人は、きっかけを待っている。終わりにし、始める為に ー「単騎、千里を走る。」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。

20062月のリライト記事です)









・・・10 音信不通の息子

入院したと知り

会いに行く父



面会を拒絶する息子と

嫁が渡す ビデオテープ

「仕事ぶりを 見てください」


民族学者の息子が単身 中国へ渡り

撮影しようとした仮面劇

その踊り手・李加民と 息子の間で

交わされた約束

「来年 また来ますよ」


・・・息子は病院の中だ

何かしなければ

田舎町の漁師である父親が

おそらくは 初めて聞いたのだろう

「単騎、千里を走る。」

・・・それが何かすら 知らないまま

一人中国へ渡る



☆☆☆☆★


・・・自身が

告白するとおり


きっかけが

欲しかっただけなのかもしれない。

仲直りのきっかけ・・・


★★★★☆




旅は、予定どおりになど進まない

ビデオで見たその町に

李加民はいなかった


あることで刑を受け

23年は 刑務所から出られないという

刑務所まで撮影に行く と言っても

「前例がないから 認められない」は

お役所の決まり文句

(コレ、全世界共通?)




諦めきれない

しかし言葉も満足に通じない

うまく説得もできない


父は うまく言えない自分の気持ちを

カメラの前で語り ガイドに訳してもらう

「なんで 直接来て話さないんだ?」

といぶかしむ

役人達の表情が 変わっていく・・・




☆☆☆☆★



高倉健て

「なれる」人ね。

役を「できる」のではなく

役に「なれる」人。


漁師役のわりに

漁のシーンなんかなかったけどw

「おいっ、いきなり一人で中国?

 撮影に来ましたって、カメラ扱えんの?」と

観客に真面目に心配させるようなとこがね(笑)




もうひとつ言うなら、

ハッピーエンドの似合わない人。


覚えている限り、手放しで喜べるラストに

お目にかかったことがない。


もう、どうしようもなく変えようもない状況になって、

それでも黙って、それを受け入れてく

そんな印象。




人は、きっかけを待っている。

何かを終わりにし

何かを始める「きっかけ」をね^_^







映画タイトルでもあり、

息子が、父が追う

李加民が踊る仮面劇「単騎、千里を走る。」は



三国志の有名な話『千里走単騎』

曹操の手に落ちても、劉備への義心を失くさず

「恩は返した」と単騎、劉備のもとへ

劉備の妻子を連れて帰る

名馬・赤兎は一日にして千里を駆けるというお話




息子が叶わなかった仕事を

代わりにと駆ける父はまるで忘れていた義心を通そうとするかのようね^_^




結局、最初の思惑どおりにはいかなかったね。何ひとつ。

・・・ひとつだけいったかな。

何?って人は観てね。


ヤンヤン可愛いよー。

あのアタシにもおくれ。




★★★★☆



SCREEN(私設)研究所

高橋 早苗


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