クオレを読み返したいなあと思って探していましたら、図書館でやっと見つけた！

そのとなりにはなんと

た、たからのひょうたん！

この２冊、なんと昭和33年に刊行されております。私が生まれる前！

私は父に世界児童文学全集を何冊か買ってもらっていました。確か、小学館だったような。

でも写真のは講談社です。

昭和時代は、文学全集という形でこどもに買ってあげる親が多かったのではないでしょうか。何を選べばいいか、親世代はわからないことも多かったと思いますから、全集を買うわけです。ちょっと話をはしょっている部分があるので、今は全集はあまり流行りませんね。でも全集のお陰で私はニルスやハイジ、赤毛のアン、若草物語、小鹿物語、たからのひょうたんに出会えたわけです。他のはあまり覚えていなくて…母が引っ越すときに処分してしまったのでがっかりしました。

「いい年をして、なんでこどもの本なんか持っていきたいのっ」

と言われてしまいまして…ええ、二十歳でしたから。

でもいい年をしても児童文学好きだった私は悔いが残りました。

昭和の作文集も大好きでして、昭和20年代に書かれた作文集は父が買ってくれて、当時の生活様式がこども目線で描かれた優秀な作文集で、これはもう、図書館にもありません。国立図書館ならあるかもしれませんが、あそこは閲覧しかできないのです。なのでヤフオクやアマゾン中古で買い直したのですよ、今年。

今日はクオレを探していたら隣に「たからのひょうたん」があるではありませんか。私が読んだのとは訳者が違っていて、かなり言い回しが変わるものですね。

それで帰宅後、「たからのひょうたん」を読み直しました。中国の作品です。各国の民話や児童文学が好きでしたが、中国のは食べ物が美味しそうだったから好きでしたね。ヨーロッパはかなり食事が質素で、チーズ、硬いパン、ミルク、コーヒー、オートミール、ジャガイモ、良くてパンケーキ、パイ。

いや、日本はもっと質素で、あわ、ひえ、きび団子で…ご馳走は白米やお餅でしたからねえ。

たからのひょうたんに出てくる食べ物は当時、あまりに美味しそうで心を惹かれました。

今日も読み直したらやっぱり美味しそうなんです。

薫製のおさかな、漬けたたまご、ねぎの入ったパン、くるみの入った飴…ああ、わくわくした10才の頃を思い出しました。だって、他の国のは本当に質素というかシンプルだったのですもの。だから、中華料理って美味しいんですよね。

紙面の関係でかなり字が細かく、10才の私、よく読んだな。小学館のも細かかったですから。

しかし、50年以上もの時を経て、この作品は労働問題の提議だったんだなと今更ながらに気付きました。文化大革命につながっていくわけです。プロレタリア文学の香りがしましたが、こども相手に正面切って語れないから、ファンタジーにしたのでしょう。

そう言えば先日読んだポリアンナも社会主義っぽい感じをちょっと受けましたが、まあ、アメリカなので多様性が認められていたというか、受け入れざるを得なかったのでしょう。完全な社会主義というよりは、欧米にありがちなキリスト教的な物語でした。

そう思って読むとどこの国の物語も歴史を感じられて面白いですね。

これがこどもの時の読み方との大きな違いでしょう。

こどものときは「わー、おいしそー」と思いながら喜んでおりまして、現実の自分の食事はインスタントラーメン多用の時代でした。

クオレを読みたくて探したのに今日読んだのは「たからのひょうたん」

だってずっと探していたんですもの。

中国は共産国家になるまえに、貧民が本当に多かったのですね。平等に憧れたものの、実際は…

でも、中国は面白い国なんだろうなと思います。でなきゃ、こんなにたくさんの児童文学は生まれなかったでしょう。それがプロレタリアだろうと何だろうと。行きたいと思うわけではありませんが、物語は存分に楽しみたいです。

文学全集を買ってくれていた父には感謝です。多分、深い意味はなく、私が本好きなので喜ばせようとしただけで、教育熱心でもなんでもなかったんですけどね。

父は家庭人としては…昭和一桁生まれなのに、男だから威張るとか、そういうことは一切なく、それは良かったのですが、家計はめちゃくちゃでしたね。自分の快楽が優先でしたから。

しかし、私は財産は消えてしまうことがあるけれど、教育は遺せると信じています。父はそこまで考えずにやったことですが、私の脳の回路に読書や、書くことを植え付けてくれたのは父ですから。

父の財産は母が全部横取りし、

「お父さんが天国でハハハと笑うとるわ」

と私を嘲りましたが、ハハハと笑っていたのは母。お金で遺せないものを遺してくれたと私は父に改めて感謝しています。

だって児童文学を読んでいると小学生時代の素直な、優しさに憧れる自分に戻れるから。

現実は年老いていきますが、児童文学好きって素敵な趣味です。

図書館はパラダイス、宝の宝庫だなあと、こんな古い本を取っておいてくれて、本当に幸せです。

あ、近況。

昨日のプールが良かったのか、強烈なアイシングが、効いているのかだいぶ痛みが引いて参りました。やはり、プールも取り入れないと、変形性膝関節症なんだから。好きなダンスをやりたいからです。

小学生時代に帰る読書 たからのひょうたんとクオレ

小学生時代に帰る読書　たからのひょうたんとクオレ