の普通の市民にならなければならない」とし、「創作の自由は歴史の傷の前に謙虚でなければならない」と一蹴した。

「共に民主党」ユン・ヨンチャン議員も、「世界の人々が韓国民主主義の歴史をどう受け入れるかが懸念される」とし、「制作陣と放送社の歴史認識に対する覚醒を求める」と批判した。

法の判断を受ける事態に
最終的に『スノードロップ』の歴史歪曲論議は、法の判断を受けることになった。



青年市民団体である世界市民宣言は12月22日、ソウル西部地方裁判所に『スノードロップ』に対する上映禁止仮処分申請を提起した。特に、この作品が「Disney+」を通じて世界中に配信されるという点で、懸念は加重されると批判した。

裁判所がどんな判断を下すのか注目が集まったなかで、業界からも様々な意見が出ている。

とあるドラマ関係者は「“意図がなかったから大丈夫”といった形でスルーすることはできない」とし、「“事件と背景は実際とは関係がない”という字幕だけで免罪符を受けることはできない。敏感なテーマを扱うだけに、制作陣がもう少し責任の意識を持たなければならなかった」と指摘した。

いくらフィクションでも、複雑な歴史を持つ国家と民族という国民的な“悩み”を無視することはできないということだ。

ただ『朝鮮駆魔師』のような事例が繰り返されることに対する懸念もある。ドラマの設定に対する過度な介入が、創作の自由を損なう可能性があるということだ。

とあるドラマ制作会社の関係者は、「コンテンツの開始段階から協賛が途切れ、放映中断が要求されて『朝鮮駆魔師』のように放送廃止につながる事例が続くと、歴史的事実に想像力を加えたコンテンツがこれ以上出るのは難しくなるだろう」とし、創作者が自己検閲に陥る状況を憂慮した。
 

 

 

 

 

 

放送中止を求める声が30万人に上った韓国ドラマ、疑惑のなかで視聴率まで“爆死”の二重苦に
2021年12月27日 

歴史歪曲という疑惑を払拭するために、特別編成で放送された韓国ドラマ『スノードロップ』(JTBC)だったが、視聴率は1~2%台に終わった。

12月27日、ニールセンコリアによると、前日に放送された『スノードロップ』第5話は、全国有料世帯基準で視聴率2.7%だった。自己最低視聴率である第4話(1.7%)よりは上回ったが、第3話(1.9%)に続き、期待されたほどの数字を残すことはできなかった。

JTBCは本来、金曜と土曜に放送される『スノードロップ』の第3~5話を、12月24日(金)、25日(土)、26日(日)に編成した。その理由は、歴史歪曲という批判を払拭するためだった。

先立ってJTBC側は12月23日、「『スノードロップ』をめぐる論争が続いている。放送ドラマの特性上、一度にすべての内容を公開することができないため、序盤の展開から誤解が始まったようだ。これに対してJTBCは視聴者の懸念を払拭するため、放送を予定より繰り上げて特別編成にすることにした」と伝えた。

「Disney+(ディズニープラス)」で配信中の『スノードロップ』は、1987年のソウルを背景に、女子寮に血まみれで飛び込んできた名門大の大学院生スホと、危機のなかで彼を密かに治療する女子大生ヨンロの愛の物語を描いた作品。大ヒットドラマ『SKYキャッスル』の脚本家ユ・ヒョンミとチョ・ヒョンタク監督の再タッグ、俳優チョン・ヘインとBLACKPINKのジスの共演で注目されたが、それ以上に民主化運動を歪曲したという批判に直面しながら難航を経験している。



『スノードロップ』は第1話、第2話の放送後、放送中止を求める国民請願がたった2日間で30万人の賛同を集めるなど、非難の声が集中した。

歴史歪曲の問題だけでなく、視聴率も取れないことが明らかになっただけに、ますます厳しい立場に追い込まれそうだ。