私の住むベトナムのホーチミン市は8月に1日の感染者数が6,000人を超え、
8月23日から、外出禁止、経済活動も実質停止のロックダウンが実施されました。
食事のデリバリーも禁止でした。
このロックダウンによる経済活動への影響が大きく、
その他方で、ワクチン接種が進んだことから、
1ヶ月以上続いたロックダウンは10月1日から緩和されました。
しかし、やっとロックダウンが緩和されたという時に、
特に親しくしていた近所の友人(人生の大先輩)が帰国しました。
ロックダウン中も近所であることからよく連絡を取り合い、
大変な中でも人間らしくハリのある生活ができたのは、
その友人によるところが大きかったです。感謝
その友人から、引越しの際に数冊の本をいただきました。
その中の一冊が本書、『アルケミスト〜夢を旅した少年』です。
私は、現在中学1年生の長女と共通の本を読んで会話したいと考え、
長女の世代にオススメの本をインターネットで検索して読んでいます。
本書は、この検索の時にヒットした本の中にありました。
今般、この本を読み、「名著だ〜」と感動したので、紹介をします。
*著者および書籍の詳細はブログの末尾をご参照ください。
本書は、中学や高校の国語の教科書として読むのにふさわしい本だと思います。
灘校で中学校3年間をかけて『銀の匙』中勘助著を読み解く授業をやられていたと聞いたことがありますが、
内容としては、熟読すれば熟読するだけ、味が出てくる本だと思いました。
(スペイン語の翻訳版ではありますが。)
私も、この本を読みながら、分かりにくい部分にラインを引き、
ここは何を言いたいのだろうかと一度立ち止まり、
前後から解釈することにより理解を深めることができたり、
「錬金術師」ってなんだろう?
(「錬金術の歴史」→アリストテレスの「四元素説」?→エジプトの技術とギリシャ文化?)
「賢者の石」ってハリーポッターでも出てきたけど同じ発想から来ているのかな?
「エメラルド・タブレット」ってなんだ?
・・・
寄り道をして本書の想定する世界を調べると、本当に面白いです。
また、人生を通じて楽しめる名著だと思います。
若い頃に読めば、まだ見つけられていない夢をどのように見つけるか、
すでに夢があれば、今後直面するであろう悩みに対してどのように対面するか、
といったことのヒントが得られます。
ある程度人生経験を積んだ人が読めば、夢の実現を試みた経験と重なる部分の多いことに気づき、
自分の人生の反省をすることになり、
改めて夢を抱きどのように人生を過ごすかを考えるヒントになろうかと思います。
ちなみに、私は妻と学生の頃から付き合っていました。
もしも、大学院に進学をした際に「留学をしたい」と言ったら、
妻は「ファティマ」のように待っててくれたかな?
待っててくれたと信じたい(笑)
▪️書籍情報
書籍:『アルケミスト〜夢を旅した少年』(角川文庫)
著者:パウロ・コエーリョ
訳者:山川紘矢、山川亜希子
<著者の紹介>
・著者は1947年にブラジルのリオデジャネイロに生まれ、法律学校に入学したが、
1970年に中途退学し、世界各地へ放浪の旅に出たという経歴の持ち主。
・著者は1987年に『星の巡礼』を発表、これにより口コミで評判が上がり、
1988年に本書『アルケミスト』を出版して高い評価を得ることになった。
*この『星の巡礼』も頂戴した本の中の1冊としてあり、別途読む予定。
<書籍紹介>
・本書は、スペインの平原で暮らす少年(サンチャゴ)が、
小さい時から胸に抱いていた「もっと広い世界を知りたい」という気持ち、
「旅をする」という人生の目的を実現するべく、羊飼いとなり旅をする話。
・サンチャゴは、繰り返し見る夢を見た。
その夢の中で、ある子供が突然、サンチャゴの手をつかみ、
エジプトのピラミッドまで連れて行き、
「あなたがここに来れば、隠された宝物を発見できるよ」という。
・サンチャゴはこの夢の意味がわからなかったが、夢の実現を目指して旅をする。
その過程で、様々な困難に直面し、「夢を解釈する老女」(占い師?)、
身分を隠した老人(「セイラムの王様」)、錬金術師(アルケミスト)らに会い、
「世界最大のうそ(=宿命により人生を支配されること)」、
「運命」、「幸福」、「愛」、「夢の実現の障害」などを学び、
経験を通じて真実を知る。
参考:
・『アルケミスト』
・「錬金術の歴史」