泣ける、笑える、感動する 映画・ドラマ

泣ける、笑える、感動する 映画・ドラマ

タイトルや世の中の評価だけでは、いいものはわからないもの。

正直、感動ものって少ないですよね。

わたくし、paopaoの感覚で、泣ける、笑える、楽しめる映画、ドラマのレビューをアップしていきます。

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今回は、山田洋次監督作品で「幸福の黄色いハンカチ」と並び称される「遥かなる山の呼び声」ってどんな感じかなと思って初めて観てみました。
結果、この映画を観て本当に良かったと思います。
感動のレベルとしては、「幸福の黄色いハンカチ」と同等かそれ以上です。

観終わった後、自分の事を振り返り「もっと人に優しくすべきだな」と、プラスの影響を受けました。

ああいう体験が実際に出来ないかと考えてみたりしました。
高倉健の役回りでも、ハナ肇の役回りでも、どっちでもいいので。

あのラストの感動的な場面は、実際の人生の中ではなかなか起こりません。

もし私が映画の中の高倉健と同じような感動を実人生の中で味わうためには、
まず人を殺さなければならないし、人を好きにならなければなりません。また、人に好かれなければなりません。
いろいろなお膳立てがあってこそのラストシーンなわけですよね。

普通の人が実際には体験できないようなことを体験させてくれるところに、映画の素晴らしさがあります。

ただ、ストーリーだけ良くてもダメで、脚本、演出、役者の演技、全てがうまく働いて、奇跡の名シーンが生まれたように感じます。山田洋次監督、ありがとうございました。

あの頃映画 「遙かなる山の呼び声」 [DVD]
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日本映画の名作中の名作。
Amazonや他の映画評でも絶賛の嵐。
パオパオも異論があるわけではなく、何度も観て、観るたびに感動した。

今回は、この映画がこれほどまでに人の心を揺さぶる理由を調べてみたくて、
再度鑑賞してみた。

原作はピート・ハミルのコラム「Going Home」をベースにしているとはいえ、
山田洋次監督の手腕が随所に光る。

①武田鉄矢と桃井かおりの存在が鍵になっていること。

刑務所から出所した高倉健が、もしも一人で、夕張に帰っていたとしたら、
ラストシーンは、あそこまで盛り上がらない。
観ている人の意識が、武田鉄矢と桃井かおりの意識を通して映画世界の中に入っていく仕掛けになっている。

②高倉健のキャラクター
もしも高倉健がおしゃべりで陽気な男だったら、感動はできない。

③桃井かおりのキャラクター
桃井かおりの演技が光る。最初は内気でか弱い感じの彼女が、最後の方では高倉健を励ます存在になっている。もしもこの映画に桃井かおりがいなかったら感動はできない。

いくつもの「もしも」を考えると、それは偶然とは思えず、
山田洋次監督は、全て計算しているんだなと感じました。

ストーリーが良いのではなく、ストーリーを元にした映像表現が秀逸なのである。