3月。坂本龍一さんが亡くなった
1月には高橋幸宏さんが亡くなった。
私はYMOのことはあまりよく知らないけれど、有名な曲だけはなんとなく知っていた。
高橋幸宏さんの追悼番組を見て、とてもオシャレでかっこいい方だったんだなと思った。
そして坂本龍一さんが亡くなる前の1月初め頃、
NHKで放送していた番組をたまたま見た。
数曲だったけれど、ピアノを弾いている姿を見た。
坂本龍一さんの音楽をほとんど知らない私でも何となく知っていた「戦場のメリークリスマス(MaryChristmas Mr.Lawrence)」は
モッチーニが以前少しだけピアノで弾いていて、
良い曲だなぁと思っていて、
この番組で初めてちゃんと聞いて、きれいで切ない曲だなと思った。
坂本龍一さんは私の父とだいたい同世代で、
また、娘の美雨さんは私と同い年ということもあって
ちょっと親近感があった。
そして父と同じくがんで闘病されていたこともあったせいか
亡くなったというニュースを見て悲しい気持ちになった。
5月の終わり。
私の好きな映画館で「戦場のメリークリスマス」の追悼ロードショーがあることを知り、映画「戦場のメリークリスマス」を初めて見た。
大島渚監督の映画も初めてだったし、全然内容を知らないままで行ったので、
戦争の映画だし、もしグロかったりしたら123分耐えられるかなとちょっと心配だったけれど
そんなことはあまりなくて、意外とあっという間の123分だった。
それはもしかしたら、私が思い込んでいたことと全然違っていたからかもしれないけれど。
(Mr.Lawrenceはデヴィット・ボウイの役名だと思い込んでいたり、坂本龍一はチョイ役だと思い込んでいた)
【あらすじ】 Yahoo!映画より
第二次世界大戦下のジャワ山中の日本軍捕虜収容所を舞台に、
極限状態におかれた男たちの心の交流を描いた人間ドラマ。
「愛のコリーダ」の大島渚監督が、デヴィッド・ボウイ、ビートたけし、坂本龍一といった異色のキャストで撮り上げた話題作。1942年。ジャワ山中の日本軍捕虜収容所。
そこには単純で粗暴な軍曹ハラと日本語が流暢な英国軍中佐ロレンス、
そして収容所長のヨノイ大尉がいた。そこへある日、英国軍少佐セリアズが連れてこられた……。
映画の内容は、わかりやすいというわけではなかったものの、
難解すぎるっていうわけでもなかった。
映画を見た後映画レビューを見たら賛否両論だった。
確かに感想は分かれるだろうなと思った。
私は音楽含めて映画を見て良かったなと思う。
音楽だけ聞いてとても美しい音楽だと思っていたものの、
映画を見てからより音楽のすばらしさを実感した。
オープニングクレジットで大音量の有名なテーマ曲と真っ赤(実際はオレンジ色?)なタイトルで一気に引きつけられた。
これまでピアノ曲でしか聞いていなかったこともあって
シンセサイザーのオリジナルはさらに印象深かった。
映画の中でもシンセサイザーの音楽が流れていて、
80年代ぽいなと思ったけれど、今では逆に新鮮な感じもした。
そしてエンドロール。
映画を見終わった後に流れる「MaryChristmas Mr.Lawrence」は
映画を見た感情が加わって、音楽だけ聞いた時よりも沁みて
涙が流れた。
そして今、大島渚監督も、デヴィッド・ボウイも、坂本龍一も、内田裕也も…この映画に携わった何人かの方々が天国へ行ってしまった。
それがふと浮かんだ時さらに涙が流れた。
私はデヴィッド・ボウイをほとんど知らなくて、この映画でちゃんと顔と名前が一致したくらいだけれど
かっこよすぎてびっくりしてしまった。
そりゃ、ヨノイ大尉もあんな顔するわ笑
(後で調べたらデヴィッド・ボウイも父とだいたい同世代だった)
映画レビューでは、滑舌が悪いとか聞き取れないとか
演技が・・・とか、内容が・・・という理由で低い点数もたくさんあって、
それはわからなくもなかったけれど、逆に私はそれがリアルな感じがしてそこまで気にならなかった。
映画には男性しか出てこないこともあってか、同性愛映画という感想を持った人もいたみたい。
私はその部分もあまり感じなくて、恋愛感情とは別の愛のようなものを感じた。
愛とも友情とも表現できないけれど。
クライマックスの有名な場面。
ヒックスリー俘虜長を斬ろうとしたヨノイ大尉に歩み寄り、
ことばや態度ではなく、ハグ&キスで守ったセリアズ少佐。
戦時中の日本人男性には考えられないことだったと思う。
しかも(おそらく)惹かれていた人から受けたらなおのこと。
そのまま「お前何すんだ!」とセリアズ少佐を斬ることもできたのに
できなかったヨノイ大尉。
その後セリアズ少佐は刑罰を受けて死んでしまうけれど
仲間(俘虜長)の命を救い、ヨノイ大尉が刀で人を殺すのを止めることができたことは
ヨノイ大尉の心を救い、セリアズ少佐も自分自身を救うことができたんじゃないかなと思った。
大きな後悔を心に持っていたセリアズ少佐だったから。
ラストシーンのハラ軍曹(ビートたけし)の表情は
様々なところで言われている通りとても良かった。
あの表情とエンドロールの音楽で泣かされた部分も大きい。
ロレンス(トム・コンティ)の振り向いた時の表情も良かった。
美しくて、せつなくて、もどかしくて、どこかさわやかで、胸がいっぱいになった映画だった。
映画館で見ることができて良かった。
実は映画館で2回見たのだけれど、
特に1回目に見た時は本当に誰一人エンドロール中に席を立つ人がいなくて
みんな同じ気持ちで見ていたのかなと思った。
そういえば、前の会社で働いているときにかっこいいなと思っていた課長さんがいたのだけれど、
今思えばなんとなくデヴィッド・ボウイに似ていた気がする。
今はその課長さんも会社を去り、どうしているのかはわからないけれど
元気で幸せにいてくれたらいいなと思う。