亡くなった知り合いに最後に会ったのは2023年7月末の夏真っ盛りの頃であった。


海の近くに住んでいる知り合いの家の家の近くの駅に行くと、知り合いが迎えにきてくれた。

ただその時、珍しく約束の時間を10分ほど過ぎたので、何かあったのかと心配になったりした。


しばらくドライブを楽しみ、美味しいお寿司を食べた。鮪の寿司がとりわけ美味しかった。

そこは知り合いが奢ってくれた。

お互いに希望に満ちており、知り合いも元気そうで、とにかく楽しい食事会だった。

共通の趣味を持っているため、会話は一向に飽きない。

またドライブの続きをして色々話した。


生きるか死ぬかの経験をして生還をしてきた当時の知り合いは全てを達観していた。

もはや何も驚かなくなってしまった。

死と隣り合わせの経験を何回も繰り返してきた知り合いは、死とも友達になってしまったようにてなづけていた。死への恐怖感はあまり感じず、達観していた。

知り合いの瞳は澄んでいて、本当に綺麗だった。


生きるか死ぬかという極限の生活を経験すると、何も望むものはなく、今現在に感謝というマインドになるようだった。

良くから離れ、世俗の人ではない、修行を経た名僧のように見えた。


そして、海辺のカフェに行き、ハンドドリップのコーヒーを飲んだ。また楽しい話が続く。


車に乗る前に海の浜辺に行った。

そこで僕は裸足になり、海水に足をつけてしばらく歩いた。

知り合いは微笑みながら待っていてくれる。


そして浜辺のトイレに行き、また車に乗った。

そこでも楽しい話をした。


知り合いはその付近に土地を持っており、良かったら土地をあげるので、こっちに将来住まないかと言ってくれた。


海風が気持ちよく、良い場所だったので、そんな老後も良いのかなとふとおもった。

そして、知り合いは上物だけだからあまり高くなく住めるよと、ありったけの好意でなんの打算もなく言ってくれた。


ただ、他人の自分が知り合いの家の土地をもらうなとはできないので、知り合いには、ありがとうとだけ伝えた。


そして、コメダ珈琲に行った。

少し待って僕はデザートとアイスコーヒー、知り合いは飲み物だけ頼んだ。


そこでもとにかく楽しく、穏やかな会話をした。


その後、知り合いは繁華街のより私の家よりの駅まで車で送ってくれた。


そこでまたの再会を約束して別れた。


そしてそれが永遠の別れになるとはつゆほども思わなかった。