(前回の投稿はこちら!)




同じ大学の研究室のAちゃんと、

数年ぶりに友人の結婚式で再開。



研究室の女子は、

みんな同じテーブル。

Aちゃんの息子くんの写真を見せてもらう。

やっぱりパパそっくりな美男子。

「おお!パパ似だね!」


なぜかちょっと気まずい雰囲気になるテーブル。

Aちゃん

「え~、そうかな~?」

「Aにも似てるね!

だんだんパパにも似てきた感じかな。」

微妙な表情のAちゃん。



式が終わって二次会。

私「今日は旦那さんは息子くんとお家?」

Aちゃん「いや‥、私再婚したんだよね。」

私「あ!そうなの?おめでとう。」



どうやら子どもが生まれてから、

旦那さんとうまく行かず、

離婚していたAちゃん。


その後、勤めていた大企業は退職し、

しばらくは実家のお母さんと一緒に

暮らしていたよう。


そして、再就職先は、

なんと私が勤める業界と同じ。

そこで出会った男性と、再婚していたらしい。


研究室の女子の中には、

そのことを知っていた子も数人いたので、

息子くんの顔がパパ似と言ったとき

気まずい雰囲気になった‥ということだった。


妊娠中の飲み会で、

微妙な表情をしていたのは、

もしかするとその時から

旦那さんとあんまり上手くいってなかった

からなのかもな。



それを聞いた私の本心は、

「なんでも上手くいくと

思ってたけど、ダメだったね!

ざまあみろ!」


そんな黒い気持ちでいっぱいでした。


大手に就職して、

イケメンと結婚して、

子どもも生まれて、

今までどおり要領よく上手に

やっていけると思ってたでしょ?

残念だったね。


私に「地味な業界」って言ったよね。

その業界に就職した気分はどう??

そうやって、人にマウント取るから

天罰が当たったんだよ。


さっき、「男は顔じゃない」って

何度も何度も言ってたけど、

今の旦那、イケメンじゃないんでしょ?

自分に言い聞かせてるんだよね。

だって、昔から付き合うのは

イケメンばっかりだった。

顔も大事だって、本当は思ってるでしょ?

人に羨ましがられる夫がほしいんでしょ?



こんな黒い想いが、洪水みたいに

ドドドドーッと溢れてきた。

普段は絶対人に見せられない、

黒い気持ちを押し込んでおく押し入れから

一気に溢れて広がっていく。


こんな気持ちを持ってる私、

最低だ!

って自分を責めて終わらせることもできるけど、

何でこんな風に思うのかなって

じっくり眺めてみた。

濁った水の中に顔を付けて、

じっと息を潜めて目を凝らすと

自分の本当の気持ちが見えてきた。




私は、ずっと、ずーっと

Aちゃんみたいになりたかった。


いいなぁ、自分に自信があるから、

メイクだってファッションだって楽しめて。


先輩や後輩とも気後れしないで話せて。

みんながその場にいてほしいって思ってる。


自分の見せ方が上手いから就活もきっと

うまくいく。


私とは違うキラキラした世界で生きていくんだろうな。


マウント取られてるって思ってたけど、

私が既に

Aちゃん>私って認識だったんだよね。


◯◯業界が地味だってのも

私が一番思ってた。


だから、面と向かって言われてムカついたの。 


何とも思ってないことだったら、

傷ついたりしないもんね。

「あなた、ハゲだね。」って言われたって

「???」で終わるもん。

私は自分がハゲてるって思ってないから。


でも、私には何もないからそういう

地味な業界でしか生きられない。


しょうがないの。


だからわざわざ言わないで。


そんな風に思ってた。



今思うと、Aちゃんも必死だったのかもな。

「離婚したんだ」じゃなくて、

「再婚したんだ」って言う言い方をしたのも、

なんとなく「失敗した」って言いたくないような

雰囲気を感じたし、

再婚したことも、なるべく

広めないようにってお願いしてたみたい。


きっとAちゃんの中には、

「大手に就職して、

みんなが羨む人と結婚して、

子どもが生まれる」=「幸せ」って

価値観があったのかな。


そして、今までわりとうまくやってきたAちゃんは、

やっぱり私はうまくやれるんだ!って

思ってたのかもしれない。


でも、それが崩れた。

離婚して、

シングルになって、

退職して、

学生時代は地味だと馬鹿にしていた業界に

就職して、

イケメンではない普通の旦那と

再婚した。


自分の理想と現実のギャップに

苦しんだのかもしれない。



それが、

「男は顔じゃない。」

「結婚するなら旦那みたいな人が‥」っていう

言葉を、

自分に言い聞かせるみたいに

何度も何度も言ってた理由なのかも。



私もAちゃんも、

本音を他人に言えない人生だったのかもな。



素直に

羨ましいとか、嫌だとか

言えてたら、もっと腹割って話せる人間関係を

築けてたんだろうか。



そんなことを思った出来事でした。



またね!


(他の投稿はこちら!)