中間管理職のオッチャンが色々と描いてます。
遠い意識の中で身体を揺り動かされ、ぼんやりと視界が広がった時・・・目の前には、見た事の無い顔が・・・一瞬驚き理解出来ずに起き上がろうと両腕に力を入れた・・・「 うっ! ぅう〜ん………」良く見ると両膝の上に跨がる見知らぬ顔は、自分の身体とは違い、見た事の無い身体をしていた!!「 はっ! ……ぁ………ぁ………… 」今の状況が理解出来ない女は、何とか逃げようと試みたが、両足を抑えられた形で身動きが取れずに・・・「 ………ぅう 」諦めた・・・見知らぬ者に何やら言われていたが理解出来ず・・・「 …ぅ……ぁ………ぅう…………ぅ…………… 」自分でも何を伝えて良いのか解らず、見知らぬ者に促されるまま立ち上がり、歩いて見せた・・・見知らぬ者は、先に川へと入って行った・・・女は、頼れる者も居ない、理解出来ぬ状況の中、見知らぬ者に着いて行くしか出来ず・・・自分も冷たい川に入り反対岸へと渡った・・・見知らぬ者は、何か話し掛けている様子だが、女には理解が出来ず、困り果てて呆然と見知らぬ者を眺めていた・・・見知らぬ者は、何か大きな声を出した後、くるりと向きを変えて歩き出しだ・・・女は、どうする事も出来ない状況に怖くなり、見知らぬ者の後を追った・・・途中、一度振り返った見知らぬ者は、再度大きな声を出したが、女を置いて歩き出し、小さな建物の中に飛び込む様に入り、戸を勢い良く閉めてしまった・・・女は、未だに理解出来ぬ状況の中、呆然と立ち尽くしていたが、濡れた身体を凍てつく風が容赦なく吹き付け・・・女は、ガタガタと震え出した・・・「 ……ぅ………ぅ………… 」何処の誰かも解らぬ見知らぬ者とはいえ、助けを求める気持ちは自然と女に戸を叩かせた・・・何れだけの時間が経ったのか、女は意識が遠退く中、小さな建物の入り口横に座り込み・・・動けなくなってしまった・・・ガラッ・・・ガラガラッ!「 ・・・はぁ〜、やっぱ居たかぁ・・・ もういいから入りなっ・・・ でもなぁ・・・ 何も無いからなぁ・・・ 何か温まるもんでもありゃなぁ・・・ 」見知らぬ者は、女を抱きかかえて家の中に迎え入れた・・・家の中は、土間からの上がり口が広く、奥の部屋にまで風が届くほど何も無い・・・小さな火鉢と布の塊、小さなちゃぶ台らしき物の上に湯呑みが一つ・・・女は、初めて見る物ばかりで彼方此方を見て回った・・・汚れたままの素足で、火鉢が置いてある居間らしき空間に上がり、擦り切れたままの畳の上をゆっくり一歩、また一歩と歩いて・・・ぺたんっと座り込んだ・・・そんな女に目もくれず、土間に置いてある水屋の中を探していた・・・「 ・・・はぁ〜、何か、無ぇかなぁ・・・ 」見知らぬ者は、水屋の奥から茶筒を取り出し、振ってみた・・・「 カサカサッ・・・カサカサッ・・・ 」僅かばかりの茶葉が残っている様子で、鉄瓶で水を沸かし出した・・・居間の中央に置かれた小さな火鉢に鉄瓶を置き、暫くの間、黙ったまま女を眺めていた・・・「 おめぇさんは、何処から来たのかのぉ・・・ はぁ・・・ 」見知らぬ者の言葉は通じず、深いため息だけが何度も耳に届いた・・・
暗闇に潜む凍てついた獣は、常に牙を剥き出しにし、真赤な目を光らせていた・・・岩陰に隠れながらも獣に寄り添う天女は、透き通った白い肌に汚れた絹糸の衣を羽織り、獣に手を重ねていた・・・不釣り合いな組み合わせに違和感を感じるが、良く見ると天女の両手首には鎖が巻かれていた・・・鎖を辿って見ると岩に突き刺さる朱槍に繋がり、妖しく光る朱槍は、風が吹く度に唸り声の様な音を発している・・・天界から落ちた天女は、何故・・・『愚師』底冷えする床の間に布団とは呼べない布地の敷物の中でゴソゴソと蠢く1つの塊が・・・「 ・・・ ヴゥゥ・・・寒いナァ・・・ 」塊に見えた物は、低く小さな声で呟いていた・・・「 チクショー!! 起きるかぁ・・・ 」モソモソと布地の塊は、少し膨れ上がる様に丸くなり、継ぎはぎだらけの布地からヒョッコリと頭だけを出した・・・どう見ても冴えない痩せこけた中年男の名は『 久兵衛 』貧乏農夫である。「 チクショウ・・・寒くて寝れやしねえ・・・早く荷を出さなきゃ銭もねぇじゃねぇか・・・ 」貧乏農夫の久兵衛は親兄弟に先立たれ、毎日独りで地主の田畑を耕しては、少しばかりの給金で生きていた。時には、何日も水のみの生活も当たり前で、冷たく身を斬る風が吹く中を薄汚れた布切れを幾重にも巻き付け、帯代わりの麻縄で結び止め、のそのそと鍬を担ぎ歩く姿はコジキの様だった。何も口にせず、辺りが暗くなるまで一心不乱に土にまみれた久兵衛は、帰り道の途中で立ち小便をしに小川に下り立ち、粗末な息子を出して勢い良く・・・ジョボボボ…用を足し終えた久兵衛は、徐に麻縄を外し、布切れを脱ぎ、そのまま冷たく氷水のような小川に入り、身体を擦り出した。「 ぅおぉ〜 冷てぇ!! ぉお〜!! ぉお〜!! ん? 何だアリャ・・・ 」冷たさに震えながらも身体の土埃をゴシゴシと洗っていた久兵衛の目に映ったのは・・・「 なんだアリャ? 人かぁ? どれどれ・・・ 死んでりゃ、何か金目の物でも・・・ 」久兵衛は裸のまま反対岸まで行き、茂みに横たわる物に近づいた・・・「 おっ! 女じゃねぇかっ! しかも、うっすい着物やなぁ・・・ ん?大事に抱えて・・・ 何だぁ・・・ 」久兵衛は横向きに倒れている女の腕を解きながら仰向けにした・・・「 おっ! いい乳しとるぞ!! どれっ!! ぅぉお!! 柔らけぇ・・・ 温けぇけど・・・ 生きてるのか? 」「 うっ・ぅ・う〜ん・・・ はっ!! …ぁ…ぁ……ぁ………ぁ…………ぅう… 」「 おっ! 気が付いたかい? おめぇは、誰だ? どうしたんだい? 」「 …ぅ……ぁ………ぅう…………ぅ……… 」「んっ!? どした? 喋れねぇのか? 困ったなぁ・・・ オラも裸のままで寒いからのぉ・・・ 動けるかぁ? 立ってみろっ? 」女は久兵衛に支えられながら立ち上がり、何とか歩ける様子を見せ一緒に小川を渡り、久兵衛が汚れた布切れを巻き付けるのを大人しく待った・・・「 おめぇさんは・・・?・・・う〜ん・・・喋れねぇと名前すら解らんからなぁ・・・ とにかく、おめぇさんは帰りな! 何とか歩けるみてぇだしよ。 なっ! 解ったら、とっとと帰りなっ! 」そう言うと、久兵衛は家に向かって歩き出した・・・が、やはり女の事が気になり、数歩行った所で振り向くと・・・「 わっ!! 何で、着いて来るんだぁ!! 驚れぇたぁ・・・ 」喋らないのか、喋れないのか・・・ どちらにせよ、何も言わない女を気味悪く感じた久兵衛は、一度も振り返らずに家へと辿り着き、勢い良く戸を閉めて床の間に逃げ込んだ。暫くすると・・・コンッ コンッ! コンッ コンッ!久兵衛は、戸を叩く音に怯え、布切れの塊から離れる事無く返事をした。「 誰だいっ! 名前を名乗りやがれっ! 誰なんだいっ! 」すると・・・コンッ コンッ! コンッ コンッ!「 だからっ! 誰だいっ! 名前を名乗らなきゃ解らねぇじゃねぇかっ! 誰だいっ! 」コンッ コンッ! コンッ コンッ!「 名乗らねぇなら! 戸を開けねぇからなっ! 帰ってくれっ! 帰れっ! 」そう言うと久兵衛は布切れの塊に頭から突っ込み、丸くなってガタガタと震えていた・・・どれ位、時間が経ったのか解らないながらも周りがすっかり暗くなり、戸を叩く音も聞こえなくなったので、久兵衛はそぉっと戸を横に引き開けてみた・・・「 ・・・はぁ〜、やっぱ居たかぁ・・・ もういいから入りなっ・・・ でもなぁ・・・ 何も無いからなぁ・・・ 何か温まるもんでもありゃなぁ・・・ 」自分自身、食べずに働くくらい貧しい久兵衛には、他人を助けたり、養う事など到底出来ない事で・・・それ故、女を助けたつもりも無く、死人なら何か盗んでも怒られないと考えての行動が。意に反して女を家の中に入れる事に後悔していた・・・「 ・・・はぁ〜、何か、無ぇかなぁ・・・ 」
皆々様、お疲れ・も〜にん☆です。メインブログには、【 パント☆ DESTINY episode 0 】を再開しますが、こちらでは、思いつき小説として短編を描いていこうと思っています。先ずは、【 天女と愚師 】と、題しまして少し時代錯誤な話しを始めます。マイペースなダラダラ更新となりますが、期待せずにお待ち下さいね♪(笑)(σ´ぱ`。)y-~