2月7日(木)の講習会に向けて、パンパステルの特長とテクニックを、ホルベインさんのパンパステル・パンフレットも参考にして、今思いつく限りのアイデアを一覧にしてみました。
とっても長いです。(^^;)

なお、ホルベインさんのパンフレットにある以外のテクニックはオリジナルのものがありますので、もしも転載を希望される場合はご連絡くださいますようお願いします。


パンパステル


今回は、デモンストレーションなどではできなかった、メディウムを使ったミクストメディア系のテクニックも使って製作します。
メディウムを使うとすごく世界が拡がる感じがしますよ~。
思わぬ効果が出るので面白いです。
パステルが乗りにくい素材に塗る専用のジェッソなどもあります。

★パンパステル・オススメポイント
パンパステルは、粉っぽさが少なく、ちょっとぬめっとした感触でノビが良いことと、発色が良いのが特長。

スタンプテクニックとの相性も良いです。
インクではちょっと難しい混色や、ふんわりとした雰囲気で紙を着色できます。

また練りゴムやプラ字消しで消せるので、多少失敗してもOK。ハイライトを入れるのも簡単です。
消すことも画材の一種と考えると良いかな~。

定着させれば落ちなくなるので、フィクサティーフをかけるタイミングを考えて使うと、他の画材では出来ない面白い効果も…。

その他、スタンプインクはもちろん、水彩絵の具、色鉛筆、アクリル絵の具、木炭、コンテ、棒状パステル、マーカーなど、他の画材と組み合わせても使えます。
(※ただしマーカーは先に使わないとニブにダメージが…)

パンフレットにあるように、モノクロ写真への着色もきれいですね。

着色に使用するのはやはり「Sofft(R)」という専用ツールが便利です。
スポンジは化粧用よりもずっとコシがあって、塗る作業に適しています。
ナイフも持ちやすく使いやすいのですが、カバーは薄くて汚れたまま出しておくと痛みやすいです。
お手入れ方法などはパンフレットをご覧くださいね。割れちゃった場合などの直し方も載ってます。

また、ぼかす時は綿棒などもあると良いですね。
色替えの時にはキッチンペーパーで前の色をぬぐうと良いです。
手が汚れるのでウエットティッシュやおしぼりもあるといいかも。

下記のテクニックの細かい部分は実際に作りながらご説明いたします。

★テクニック一覧

◆塗り・着色
バックグラウンドなどの広い面を一気に着色。
グラデーション、混色も簡単にできます。
また色を重ねたい場合はフィクサティーフをかけて定着すると良いです。
紙だけでなくリボンなども着色できます。

パンパステルパンパステル 
パンパステルパンパステルパンパステルパンパステル

◆カラーリング(基本)
色塗りに適したデザインのスタンプ(線画など)を使い、ブリリアンスのブラックなどのはっきりした黒で押し、乾いてから着色します。
他のインクの黒でも良いのですが、パステルが乗ると少し薄くなるのでクッキリしてた方が良いのです。
黒などの濃色紙の場合のインクは、ブリリアンスのホワイトがオススメです。
パンパステルパンパステル 


◆カラーリング(バックグラウンドあり)
先にバック全体を作ってからスタンプを押し、インクが乾いてから塗りたい部分を練りゴムなどで消して、イメージ内を着色します。バックを均一に塗れるというメリットがあります。


・色鉛筆と一緒に使用
細かいデザインのカラーリングは、先に色鉛筆でしっかり塗っておくとレジストされるので、最後に全体にパステルを塗ることができます。
色によっては色鉛筆部分が汚くなるので事前に要テスト。


◆イレーザー・テクニック
練り消し、プラ字消しなどによる模様付け
全体にパステルを塗ってから、字消しでラインを入れていくと、ストライプチェックなどができます。
いったんフィクサティーフをかけてから再度ラインを描くと、複雑なチェック模様も可能です。
パンパステル 


◆マスキングテクニック
インクパッドの着色テクニックと同じですが、マスキングシート(ツキネコ製。要らない紙でもOK)などを使って、パンチ、ダイカット、飾り切りハサミ、手でちぎる(テアリング)などでマスクして着色。
抜いた部分と残りの部分、両方使えます。


例えばテアリングしたものは、数回ずらして着色することで、山並み、海の波、草原、砂浜なども表現できます。


◆ドライエンボス(エンボスフォルダー)
エンボスフォルダーに挟んで凹凸を付け、パステルで着色します。
スタンプをする場合は、先にブリリアンスのブラックなどで、センチメントやイメージを押しておくと良いです。
凸凹になってからはきれいに押せないのですが、逆に凸凹を付けてからバックグラウンド(全体柄)のスタンプを押すと、凸部分のみに押されるので、スタンプのデザインによって選ぶと良いです。
反対側の面は、凸と凹が反転しており、両面お好みで使えます。(文字以外)

パンパステルパンパステル
パンパステルパンパステル
パンパステルパンパステル 
 パンパステルパンパステル

エンボスフォルダーとマシンがない場合は、ライトテーブルにブラステンプレートと紙を乗せ、スタイラスでエンボスをかけることもできます。


◆バーサマーク
バーサマークでスタンプし、乾いたら色分けしてパステルで着色すると、バーサマークの部分が濃くなります。
スクラップブッキングのチョークと同じですね。


・バーサマークで黒抜き
ブラックボードにパステルを数色使って塗り、バーサマークをつけたスタンプを押すとパステルが取れて、地色の黒が出ます。(ホワイトなど抜けにくい色もあるので事前にテストすると良いです)
ただし黒い紙は、フィクサティーフをかけると色が沈むので濃いめに塗っておいた良いです。
パンパステル


・クリアエンボス
バーサマークでスタンプし、クリアパウダーをかけてヒートエンボスすると、加工部分がパステルを弾くので、紙の色でレジストされ周りを簡単に着色できます。


・クリアエンボス&黒抜き
ブラックボードにパステルを塗ったあとフィクサティーフをかけ、そこにバーサマークでスタンプしエンボス加工するとそこだけツヤツヤになります。
フィクサティーフをかけないでバーサマークで押すと、黒抜きクリアエンボスができます。


◆ミクストメディア(メディウムを使って)
・テクスチャーメディウムのハイブリッドやヘビータイプ(盛り上げ用)をペイントナイフなどでテクスチャーを作って塗り、乾いたらパステルで着色。

・テンプレート(ステンシル)
紙にテンプレート(ステンシル)を乗せ、メデイウムをペイントナイフや不要なクレジットカードなどで伸ばし、乾いてから着色。
グロスジェルではパステルが乗らないので、紙部分にだけ着色できます。パンパステルパンパステル

・下地
ジェッソや、パステル用ジェッソを塗ってから、パステルで着色すると、乗りや発色が良いです。
ムラに塗るとテクスチャーの効果で面白い背景になります。
パンパステル


・メディウムをシート状にして使う
シリコン面などはがせる素材にパステルを塗りつけ、上にジェルメディウムを塗り、乾いてからはがすと、パステルがジェルの膜についてはがれ着色されます。


◆色鉛筆レジスト
ワックス成分の多い色鉛筆をしっかり塗ると、パステルが載りにくいので塗った部分がレジストされます。
※白などレジストしにくい色もあるので要テスト。


◆ステンシル&ダイカット
ステンシルを使って着色するときは、粉がステンシルの縁にたまりやすいのでなるべく中心に向かって着色すると良いでしょう。

・パンチやダイで抜いた型を使って着色。
マスキングシート(ツキネコ製)を使うと動かず便利です。


・イレーザー
先にパステルを塗った部分を、ステンシルを使って消すという型抜きもパンパステルならではの方法です。
シャープな線を出したい時は、定規やトランプパレンシーを当てたり、製図用の字消し版を使うときれいな線で消せます。


◆クレイ
・立体フラワー
クレイを薄くのばし、クッキーカッターなどで花型で抜き、立体的に重ねて花を作りパステルで着色。自然の花のようにふんわりと着色できます。


・白抜きデボス
クレイを薄くのばし、インクを付けないスタンプで押し、周りを着色。
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まだ実際に作っていないものなどもありますが、出来たらまたアップします。
まだまだ用途がありそう。

アートジャーナルにもいいですよね。