お久しぶりです。昔ちょろっと使ってたブログを発見したので再利用しました。
 
 
今回はample sound AGT2に関してのレビューをしていきたいと思います。
なんでそこなのかというと、僕が買おうと思い立った時もそうだったのですが、「良いらしい」という情報は溢れてるのに細かい情報が全然出てこないんですね。
 
 
そんな人たちの役に立てばいいし立たなくても戒めとして書いていきます。
ちなみに購入してから2か月ほどなのでバリバリ使いこなしているかと言われたらそうでもないのでその辺はご容赦ください。
 
 
 
まずは音から。
 
使ってみて思ったのは、値段の割に音がいいこと。音源にしては平均的な値段だと思うのですがかなりそれっぽくなります。
ちなみに音源には元々それなりにミックスされていて最初から様になる音源と録り音に近くミックスしてなんぼの音源があると思いますがAGTは後者の方です。デモもしっかりミックスされてるのである程度その辺の知識があるかどうかでかなり出音が違います。

ぶっちゃけ音はいいですが、相当アコギメインの曲じゃないかぎりオケに混ざるとわからないんですよね。ちゃんとミックスすればKontaktも割と良く聞こえます。
 
 
次に操作性
 
コードの指定から。
アコギ音源って大体がコードの指定と奏法の指定のセクションで操作すると思うのですが、率直に言ってAGTはかなりこの面は使いづらいと感じました。
この辺の理由はしっかり書いていきます。
AGTは鍵盤2オクターブ分を使って計24個のコードをあらかじめ指定しておきます。そしてその鍵盤を使ってコードを選択します。
つまり24個以上コードを使う場合はもう一台立ち上げる必要があります。
 
24個が多いと思うか少ないと思うかはそれぞれあると思いますが、転調さえしなければ比較的なんとかなると思います。僕はCメジャーキーで使うダイアトニックコードとよく使うモーダルインターチェンジを登録していて、転調する際はもう一つ立ち上げる方法をとっています。
 
しかしこの方法にはひとつ重大な欠点があります。AGTはカポで移調する機能があるので転調する際は利用しているんですが、Bメジャーキーとかが出てきてしまうとカポでは対応できないんですね。
AGTはとてもリアルな音源で実際のギターでできないことはできないようになっています。つまりカポでの移調においてカポ無しより下げるっていう概念はないです。
 
そうなるとわざわざ全部のキーのプリセットを用意しなきゃいけません。もうこの段階で面倒で使うのやめてしまおうかと思いました。
 
そしてリアルさゆえのデメリットなんですが、コードの指定はすべて食い気味にしないといけないのがなかなか面倒です。実際のギターと同じでコードチェンジにタイムラグがあるので、その分を稼いであげないと最初の音が出ないんです。他音源でもこういったことはあるようなので一概にデメリットとは言えませんがKontaktのアコギ音源はオンタイムでいけたので地味に気になります。
 
Kontaktに入ってるアコギ音源やRealGuitarはMIDIノートからコードを検出してくれます。この機能は個人的にCubaseのコードトラック機能とすごく親和性が高いと思っていて、コードトラックをそのままドラッグ&ドロップするだけでコードの打ち込みが終わってしまうんですね。
そう考えるとCubaseを使っている場合、仮にプリセットを作成しても手間的には他音源に負けてるかなと思います。
 
実はAGTにもノートからコードを検出する機能はあるのですが、読み取れるノートの範囲が狭すぎてコードトラックからそのままではほぼ読み込まないうえに打ち込むのもかなりヴォイシングに気を使わなければいけないのであまり実用的ではないです。しかも認識できるコードの種類がJPOPを作るには大分少ないです。m7♭5とか無理です。
これは先ほど紹介したコード指定の際も同じで、選択肢に無いコードは自分でヴォイシングを指定して作らなければいけません。
 
個人的にはどっちの方法でやっても棘の道といった感じでコード指定に関してはとても後悔しています。
 
 
長くなりましたが次は奏法に関して。
 
まずは普通のコード弾きに関してですがダウンが2種類アップが1種類あります。ダウンは低音弦も鳴らすかどうかの違いみたいです。(違ったらごめんなさい)
奏法が少ないと言われていますが、ブリッジミュートやブラッシングといった基本的な奏法はあるので一般的な曲を作る際はそこまで困らないかと思われます。
 
 
その他Kontakt音源との比較になりますが、ストロークのスピードを特定のキーのベロシティーで自由に変更できるのは中々便利かなと思いました。アコギはエレキ以上にそういったプレイが多いので。
 
 
 
次にアルペジオ
 
これはかなりやりやすいかなと思います。AGTで一番気に入ったのはこの部分です。
弦一本に対し鍵盤一つが割り当てられています。したがってコードの指定さえしてしまえば後は弦を選ぶだけ。ギターでアルペジオを弾く感覚とほぼ同じです。
 
鍵盤でアルペジオを打とうとするとギターでは演奏できないものになってしまうこともありますが、その心配がないので本物っぽいフレーズを作りやすいと思います。
 
 
次にソロ
 
こちらもまたまたリアルにできてまして、実機で演奏できるかを意識して打ちこまないとうまくいかなかったりします。しかしその辺はあまりストレスには感じませんでした。運指の設定などもあるのでかなりニュアンスを作りこめるのでは。
 
ソロに関してはあまり使用してないのでデメリットがそこまで見えていません。申し訳ありません。
 
 
 
そしてこれは奏法全体に言えることですが、基本的にAGTはミュートのキーを押さない限り音が止まりません。ここもリアル。実際のギターは弾いたら音が伸び続けますよね。それと同じです。だからMIDI信号の長さと音の長さに関係はないです。
これは慣れますがやっぱりKontaktに慣れてると面倒ですね。
 
 
そして余談ですが、オーサライズ方式がとにかく怖い。
 
一回の購入につき2回までオーサライズでき、半年ごとにその権利が一つ増えていく形式です。つまり最初から2台のPCにインストールもできるしずっと問題がなければどんどん使える台数が増えるので場合によってはかなりありがたいですよね。
しかし、僕は問題が起こりました。インストールした翌朝、Windowsが起動せず、スタートアップ修復によってAGTは消されました。この段階で既にライフ1です。再度消されることがなかったので無事使えていますが、もしも2回消されてしまったりPCトラブルに見舞われた場合半年間使えないんです。その点仕事に使うのは怖いかなと思います。
 
 
 
総括
 
AGT、ざっくり言うといいとこも悪いとこもリアルな音源といった感じです。時間をかけて作りこめる人にはすごく良いと思います。一方商業作家の方など短期間で数をたくさん作りたい人には向かないかなと思います。
 
なんとなくお気づきかと思いますが僕はあまり合いませんでした。他に奏法が多いものを持ってないのでもう少し付き合っていこうと思いますが。
 
 
 
以上です。まとまりがなくてすみません。少しでも参考になればと思います。それでは。