新任の数学教師が
そのクラスで初めての授業をする。
「ノートはとらなくていいよ」
と話し出すのは、自分の幼い頃の話。
なぜ数学を目指したのか。
家政婦をしていた母と、
その“勤め先”のご主人・・・交通事故から
「記憶が80分しかもたない」
数学博士のこと。
当時10歳の彼(先生)は
“頭が平らだから”
と「√」(ルート)と呼ばれた。
そして母子共々、博士からたくさんの“数”の話を聞く。
大抵の家政婦さんと、大抵の10歳にはついていけないだろう、
整数や約数や階乗やら友愛数の話・・・
なにしろ博士には1時間20分前の記憶がない。
博士のポケットには、いつも紙と鉛筆が入ってる。
上着のあちこちに安全ピンでとめたメモ。
博士にとっては毎日が事故の翌日。
母は毎朝、出勤すると
玄関先で靴のサイズを尋ねられ
“実に潔い整数”の話を聞く。
子は、博士に会うたび
「実に賢そうな心がつまってるな」
と両手で頭をなでられた。
母子は、お互いに“博士の前で
「その話はもう聞きました」
とは言わない”約束をする。
「時は流れず」・・・博士の中にはない時の流れも、
周りには、ある。
些細なきっかけから、母は家政婦としての担当を外される。
だけど子どもからみれば博士は友達。
それが、博士の義姉を怒らせてしまう・・・
これ観ると、数字アレルギーも治るかもしれない。
観てるそばから「もう一回観たい」と思わせる映画も珍しいね。
観たいのか、あの“授業”を受けたいのか・・・
どっちもかな(笑)。
数学の“最初の授業”にこの映画みせたら、かなり「効く」んじゃないかなぁ。
もっとも、現場の先生はその後やりにくいかもしれないね?
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