阿修羅王 ー 「百億の昼と千億の夜」より | ​ 観るチカラを、生きる糧に。 ー SCREEN(私設)研究所

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映画を通して読み解いていきます。

【八面六臂】はちめんろっぴ

多方面でめざましい活躍をすること。
また、一人で何人分もの働きをすることのたとえ。


注:八面六臂の「臂(ひじ)」は「腕」という意味。
三つの顔と六つの腕を持つ仏像を「三面六臂」といい、
傑出した手腕や力量を持つことにたとえられる。
この「三面六臂」が転じて「八面六臂」というようになったもので、
「八面六臂」という仏像は実在しない。



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日本SF初期の傑作

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光瀬龍 著「百億の昼と千億の夜」の中で



四億年の長きにわたり戦い続けている
帝釈天(たいしゃくてん)、そして梵天王(ぼんてんおう)から
「 三面六臂の異形の者 」と怖れられ



遠くアトランティスの時代から
終わりに向かって破滅の道を歩み続ける世界を憂い
非力ながらも答えを求める
釈迦国の太子、悉達多(シッタータ)を
摩尼宝殿(まにほうでん)へ導き



五十六億七千万年後の末法の世に
弥勒(みろく)が現れ皆を救うという
遠い未来の救済を信じていた
悉達多の目を開いた



それが、阿修羅。




戦いを挑んできた阿修羅こそが悪だと
阿修羅の言葉に耳を貸さない帝釈天を


「思考コントロールを受けている」
と意見の一致をみた悉達多と阿修羅は



後に、アトランティス滅亡を目の当たりにしたオリオナエと共に
神との戦いを選び
“ナザレの”を追いつめ、“シ”を追う。




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阿修羅といえば
興福寺の国宝、阿修羅像



三つの顔と六つの腕を持つ「三面六臂」の姿は、

綺麗、って言葉じゃどこにも足りないくらい
いつまででも見つめていられるほど綺麗だけど



「百億の昼と千億の夜」の中の阿修羅は
強さと知性を併せ持ち
ひたすら戦っているように見えるけど
そこに儚さも見てしまう
そして例えようもなく孤独で



極光(オーロラ)の下に立つ姿は
少女の面立ちでいながら 梵天王からも怖れられるように
「修羅」と呼ぶにふさわしく
すべてを壊してしまうような情熱も持っている



だからこそ
引きつけられる
その目で何を見つめ 何を見据えているのか
気になる存在。それが阿修羅。




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新星雲紀
双太陽青93より黄17の夏
アスタータ50における惑星開発委員会は
“シ”の命をうけ、・・・




“シ”は何ものなのか。
追い続けた阿修羅が見たものは?




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ココにも、阿修羅います。
私の目も、開いてくれた人。