名を隠し、名を生きる。裸であっても纏うもの。ー「千と千尋の神隠し」 | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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観る映画が、あなたの、わたしの、人生のヒントになる。
ここは、SCREEN(私設)研究所。

潜在数秘術×映画で
「観る」ことと心の関係を
映画を通して読み解いていきます。


「名前は?」

「・・・◯◯」

「いい名前だね」

・・・映画の中じゃ よくよく聞くセリフ

吹替も 字幕も とってつけた感を よく感じていたものだけど



2001年公開のジブリ映画

「千と千尋の神隠し SPIRITED AWAY




ここでは 名前は

奪われ 忘れるものになっています



八百万の神の世界へ迷い込み

本来の名を奪われた千と

名を忘れ 湯婆婆の元で生きるハク




千は 「千尋」という自分の名を何故か知っているハクの手助けを受けて

油屋で働くことになる


一方、ハクは 千には

「本当の名前を忘れると、人間の世界へ戻れなくなる」と忠告しながら

自分の名前は忘れている




千は リンや釜爺の手助けを受けながら

油屋の仕事を覚えていきます

名前なぞさて置き、やることやらなきゃ叱責を受けるだけ。

↑雇われ仕事のシンプルさね^_^




ハクは 湯婆婆に使われていますが

自由な時間がないようで あるようで。やっぱりない。

湯婆婆の双子の姉、銭婆が持つ魔女の契約印を盗み出し、深手を負います。


千の 決死の働きで ハクは救われ

千尋の記憶が ハクに 忘れていた本当の名前を与える




千尋が ハクとの関わりを思い出し 彼の名を呟くことで

ハクが 本来の名を思い出したのは

…千が 「千尋」という名を 忘れずにいたからなのでしょう



たかが名前、されど名前。

神さまも ニンゲンも

その行いで 見留められ 覚えられていくけれど

名前って その世界にいる間の 印みたいなものね。



二人は 本来の名を取り戻したことで

それぞれ、元の世界へ戻っていく



元の世界でも

名無しのナントカさんじゃ チカラも発揮できないわ。


数秘術だって、名前から

使命や魂、纏う衣装を観ていくのだから♪




名を隠し、名を生きる。

奪われ 忘れても ヒトは名を生きるしか できない生きものなのね。

だから 奪われて 忘れても また思い出す

それが本来の名前。

神隠しは、名前隠し?





…もうひとつ「千と千尋の神隠し」の中で

私が一番好きなシーンは


千が ハクの名前を思い出させるシーンでもなく

ハクが 銭婆のところへ 千を迎えにいくシーンでもない



千が 油屋で働くシーン(´∀`*)




☆☆☆☆★




雨の夜

油屋に 怪しい客がやってくる




“オクサレさま”と呼ばれる そのお姿は

まるで ゴミか う◯ちか ヘドロ?


皆逃げ惑い、遅れた者は

あまりの臭さに ブッ倒れてしまうほど

(こればっかりは匂いがダイレクトに来ない映画でホントよかったと思うわw)




湯婆婆は初仕事だといって

そのクサイ客を 千に押し付けます


その匂いのほどは リンの調達してきた食事が 一瞬で腐り

大湯の薬湯も ただの泥湯と化すほどでw





それでも千は

泥湯に足を取られながら 足し湯をし

お客に刺さった棘を 抜いて差し上げる



お客は 本来の姿を見せ 満足して

にこやかに帰っていきます




★★★★☆




初めての銭湯で 「ヒトの裸って豊かさだなぁ」と感じたのだけど


裸でも 何か着ていても

みんな それぞれに纏っているものがあるな。ってね。そうも感じるのですよ


映画のスクリーンでも

現実のスクリーンでも。




…千は 油屋の働き手らしく 着物姿

Tシャツ短パンとは 別人に見えますよね。




客は 泥とゴミを纏い

“オクサレさま”と呼ばれる姿


湯を浴び 余計なものを取っ払い すっきりすると

湯婆婆が「名のある河の主」と呼ぶお姿に


まるで 断捨離ビフォアアフター?w




銭湯で 見かける

知る人 知らない人のお姿も 同じで


服を着てる、着てないも

湯につかって さっぱりしたしないも 関係なく

纏っているものがあるなぁ。と感じるの




裸になっても 脱げないもの。

湯に 水に 流すもできないもの。

それは あなたの 1番の宝物(´∀`*)

名があっても、裸であっても、纏うもの。

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あの迷い込んだ世界のお話が、ホントかどうかはさておいて

油屋を見てると

神さまたちも、大変なのねぇ。




それも、数の仕合わせ。




★★★☆☆

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《かずの葉の庭》主宰

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