花が咲いている一番楽しい日々が終わると、
今年もこの季節が来ます(^^;
今年の堀り上げ作業は5月24日~6月5日まで。
時折雨で中断する時間のある日もありましたが、
丸一日雨の降るような日は無かったので
ほぼ休みなく13日間(-_-;)
’スーパーシンフォニー’の葉
枯れ上がり期の葉は紅葉するように美しくなります。
’ブルーヘブン’の株元に鳥の巣
おそらくヒバリだと思うのですが、たまたな私の区画にも
巣が作られました。
中身は空だったので、途中で放棄したのか子育てが終わったのか・・・?
こんな感じで堀上げ
今年は車輪付きの椅子をお借りしていましたが、砂丘地は畝が低いので
これはこれで極度の前屈み姿勢が続く。。。
そこで時々植え付けの時のウレタンマットを出して膝をついて
作業する時間を作っていました。
「へぎ」と呼ばれるケース
メインの圃場の分だけで100ケース弱くらいあるんじゃなかろうか?
ケースあたりだいたい8~20品種くらい入っています。
6月3日
メインの圃場のチューリップが掘り終わって日没間近。
スイセンとヒヤシンスは翌日午前に。
スイセンはこちらの腕の筋や手首がやられるほど根が強いので(笑)
本来はもっと枯れて根が弱ってから掘りたいのですが
適期に合わせていられないので頑張って掘ります。
6月4日
胎内市チューリップフェスティバルの展示圃場
こちらは雑草が元気(^^;
今年も沢山の方に見ていただきました。
私のコレクションのなかでも球数の多い品種を中心に
展示用に持ち込んでいるもので、今年は367品種。
こちらはこちらでメインの圃場の在庫とは別に管理しています。
なので、ネズミにやられたり腐ったりすると面倒なのです(-_-;)
6月5日
作業終了時。だいたいフェスティバル会場の圃場は
植える時も掘り上げる時も二日かからないくらいで終わります。
’ミストレスミスティック’の球根
生産者さんだともう少し球根が着色したころが適期。
でもそこまで待つと最後のほうの品種までたどり着く頃には
梅雨に突入してしまって作業できないのです。
「チューリップ品種保存計画」発足から4シーズン。
スポートや極少数しか球根が無いものも含めると
コレクションはおよそ1200品種となりました。
とてもすべては紹介できないのですが、
一部ご紹介しようと思います。
’あかつき’
日本生まれの品種。
国産品種でヴィリディフローラ系(緑が入る)は
あまり例がありません。
残念ながら商業生産は終了しているようで
2018年秋の販売を最後に市場には出ておりません。
’パープルダンス’ 2系統
上側はタキイ種苗から購入した球根から咲いた「パープルダンス」
下側はカネコ種苗の店頭品の球根から咲いた「パープルダンス」。
こういうユリ咲きかつヴィリディフローラの品種は
近年品種数が増えていて、しかも名前に「●●ダンス」と
つけるのがお決まりのパターンになっているので
たまたま重複してしまったのかもしれません。
’シナエダキング’
ユリ咲き。
微斑モザイクウイルスの罹病株が多く、導入当初から
過半数が感染していました。
病徴のあるものを全て抜き取り続けること2年。
ようやく今年は症状の出る株がゼロになりました。
当初導入したのが6球だったのですが
画像でご覧の通り、三作して数字上は全く増えていないということになります(^^;
’ルーブルオレンジ’
後方に見えているのが親品種の’ルーブル’。
ルーブルは色彩変異がよく出るようで、
私のところでも花の半分が濃色になっている花が出たりしました。
ベースが紫のところにオレンジが乗っているからか、
この独特のオレンジ色はほかの品種にはありません。
夕暮れ時にみると一層美しいです。
’パッショグロッシー’
紫色の’パッショネル’のスポート。
親品種と何が違うかというと、
植物体表面のブルーム(蝋状の物質)がないこと。
ブルームが無いことでチューリップ特有の
白っぽさが無く色が鮮明でつやつやした質感に見えます。
最近日本にもブルームレスのチューリップが
何品種か入ってきています。
本場オランダにはいろんな花のブルームレス品種があり、
今後トレンドになってくるかもしれません。
今年も新しく導入した品種が100品種以上ありまして、
古品種から最新の品種までありますが、
その中で一部をご紹介します。
’リブレットパロット’
日本でもかつては普通に出回っていて
私の大好きな品種なのですがもう何年も流通が無いので
オランダの愛好家の方から譲っていただきました。
個人輸入にあたり土地の認証番号がついている場所で
栽培されていなければならず、
ストレートに球根を送ってもらうことができなかったので
2年越しの輸入となりました。
’エリアス マーティン’
古品種。
’ムリロ’という古名花のスポートの一つです。
’ハワイ’
もともと同色の’シエスタ’というフリンジ咲きがあるのですが、
それのフリンジが強くなったタイプ。
’メルキュール’
フリンジ咲きの新しい品種。
’フレーミングピューリッシマ’
これも昔よく出回っていて、今シーズンからまた
久しぶりに日本で出回りだしました。
’クラウン オブ ネグリタ’
コロネットグループ(クラウン咲き)に
紫色の品種が加わりました。
まだまだ品種の数が少なく、できたての品種群なので
これからもどんどん新色が加わっていくでしょう。
’ダブルシェイク’
日本の品種’紫雲’と八重咲きの’エビータ’を交配したオランダの品種。
日本人としては、それを聞くと里帰り的な嬉しさがありますね。
’ピオニーローズ’
ホームセンター コメリのPBのパッケージでのみ
出回っているのですが国際登録もなく、
これが正式な品種名なのか怪しいです。
開花が進むと色が全体に乗ってきます。
’シャイニングパロット’
新しい赤のパロット咲き。’バストーン’という一重咲きのスポートです。
ミックス品の中にしか入っていなかったので咲かせてから選別。
’ウェーバーズパロットパープル’
北海道の愛好家の方から譲っていただきました。
2010年代に日本に入ってきて数年流通しましたが、
その後は全く手にはいらなかった品種です。
白とピンクのウェーバーズパロットのスポート。
来年は親品種と並べてメインのコレクション列に植えられそうです。
’エキゾチックサニーバード’
こちらも北海道の方から。
もう親品種の’エキゾチックバード’も世界的に絶滅状態で、
こちらの品種もとっくになくなっていると思っていたので
保存されている方がいらして大変感激しました。
この咲き方はエキゾチックバードと
その色違いにしかなく、本当に貴重なものです。
早く安定した数まで球根を増やして展示にも出したいです。
今年もチューリップのシーズン駆け抜けました。
4月下旬に入ったころの圃場
4月中旬の圃場
花を見に行くという目的はもちろんなのですが、
ウイルス病の罹病株を抜き取らなくてはいけないので
その選別がメインの作業となります。
わかりやすいのはこんな感じ。
花の色がまだらになったりするのが典型的な症状ですが、
ウイルスの種類とチューリップの品種の組み合わせによって
症状が出る時期や部位が異なります。
これがややこしくて、「この品種だとこういうのはアウト」、
というのが別の品種だと「これはこういう品種だからセーフ」、
みたいなのがよくあるのです。
なかなか人に任せられない作業となっています。
現在はチェックが終わってほとんどの品種の花を摘み取りました。
晩生の中でも遅い品種だけが残っている状況です。