境界性パーソナリティ性向の少女たちとネットアイドル・モデルの親和性
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いわゆる境界性パーソナリティの性向が強い少女たちが、いま次々とネットアイドルやご当地ポートレートモデルとして活躍しています。
端麗な容姿と奔放な言動により、多くの男性ファンを魅了する者もいれば、その過剰なまでの自意識、強烈な自己愛、起伏の激しい情動、衝動性、攻撃性により、やがて見捨てられゆく者もいます。

情報社会のなかで、いとも安易にアイドル気分を味わえ、有頂天になれる一方で、とりわけ所属事務所による教育やサポートも得られないフリーモデルたちは、リテラシーの欠如から取り返しのつかないトラブルを巻き起こすことも頻回です。

多くのネットアイドルやモデルたちが華やかな舞台で燦然と輝いている一方、こうした一部の大人になり切れていない少女たちがネット社会の狭間で大混乱を巻き起こしている現状。

今一度、自身の境界性パーソナリティ性向を見極め、理性的かつ抑制的な人間関係の構築を果たす一助になれば幸甚です。


では、そもそも境界性パーソナリティとはどういった状態をいうのでしょうか。

ここではアメリカ精神医学会の診断分類であるDSM-Ⅳに基づき、「境界性パーソナリティ障害(BPD)」の診断基準から主なものをご紹介します。なお、未成年者の場合、パーソナリティは発達途上にあるため、原則としてBPDという診断は下されないものとお考えください。

①見捨てられ不安
②不安定で激しい対人関係
③不安定なアイデンティティ
④衝動性や依存性
⑤自殺企図や自傷行為
⑥情緒不安定
⑦慢性的な空虚感
⑧怒りや感情の制御不能
⑨妄想や解離症状

要は、情緒的な不安定性のために良好な対人関係を継続的に築くことができず、周囲のファンやスタッフ、仲間らとトラブルを起こす状態と言えます。とりわけネットで活動または活動報告をしている彼女らは、ブログ読者にも攻撃的になりやすい傾向があります。


具体例として、以下のようなものがあげられます。(境界性に、自己愛性または演技性パーソナリティ性向が並存している事例を含みます。)


* 自分の思いどおりにならないと不機嫌になり、激しい怒りでたちまち態度が豹変する。こうした豹変は予測不可能で、論理的に話をしても抑えることができない。

* 怒りに囚われると周囲の状況など見境いなく荒ぶり、自らの行為を悪の断罪などと正当化する。

* 自分の欲求が満たされなければ罵詈雑言を吐き、相手をこき下ろして全否定に走る。

* 気分の良いときはハイテンションである一方、些細なことでイライラや不安感を募らせる。

* 敵味方という二分律でしか物事を捉えられないため、自分に肯定的な意見をする者は良い人、自分に厳しい助言をする者は悪者と断定し、この決めつけはしばしば臨機応変な修正が不可能。善と悪の中間や、どちらでもないという曖昧な状態に耐えられず、また理解もできない。

* ことを大げさにして自己を正当化するために平然と嘘をつく。にもかかわらず、自分はまっすぐで正直で正しい人間だと信じて疑わない自己中心性。あるいはそういう自分を演じていることに心酔している。

* とても傷つきやすく、傷つけられたことに対して過剰で執拗な反応を起こす。その根底には人間に対する不信感が潜む。

* 不合理な被害者意識が強く、自らが犠牲者だと喧伝する。自分が傷つけた相手の事柄は意に介さない。「そうされて当然」と開き直る。

* 些細なことで癇癪を起こし、ことを荒立て、さらなる炎上を巻き起こす。

* 事実と推論の区別ができず、自己の妄想めいた確信を事実であると誤認する。

* プライドが高く内省ができない。

* 相手に対し操作的である。

*  些細な出来事を苛烈に感じ取り、過剰に反応し、感情や行動をコントロールできない。こうした非情な態度にファンが離れてゆくと、裏切られた、利用されたと思い込み、激しく非難する。

* 本質的には自信がなく、他者の賞賛でしか自尊心を保てない。このため、自己を賞賛してくれる存在を死に物狂いで求めてゆく。

* 自分の歪んだ気持ちや信念は、紛れもない真実であるとの強い確信をもっている。

* 自分に自信がないため、自分の価値をライバルとの差で評価する。ファンの質や人数など。

* 同情を寄せるため、あるいは他人の注意を引きつけるために被害者の役割を演じる。被害者であることでアイデンティティが得られると考えている。被害者の役割は、自分の行動に責任を持たなくてよいという幻想を与える。

* さまざまな状況で自分が有利になるように、他人の動機や弱点を暴き続ける。

* 自分のさまざまな感情は外部の出来事によってもたらされると考える。

* 感情が事実を創りあげる。一般に情緒が安定している者の感情は事実に基づいているが、彼女らは感情が事実にそぐわないとき、事実を感情に合わせて修正する。感情のつじつまを合わせるため、事実を捻じ曲げてしまう。

* 自分のなかにある不快な気分や行動、感情を誰か他人のせいにする。

* 高いプライドから妄想や勘違いを生み出すものの、自分の非を認めることが許せない。その責任や恥ずかしさから逃れるために、他人の架空の言動を創り出し、それを利用する。

* 物事を客観的な事実で見るのではなく、自分の快不快の感情で推し量る。

* 理屈に合わない要求をし、どんな場合でもそれが最優先されることを求める。

* 絶えず誰かと諍いを起こし、埒があかないため相手が引き下がると、それが快感となり、刺激的であるがゆえに、さらなるお芝居へと傾倒してゆく。


次回は架空の人物例をあげて、境界性パーソナリティ性向とネットの親和性について考察を深めます。