眠れない夜、時刻はすでに1時を回っていた。
カーテンの隙間から月が覗き、柔らかな光で私を誘っていた。
そうだ、散歩に出よう。ドアの音が鳴ると両親を起こしてしまう。窓から出よう。私は少し高揚しながら靴を持ち、窓を開け外へ出た。
街は静かだった。自動車の音、虫の声、室外機のファン…。余りにも静かな街は、私にとって心地良く感じられた。深い闇と無音が、街の枠線を溶かした。
ふらふらと歩きながら空を見上げると、星が見えた。今まで気にしてなかった星が、とても美しく感じた。
欲しい。私の中にほんの少しの欲が首をもたげた。星に向かい手を伸ばすと、柔らかな風が吹き上げ、私の体を持ち上げた。少しずつ、少しずつ、地面が離れていく。空に落ちていく。私の枠線が、闇に溶けていく。
星はもうすぐそばに来ていた。もう少しで、もう少しで手が届く。私は曖昧になった手を伸ばした。
目を覚ますと、私はベッドの上にいた。時刻は1時を回っていた。
私は窓辺に立ち、月を見上げた。星が輝いていた。手が届きそうで、少し寂しかった。
カーテンの隙間から月が覗き、柔らかな光で私を誘っていた。
そうだ、散歩に出よう。ドアの音が鳴ると両親を起こしてしまう。窓から出よう。私は少し高揚しながら靴を持ち、窓を開け外へ出た。
街は静かだった。自動車の音、虫の声、室外機のファン…。余りにも静かな街は、私にとって心地良く感じられた。深い闇と無音が、街の枠線を溶かした。
ふらふらと歩きながら空を見上げると、星が見えた。今まで気にしてなかった星が、とても美しく感じた。
欲しい。私の中にほんの少しの欲が首をもたげた。星に向かい手を伸ばすと、柔らかな風が吹き上げ、私の体を持ち上げた。少しずつ、少しずつ、地面が離れていく。空に落ちていく。私の枠線が、闇に溶けていく。
星はもうすぐそばに来ていた。もう少しで、もう少しで手が届く。私は曖昧になった手を伸ばした。
目を覚ますと、私はベッドの上にいた。時刻は1時を回っていた。
私は窓辺に立ち、月を見上げた。星が輝いていた。手が届きそうで、少し寂しかった。